「アイコン」に代表される、モダンなデザインを備えたスポーツウォッチが人気のモーリス・ラクロア。腕時計の高価格化が続く中、手の届きやすい値段設定であることも魅力のひとつだ。今回は、同ブランドの2023年の日本での売り上げ本数データをもとに、人気ランキングTOP5を紹介する。
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2023年12月15日公開記事]
2023年モーリス・ラクロア人気ランキングTOP5
モーリス・ラクロアは1975年から時計ブランドとしての歴史をスタートさせる。「マスターピース」や「レ・クラシック」など、伝統的な機構を独自のデザインによって表現したモデルを打ち出してきた。そんな中、2016年にラインナップに加わった「アイコン」が大ヒット。90年代の「カリプソ」から着想を得たこのモデルはラグジュアリー・スポーツウォッチのブームが追い風となって、モーリス・ラクロア人気をけん引する存在となった。
そのため今回の人気ランキングも、アイコンがほとんどを占めている。とはいえアイコンだけでもバリエーションは豊富であり、色々な顔触れを楽しめるランキングとなっている。
第5位: 「アイコンオートマティック」 AI6008-SS002-330-1
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ11mm)。20気圧防水。29万400円(税込み)。
第5位は、自動巻きムーブメントCal.ML115を搭載した、ブラック文字盤の「アイコンオートマティック」だ。
アイコンはモーリス・ラクロアが90年代に生み出した「カリプソ」から範を取ったスポーツウォッチであり、ベゼルに与えられたタブや、ケースとブレスレットがシームレスとなったフォルムが特徴だ。このフォルムは、現在時計業界のトレンドを席巻しているラグジュアリー・スポーツウォッチのスタイルと共通している。ブームを追い風に、かつ高すぎない価格設定が手伝って、アイコンはユーザーの心をつかみ、ヒットを飛ばした。
本作はそんなアイコンの中でもブラック文字盤にステンレススティール製ケース・ブレスレットを備えたベーシックなスタイルであるため、ジャケットやTシャツなどさまざまなスタイルに合わせやすい。なお、イージーチェンジャブルシステムによって、別売りのストラップへ付け替えも可能だ。
20気圧防水と実用性にも優れているため、1本所有していれば幅広いシーンで活躍してくれるに違いない。
第4位: 「ポントス S ダイバー」 PT6248-SS00L-330-J
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ13mm)。300m防水。28万4900円(税込み)。
今回のランキングはアイコンがほとんどを占めたが、ひとつ、別のコレクションからもランクインした。「ポントス S ダイバー」PT6248-SS00L-330-Jである。
ポントス S ダイバーは2013年に誕生したダイバーズウォッチだ。13年発表当時のモデルは生産終了しているが、23年、初代モデルを復刻。それが、本作である。復刻モデルはブラック文字盤とホワイト文字盤が登場したが、人気ランキングとして第4位に挙がったのはブラック文字盤のモデルだ。
30気圧防水を備えたケースは直径42mm、厚さ13mmと、大きすぎない。また、アウターベゼルではなく、回転式インナーベゼルが搭載されていることも特徴のひとつだ。このインナーベゼルは、2時位置のリュウズで操作できる。ダイビングタイムを計測する、カウントアップスケールも極めて読み取りやすい。このカウントアップスケールと、針・インデックスはスーパールミノバ夜光が施されている。
本作にはオレンジのラバーストラップとブラックのナイロンストラップが付属しており、イージーチェンジャブルストラップシステムによって気軽に変えられるのも特筆すべき点だ。本格ダイバーズウォッチとしても、タウンユースのスポーツウォッチとしても楽しめるモデルとなっている。
第3位: 「アイコン スケルトン アーバン トライブ」 AI6007-SS009-030-1
自動巻き(Cal.ML135)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39mm、厚さ11mm)。20気圧防水。世界限定500本。完売。
第3位にランクインしたのは、「アイコン スケルトン アーバン トライブ」だ。23年8月より世界限定500本で発売された。限定でありながらも、第3位にランクインしている。
本作は、オープンワークの文字盤を持つ。また、ケースとブレスレットに与えられたエングレービングが目を引く。このエングレービングは、都市がモチーフだ。都会に立ち並ぶ高層ビルのコンクリートやガラス、構造物がモチーフとなっており、本作の大きな特徴となっている。ケース直径39mm、厚さ11mmと大きすぎないサイズ感でありながらも、内部のムーブメントを露出させた文字盤や外装を覆うエングレービングが、強い存在感を放ってくれる。
第2位: 「アイコン オートマティック リミテッド サマーエディション」 AI6008-SS00F-431-C
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ11mm)。200m防水。世界限定888本。32万1200円(税込み)。
第2位は、今夏リリースされた「アイコン オートマティック リミテッド サマーエディション」AI6008-SS00F-431-Cだ。サマーエディションとして3色が同時発売されており、第2位となったのはターコイズブルーが爽やかな42mmサイズのモデルである。夏をイメージしているとはいえ、カラフルな文字盤を採用する時計ブランドは近年増えてきており、ターコイズブルーの洗練された印象と相まって、オールシーズンで楽しみたい1本だ。
なお、本作もインターチェンジャブルシステムによって、付属のターコイズブルーのラバーストラップ、ステンレススティール製ブレスレットどちらにも付け替えを楽しむことができる。
第1位: 「アイコン オートマティック」 AI6008-SS002-430-1
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ11mm)。200m防水。世界限定888本。29万400円(税込み)。
2023年、モーリス・ラクロアで最も人気があるモデルは「アイコン オートマティック」AI6008-SS002-430-1だった。クル・ド・パリ装飾と、サンレイ仕上げが施されたダークブルー文字盤の本作が、アイコンのイメージといった人もいるだろう。
ケース直径42mm、厚さ11mmとアイコンのスタンダードなサイズ感となっており、オールマイティに活躍できるモデルだ。多くのユーザーから支持されているのが分かる。
とはいえこれまで紹介してきたように、アイコンひとつとってもバリエーションが多彩だ。また、「ポントス」や「マスターピース」、「エリロス」など、モーリス・ラクロアはアイコン以外のコレクションも用意している。この中から、ぜひ自分のお気に入りの1本を見つけてほしい。
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