2023年秋、ウブロはサッカープレミアリーグのシーズン開幕を記念して「クラシック・フュージョン クロノグラフ プレミアリーグ」を発表した。2020年にプレミアリーグと共同製作したコネクテッド・ウォッチに続き、本作は機械式クロノグラフムーブメントを搭載する。ウブロとプレミアムリーグの重要な関係性と合わせて紹介しよう。
自動巻き(Cal.HUB1153)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。Tiケース(直径42mm)。5気圧防水。世界限定100本。170万5000円(税込み)。
ウブロがサッカーに参画する理由
ウブロほど長く、一貫して、そして幅広くサッカーに関わってきた時計ブランドは他にない。UEFA(欧州サッカー連盟)と同じスイス・ジュネーブ湖畔のニヨンに拠点を置くウブロは、2008年以来、世界で最も人気のあるスポーツであるサッカーとさまざまなパートナーシップを結んできた。例えばチャンピオンズリーグ、ワールドカップ、欧州選手権、プレミアリーグの各試合で、第4審判がロスタイムの長さや交代要員や交代選手のシャツ番号を表示するために使用する、ウブロのロゴ入りラウンドボードはよく知られている。
ウブロのサッカーとの関わりは、一貫した戦略の一部である。ウブロは顧客の個人的アクティビティや趣味、興味・関心事において、それぞれの世界でアプローチしたいと考えており、サッカーはその中で重要な役割を果たしている。
ウブロとプレミアリーグのパートナーシップ
2020年以来、ウブロは全世界でも最高レベルの視聴率を誇るイングランド・プレミアリーグとのパートナーシップを維持している。市場調査会社ニールセンによると、プレミアリーグは1シーズン中で、190ヵ国、累計32億人の視聴者を獲得しており、イギリスのトップリーグの試合を生中継で観戦するサッカーファンは、ドイツやその隣国でも増加している。全世界では、パブやバーでの観戦者を除いて、平均約2000万人がプレミアリーグの試合を観戦している。
ウブロがこの分野で積極的に活動する理由は十分にあるというわけだ。プレミアリーグの視聴者は交代ボードだけでなく、1試合につき6回、試合時間が表示されるスクリーンの左上部に、数秒間ウブロのロゴを目にする。1カ月で換算すると10分から15分程度の露出となり、ワールドカップでは平均して20分程度表示されることになる。
しかし、ウブロは単に露出を増やすために予算を投下しているわけではない。ロンドンで開催された「クラシック・フュージョン クロノグラフ プレミアリーグ」の発表会で、CEOのリカルド・グアダルーペはウブロが技術面でも関わっていると説明し、こう語った。
「ウブロのコネクテッド・ウォッチは審判の装備の一部となっており、例えばゴールライン・テクノロジーに直接影響を与えています。私たちはこの技術にも投資をしています」
ゴールライン・テクノロジーは、試合のボールに組み込まれたチップと、ウブロが審判用に製作・提供する公式スマートウォッチで構成されている。ボールがゴールラインを完全に通過すると、レフェリーの手首に着けた時計が振動する。これは例えば、ディフェンス側のゴールキーパーがボールをラインのすぐ後ろに蹴り出した場合、レフェリーが正しいゴールかどうかを必ずしも目視で確認できないため、重要な意味を持つ。
プレミアリーグのために製作された「クラシック・フュージョン クロノグラフ プレミアリーグ」
ウブロのコネクテッド・ウォッチは、2020年に初めてプレミアリーグと共同製作された。そして2期目の契約が始まるにあたり、「クラシック・フュージョン クロノグラフ プレミアリーグ」が発表されたのだ。今回選ばれたのは、機械式のモデルである。本作はチタン製で、プレミアリーグのパープルカラーを採用し、フロントとバックにプレミアリーグのロゴがあしらわれている。文字盤には、プレミアリーグの公式ロゴでもある稲妻のモチーフがあしらわれている。
大ぶりな直径42mm、厚さ11.9mmのケースは、自動巻きクロノグラフムーブメントのCal.HUB1153を搭載し、裏地の付いたパープルのラバーストラップで腕に装着する。50m防水のクラシック・フュージョン クロノグラフ プレミアリーグは、世界で100本のみ製造される限定モデルだ。リカルド・グアダルーペはこの時計をイギリスだけでなく、世界中で販売している。「イングランド以外のプレミアリーグの観客の多くは、中国からの観客です。またウブロには、全ての限定モデルを購入するファンの方もいらっしゃいます」。
プレミアリーグにとってウブロとの関係がどれくらい重要であるかは、本作発表前に行われた、現チャンピオンのマンチェスターシティとアーセナルの試合に表れている。リカルド・グアダルーペはエミレーツ・スタジアムの芝生の上への立ち入りを許可され、ふたりのキャプテンの前で試合開始のコイントスを行ったのだ。
「プレミアリーグの方から、このアイデアの提案がありました」とグアダルーペは語った。「こういったことがスポンサーに許されるのは、7年間で初めてでした。コインは片側がレッド、もう一方がシルバーでした。マンチェスターシティのキャプテン、カイル・ウォーカーはシルバーの面を選び、勝者となりました」。だが、試合はアーセナルが終了直前に得点しマンチェスターシティに1-0で勝利、スタジアムを沸かせた。
「サッカーはとてもエモーショナルなスポーツです」とリカルド・グアダルーペは言う。「そして、すべてが90分に集約される。時に試合が数時間にも及ぶアメリカン・フットボールや野球とは異なります。だからこそサッカーは、私たちが結んでいる多くのパートナーシップの中で最も重要なものなのです。過去15年間にわたる私たちの取り組みが、現在ウブロが多くの人々に知られるようになった事実に大きく貢献してくれています」。
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