G-SHOCKのフラッグシップMR-G最新作「MRG-B5000R-1JR」が2024年1月に発売! オリジンを彷彿とさせるベルトに注目!

2023.12.24

カシオ計算機の「G-SHOCK」最上位シリーズである「MRG-B5000」に、最新作「MRG-B5000R-1JR」が登場した。発売日は2024年1月24日(水)を予定している。その仕様と性能に、実機に触れつつ迫っていこう。

大橋洋介(クロノス日本版):写真・文
Photographs & Text by Yosuke Ohashi(Chronos Japan Edition)
[2023年12月22日公開記事]


25パーツに分割! 表面仕上げの美しさが際立つケース

MRG-B5000R-1JR

G-SHOCK「MRG-B5000R-1JR」
タフソーラー。Ti×コバリオン+DLC(縦49.4×横43.2mm、厚さ12.9mm)。20気圧防水。39万6000円(税込み)。

「MRG-B5000R-1JR」は、2024年1月24日(水)発売予定の、G-SHOCK最新モデルだ。G-SHOCK最上位シリーズとして最高峰に輝く「MR-G」の角型フォルムで"オリジン"などとも称される「DW-5000C」から受け継がれるアイコニックな意匠を、最新テクノロジーと素材で再現している。確かに、フルメタルのG-SHOCKで角型フォルムといえば、「GMW-B5000」シリーズがすでに存在している。

 だが、角型フォルムを再現する方法論がGMW-B5000とMRG-B5000とでは異なる。順を追って説明しよう。まずはGMW-B5000。このモデルのアッパーケースとインナーケースはそれぞれ一体型で、それら全体に渡ってDLCで単色のコーティングが施されている。

マルチガードストラクチャー

個別の部品によって衝撃性を担保するマルチガードストラクチャー。 ザラツ研磨による下地処理で、平滑にされている。

 対して「MRG-B5000」のアッパーケースは異なるアプローチを採用した。アイコニックな角型フォルムのベースであるアッパーケースを、細かく25個のパーツに分割するというものだ。なぜそうしたのか。それはアッパーケースの各パーツをザラツ研磨と言う下地処理で歪みをなくし、平滑で美しい面を得るためだ。一体型のままでは、へこみ部分を十分に美しく研磨することができないのである。ケースパーツの面の仕上げと、そのエッジをじっくりと鑑賞しよう。最高級のG-SHOCKにふさわしい技術を実感できるはずだ。

MRG-B5000R-1JR retake

丁寧に下地処理がなされた個々のパーツに注目してほしい。後述するショックアブソーバー部分も見て取れる。

 ちなみに、ケース、特にベゼル部分に関しては、素手で触ると手垢が目立ってしまう印象は拭えない。その点は注意が必要だ。

 また、ケース構造の変更に伴って、耐衝撃性へのアプローチも異なる手法を用いている。GMW-B5000はステンレススティール製のアッパケースとインナーケースの間に、ファインレジン製の緩衝材を挟むというもの。他方のMRG-B5000は、25個に分割したパーツのうち、四隅のパーツはT字バーと板ばねを組み合わせてショックアブソーバーとし、高い耐衝撃性を獲得したところに特徴がある。その他のパーツの間にも、板ばねとシリコンで耐衝撃性を持たせている。


純チタンより約4倍硬く、プラチナと同等の輝きを持つ素材「コバリオン」

 角型フォルムを象徴付けるベゼルパーツに用いられている素材、コバルトクロム合金「コバリオン」についても触れておきたい。この素材は純チタンよりも約4倍も硬く、そしてプラチナと同等の輝きを持つ合金だ。傷付きやすいベゼルパーツには適材適所の選択と言えるだろう。また、この合金は人体がアレルギー反応を起こしてしまう、ニッケルをほとんど含まない。そのため、人工関節といった医療目的に用いられることも多い。この合金の唯一の弱点は、力を加えれば加えるほど硬くなるという加工のしづらさにある。その難点を克服してでもG-SHOCKのフラッグシップであるMR-Gに使いたい素材だったということだ。


蛍石が原料の高級ベルト、デュラソフトバンドとは?

MRG-B5000R-1JR 材質

ベルト裏面のくぼみに、「FKM」と刻印があるのが見て取れる。この刻印は、フルオロエラストマーという素材を意味する。

 さて、このモデルの最大の特徴は「デュラソフトバンド」というベルトを使用したところにある。デュラソフトバンドとは鉱石である蛍石を原料にした、フルオロエラストマー(FKM)を用いて作られたベルトのことだ。通常のシリコン製ベルトに比べて高い耐久性、そして抜群の着け心地を有することが特徴である。

MRG-B5000R-1JR ベルト ver2

ベルトの造形表現は、初代G-SHOCKらしい形状だ。

 MR-Gシリーズではすでに丸型の「MRG-G2000R−1AJR」と「MRG-B2000R-1AJR」にてデュラソフトバンドを採用している。ワンプッシュ三つ折れ式中留のバックルの形状は、「MRG-G2000R」と同様だ。だが、ベルトの模様は異なり、この腕時計はG-SHOCKのオリジンらしいキャタピラを思わせる意匠を用いている。オリジナルに忠実な造形と言えるだろう。

MRG-B5000R-1JR レンガ

G-SHOCKの液晶表示外周に配されたソーラーセルには初代のレンガ模様が再現され、それがベルトの裏側にあしらわれている。おなじみの模様を用いる演出が実に心憎い。

 ちなみに、個人的なお気に入りはベルトの裏側の模様だ。初代から続くG-SHOCKの文字盤に描かれたレンガパターンが再現され、この遊び心にファンならば心が揺り動かされてしまうに違いない。


デュラソフトバンドを体感してみる

 さて、肝心の着け心地である。今回借りたモデルのベルトを切断することはできないため、腕の留まる部分までその着け心地を試してみた。確かに、ベルトの装着感は、ただのシリコン製ベルトに比べると包み込むような安心感のある、よい着け心地だ。

 その理由には適度な堅さ、また、エラストマーらしい密着感があるからだ。シリコン製ベルトからは、硬質プラスティックに近い質感の印象を受ける。だが、デュラソフトバンドはどちらかと言えば、天然ゴムの感触に近く、適度なしっとり感とも言うべき感覚がある。

MRG-B5000R-1JRバックル

形状からすると、「MRG-G2000R−1AJR」と「MRG-B2000R-1AJR」で用いられているバックルと同一のものと推測される。バックル側面の左側にある3つ並んだ穴でサイズの微調整ができる。

 また、バックルはチタン製のためか、金属で出来ているにもかかわらず、冷たさを感じさせない。なお、バックルには細かな調整用の穴が開いているため、ベルトのサイズを決定し、切断した後でも微調整をすることができる。

 着け心地に直結する総重量は106g。軽金属であるチタンを多用している割には、マッシブな装着感を堪能できるモデルだ。似た様な構成であるステンレススティール製のボディに樹脂製バンドを採用した「GM-5600-1JF」は73gだ。


G-SHOCKであることの存在感を醸し出す見た目

 次は装着した時の見た目だ。その第一印象はやはり「お、G-SHOCKを腕に着けているな」というもの以外の何ものでもない。耐衝撃性のためのボディがG-SHOCKであることを主張するのだ。加えて、このモデルのボタン部分やネジに使われた金色の部品が、より強いアクセントになっている。

 いや、むしろG-SHOCK過ぎるのかもしれない。筆者自前のG-SHOCK「DW-H5600」と並べてみると、MRG-B5000R-1JRは「G-SHOCKここにあり」という主張の強さを実感した。比較用のDW-H5600が艶消しのブルーグレーということもあるが、丁寧に作り上げられた金属ボディというものは想像以上にその存在を主張する。まさに王の中の王、G-SHOCKの中のG-SHOCKという印象だ。

MRG-B5000R-1JR比較

左は筆者所有のG-SHOCK「DW-H5600」。右が「MRG-B5000R-1JR」。ほぼ同一のサイズながら、フルメタルケースの存在感には圧倒される。

 子供のころから身近にあり、G-SHOCKが幼なじみのような存在に映るユーザーも多いと言えるだろう。スポーツや野外アクティビティの時に身に着けていた人は多いはずだ。そんななじみ深いG-SHOCKをアウトドアやスポーツシーンだけでなく、フォーマルもしくはドレッシーなシーンでも着用するのならば、MRG-B5000R-1JRは最適なのではないだろうか。丁寧に作り上げられたこの腕時計ならば、G-SHOCKだとすぐに分かるアイコニックな見た目そのままに、大人の雰囲気をまとってフォーマルなシーンにもマッチするはずだ。言うなれば、かつてのスポーツ刈りの少年が成長し、スーツの似合う大人になってその場に現れたかのようだ。


楽々設定可能! モバイルリンク

 ところで、G-SHOCKユーザーならば、ケースに備わった4つのボタンのどれかをポチポチ押しながら、時刻の修正やストップウォッチ機能を使ったことがあるだろう。MRG-B5000R-1JRでも、それは同様だ。少し固めのボタンを押すたびに、「ピッ」「ピッ」という高く短い電子音を鳴らしながらモードが切り替わっていく。この点もG-SHOCKらしい趣である。ただ、アラームの設定などの操作をする時には、少々面倒に思われるところがあるだろう。そんな人のために、「モバイルリンク」機能があるのだ。

MRG-B5000R-1JR スクショ

モバイルリンクに用いるスマートフォンアプリケーション「カシオウォッチズ」。アラームやリマインダーといった機能を設定できるだけでなく、操作音のオン/オフや、サマータイムといった細かな設定も操作できる。

 モバイルリンクは「カシオウォッチズ」というアプリケーションを介してスマートフォンから腕時計の設定を行える機能だ。アラームやタイマー、リマインダーといった機能を、スマートフォンから容易に操作できる。G-SHOCK本体にある4つのボタンをポチポチと駆使する必要はない。

 ただ、この機能の問題点は、接続するまでに手間と時間がかかってしまい、少々面倒な印象を受けしまうところだ。まずは本体のMODEボタンを3秒間押しっぱなしにする。これが結構固くて大変だ。その後、数秒してから接続できるようになる。特に操作しなければ数分で接続が切れてしまい、そのたびに同じ操作をしなくてはならない。スマートフォンとの接続はより容易な方が、正直望ましい。


最強性能のG-SHOCK

 モジュールに関しても迫っていこう。充電方法はカシオが誇る「タフソーラー」だ。蛍光灯のような、太陽光に比べて弱い光源でも充電されるこの方式では、まったく充電ができなくなっても約10カ月、さらにパワーセービング機能をオンにしていれば約22カ月も電池が持つのである。

 時間の精度は「マルチバンド6」という、日本(2局)、中国、北米、英国、ドイツと世界中の基地局から電波を受信して補正する機能で保たれている。それだけではなく、前述したモバイルリンクでもスマートフォンとの同期を通して時刻は修正される。もし、どちらも機能しなかった場合には、一般的なクォーツ時計の精度、平均月差±15秒を維持する。

 また、防水性もG-SHOCKらしく20気圧を備えており、水泳やウォーターアクティビティといった水場での行動にも大いに役立つ仕様なのだ。このあたりは今まで通り「タフ」が売りのG-SHOCKらしい性能だ。風防は、内面反射防止コーティングサファイアクリスタルを採用している。G-SHOCKらしい「壊れない」を体現する高度な機能は一通り搭載されている。


発売済みのMRG-B5000をおさらい!

MRG-B5000B

G-SHOCK「MRG-B5000B-1JR」
タフソーラー。Ti×コバリオン+DLC(縦49.4×横43.2mm、厚さ12.9mm)。20気圧防水。48万4000円(税込み)。

 そして最後に。すでに発売済みのMRG-B5000シリーズを紹介しよう。2022年3月に発売された「MRG-B5000B-1JR」は、黒色のDLCコーティングが施された製品だ。金属製ブレスレットが付属し、液晶ディスプレイ外周に配されたソーラーセルの枠の色が赤色であるところが「MRG-B5000R-1JR」とは異なる。また、「MRG-B5000D-1JR」は同じく2022年3月に発売されたモデル。その見た目はチタンカーバイドによるコーティングが施された、美しい銀色が特徴的だ。

MRG-B5000D

G-SHOCK「MRG-B5000D-1JR」
タフソーラー。Ti×コバリオン+チタンカーバイド(縦49.4×横43.2mm、厚さ12.9mm)。20気圧防水。41万8000円(税込み)。

 さらに、水墨画に用いられる青墨をイメージした黒色のDLCによるコーティングと、ソーラーセルの枠やバンドのピン、そしてアッパーケースの一部にブルーIPのコーティングが施された「MRG-B5000BA-1JR」も22年の6月からラインナップに加えられた。

MRG-B5000BA-1JR

G-SHOCK「MRG-B5000BA-1JR」
タフソーラー。Ti×コバリオン+DLC(縦49.4×横43.2mm、厚さ12.9mm)。20気圧防水。48万4000円(税込み)。

 G-SHOCKのアイコニックな姿そのままに、最高の技術と最新の素材で作り上げたMRG-B5000R-1JR。かしこまった場所でも、いや、だからこそG-SHOCKを身に着けたい人には最適な1本だ。



カシオ計算機お客様相談室 Tel.0120-088925






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