セイコー プレザージュは、優れた実用性と高級感のあるデザインを備えた人気シリーズだ。日本の伝統美が反映されており、海外でも高い評価を集めている。メイド・イン・ジャパンの機械式時計の傑作、セイコー プレザージュの魅力に迫る。
セイコー プレザージュが高い評価を得ている理由
セイコー プレザージュのモデルは、ハイエンドモデルとベーシックモデルの2種類に大きく分けられる。共通する特徴は、高級感のあるデザインと信頼性の高いムーブメントだ。セイコー プレザージュが人気を博す理由を見ていこう。
高級感のあるデザイン
セイコー プレザージュのモデルは、高級感を醸し出す美しい針や文字盤が使われている。ダイヤルのユニークな素材も、デザインが際立つポイントのひとつだ。
セイコーの時計には、「Comfotex(コンフォテックス)」と呼ばれる技術がしばしば用いられている。ガラスの存在を意識させない「スーパークリア コーティング」や、外装を傷から守る「ダイヤシールド」により、優れた快適性を実現するセイコー独自の技術だ。
さらに、さびにくい特徴を持つチタンを用いることで、時計本来の美しさが引き出されている。
信頼性の高いムーブメント
セイコー プレザージュは、主に4R系・6R系の2種類の機械式ムーブメントが搭載されている。いずれも信頼性の高い自社製ムーブメントだ。
プレザージュのムーブメントには、セイコーが独自開発した「トライマチック」が採用されている。トライマチックには3つの技術「ダイヤショック」「マジックレバー」「スプロン」が用いられ、これらの技術により、日常での使いやすさや安定した精度がもたらされている。
プレザージュの裏蓋はトランスパレントバックだ。中にはダイアルの一部がスケルトン化されているモデルもあり、表や裏から緻密な美しい動作が楽しめる。
セイコー プレザージュのおすすめ
プレザージュの現行モデルの中から、おすすめを紹介しよう。
セイコー プレザージュ「クラフツマンシップシリーズ 有田焼ダイアル」Ref.SART003
自動巻き(Cal.6R5H)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.6mm、厚さ12.5mm)。10気圧防水。25万9600円(税込み)。
日本初の磁器として400年以上の歴史を持つ有田焼。本作は、そんな有田焼をダイアルに採用したモデルだ。6時位置に配した24時間表示のインダイアルや、中央に設けられた窪みなど、立体的な造形も相まって磁器特有の艶やかな質感を楽しむことができる。一方で、バーインデックスとリーフ型の時分針の組み合わせは至ってシンプル。無駄な装飾を削ぎ落した機能美も兼ね備えている。
ステンレススティール製のケースとブレスレットは、さまざまなシーンで使いやすいスタンダードなデザイン。ケースは直径40.6mmと、手元で程よい存在感を示すサイズ感だ。
シースルーバックから鑑賞できるムーブメントは、機械式自動巻きのCal.6R5H。約72時間のロングパワーリザーブを備えている。
セイコー プレザージュ「クラフツマンシップシリーズ」Ref.SARX107
自動巻き(Cal.6R55)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.6mm、厚さ11.6mm)。10気圧防水。22万1100円(税込み)。
石川県金沢市の漆芸家である田村一舟氏が監修した漆ダイアルを採用。何層にも漆を塗り重ね研ぎあげることで、特有の質感を与えている。インデックスをバータイプ、時分針をリーフ型とすることで、シンプルながらも上品な印象に仕上げている。インデックスと時分針がホワイトで統一されているため、視認性も十分だ。
ケースは曲面を多用したラウンド型だが、ラグにエッジを取り入れることによってシャープさも感じられる。ステンレススティールブレスレットは、5連タイプ。ヘアライン仕上げのコマとポリッシュのコマを交互に組み合わせることで、オンオフ問わず使いやすいデザインとなっている。
ムーブメントは、セイコーのスタンダードな機械式自動巻き、Cal.6R55を搭載する。
セイコー プレザージュ「クラシックシリーズ」Ref.SARJ007
自動巻き(Cal.6R5J)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40.2mm、厚さ13mm)。10気圧防水。15万4000円(税込み)。
セイコー プレザージュの中でも、日本の日常を彩る工芸品や衣服に用いられた色彩や、素材、質感などに着想を得たデザインを特徴とするのが、「クラシックシリーズ」だ。その中にラインナップするSARJ007は、絹のような繊細なパターンの型打ちダイアルを特徴としている。
6時位置には昼夜を判別することができる24時間表示が配され、9時位置の開口部からは鼓動するテンプを楽しむことができる。カーブしたダイアルに合わせて、分針や秒針の先端が曲げられており、さらにサファイアクリスタルにもカーブ型を採用することで、全体的にクラシカルなデザインに仕上がっている。
ブレスレットは、1970年代に多く見られたデザインから着想を得ており、細かなコマが上品さとしなやかな装着感を両立させている。
セイコー「プレザージュ シャープエッジドシリーズ」Ref.SARX077
自動巻き(Cal.6R35)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39.3mm、厚さ11.1mm)。10気圧防水。12万7600円(税込み)。
「シャープエッジドシリーズ」に属する、鮮やかなブルーダイアルを持つモデル。立体的なダイアルは、厚さ0.4mmの金属板に加工を施し、日本の伝統的な麻の葉文様を再現している。麻の葉文様には、成長や出世の象徴として親しまれてきた歴史がある。ダイアルのブルーは、日本の伝統色である藍鉄(あいてつ)。落ち着いた色味は、スーツを着用するビジネスシーンにもマッチする。
シリーズ名が示すように、エッジの利いたシャープなケースデザインも魅力のひとつ。広い平面で構成されたラグが、力強い印象をもたらす。
堅牢なステンレススティール製のブレスレットや、信頼性に優れたCal.6R35ムーブメントなど、個性を利かせたデザインだけではなく高い実用性を誇る本作は、機械式時計の最初の1本としてもおすすめできるモデルだ。
セイコー「プレザージュ カクテルタイム」Ref.SARY243
自動巻き(Cal.4R34)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ12.8mm)。5気圧防水。7万5900円(税込み)。
ロングセラーとして親しまれている「カクテルタイムシリーズ」に加わった、2024年発表のGMT搭載モデル。シリーズの監修には、現代の名工にも選ばれたバーテンダーである岸久氏が携わっている。
本作がモチーフとしているカクテルは、ラスティ・ネイル。深いブラウンに、ロゴやGMT針など、随所に取り入れられたゴールドカラーがアクセントとなっている。スポーティーになりがちなGMTウォッチだが、24時間表記にエレガントなアラビア数字を用いることでドレッシーにまとめられている。インデックスの形状は、カクテルグラスのステムをモチーフとしたものだ。ボックス型のハードレックスガラスと先端を曲げた針が、クラシカルな印象をもたらす。
ストラップは、かしこまった装いにも溶け込む型押しのカーフレザーストラップ製。バネ棒から伸びるレバーを操作することによって、ストラップをケースから簡単に取り外すことが可能な仕様であり、ファッションに合わせて複数のストラップを使い分けるという楽しみ方もできる。
セイコー プレザージュの革新的なモデルを堪能しよう
高級感のあるデザインと信頼性の高いムーブメントが、セイコー プレザージュの評価を高めている理由だ。各シリーズに日本の美を堪能できる特徴的なモデルが並んでいる。
ビジネスシーンでスタイリッシュな印象を与えたい場合や、実用性の高い上品な時計を探している場合は、セイコー プレザージュをチェックしてみよう。