ブライトリングのメンズモデルから、売上金額が最も高かった上位5モデルを発表する。やはり、ブランドのアイコンである「ナビタイマー」と「クロノマット」の圧倒的な人気を表す結果であった。入荷本数が多いという背景もあるが、日本限定モデルが多くラインナップしており、同社がいかに日本市場の好みを熟知しているかが分かる。
Text by Tsubasa Nojima
[2023年12月20日公開記事]
ブライトリングのメンズモデル、気になるTOP5を発表
1884年に創業し、パイロットウォッチの名門として名を馳せてきたブライトリング。同社は特に近年、過去の名作にオマージュを捧げながらも、現代らしい洗練されたコレクションを展開することで、多くの愛好家から注目を集めている。
アイコニックなクロノグラフである「ナビタイマー」や「クロノマット」に加え、高い防水性を誇る「スーパーオーシャン」、エレガントな「プレミエ」をはじめとする豊富なラインナップから、今回はメンズモデルの売上金額TOP5を発表する。
第5位:スーパーオーシャン ヘリテージ B20 オートマチック 42 ジャパン リミテッド
第5位は、「スーパーオーシャン ヘリテージ B20 オートマチック 42 ジャパン リミテッド」だ。「スーパーオーシャン ヘリテージ」は、1950年代に登場したダイバーズウォッチ、初代「スーパーオーシャン」をモチーフとしたデザインを持つコレクションであり、矢印型の時針や、リュウズガードのないシンプルなラウンドケースを特徴としている。
アイスブルーダイアルが上品な日本限定モデル。初代「スーパーオーシャン」に着想を得たシンプルなデザインは、オンオフ両面で活躍することだろう。
自動巻き(Cal.B20)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.3mm)。200m防水。日本限定。81万9500円(税込み)。
日本限定モデルとしてラインナップする本作は、アイスブルーカラーのダイアルとブラックセラミックス製のベゼルインサートを組み合わせることで、爽やかな印象にまとめ上げられている。
搭載するムーブメントは、チューダー傘下のケニッシ社から供給されたCal.MT5612をベースとするCal.B20だ。これによって、C.O.S.C.公認クロノメーターを取得した高精度と優れた耐衝撃性、約70時間のパワーリザーブを獲得している。チューダーとブライトリングは、互いにムーブメントを供給し合う協力関係にあり、ブライトリングからは、自動巻きクロノグラフムーブメントのCal.01をチューダーへ供給している。
第4位:スーパー クロノマット B01 44 ジャパン エディション
「スーパー クロノマット」は、ブライトリングのフラッグシップである「クロノマット」をベースとして、さらにマッシブな要素を加えたコレクションだ。ベゼルやプッシュボタン、リュウズにセラミックス素材を採用し、直径44mmの迫力あるケースを備える。
力強いデザインの「スーパー クロノマット」を上品なカラーリングでまとめ上げている。クロノグラフ秒針やフランジ部のレッドがアクセントになっている。
自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径44mm、厚さ14.4mm)。200m防水。日本限定。127万500円(税込み)。
今回選出された「スーパー クロノマット B01 44 ジャパン エディション」では、それらのセラミックスパーツとダイアル、ラバーストラップをホワイトで統一し、力強さの中に上品さを同居させている。
オールホワイトでありながらも、ぼやけた印象になっていないのは、赤く彩られたセンターのクロノグラフ秒針とフランジ部の1/100目盛りの存在によるものだろう。ホワイトとレッドの組み合わせは日の丸を想起させ、ほのかに日本限定らしさを感じさせる。艶やかなセラミックスパーツとコントラストを成す、サテン仕上げを基調としたケースも、全体にメリハリをもたらしている。
ムーブメントは、自社製機械式自動巻きクロノグラフのCal.01。高い精度と耐久性を備え、メンテナンス性にも優れている。
第3位:ナビタイマー B01 クロノグラフ 41 ジャパン エディション
クロノマットと双璧を成すナビタイマーコレクションより、「ナビタイマー B01 クロノグラフ 41 ジャパン エディション」がランクイン。本作は、ホワイトマザー・オブ・パール製のダイアルを採用した、日本限定モデルだ。マザー・オブ・パールは、天然素材であるがゆえに、1枚1枚異なる表情を持つ。自分だけの1本として、愛着をより強く感じることができるはずだ。
マザー・オブ・パールダイアルが上品さを添える、「ナビタイマー B01 クロノグラフ 41」の日本限定モデル。アンスラサイトカラーのインダイアルとレッドゴールドカラーを散りばめたダイアルが、あたたかな印象をもたらす。
自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.6mm)。3気圧防水。日本限定。135万3000円(税込み)。
ナビタイマーの出自は、プロフェッショナル向けのパイロットウォッチだ。本作では回転計算尺やクロノグラフといった機能にその特徴を残しつつ、ドレッシーなテイストも強めている。そのことを強く感じさせるのが、光を受けて輝くマザー・オブ・パールダイアルに組み合わされた、アンスラサイトカラーのインダイアルと、レッドゴールドカラーの針とインデックスだ。ポリッシュを取り入れたパイロットブレスレットも、手首を動かすたびにきらめきを放つ。シースルーバックからは、信頼性の高い自社ムーブメント、Cal.01を鑑賞することが可能だ。
第2位:クロノマット B01 42 ジャパン エディション
第2位は、「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」だ。2020年、クロノマットは、それまでの武骨なイメージを一新するエレガントなスポーツウォッチとしてリニューアルされた。本作は、その魅力を存分に味わうことができるモデルだ。
ブラックマザー・オブ・パールダイアルが特徴的な1本。同社は日本限定モデルとして、しばしばマザー・オブ・パールダイアルを採用するが、そのどれもが好評を得ている。本作も間違いのない選択肢のひとつだろう。
自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径42mm、厚さ15.1mm)。200m防水。日本限定。138万6000円(税込み)。
日本限定で販売されている本作は、現行クロノマットの上品さをさらに引き立てる、ブラックマザー・オブ・パール製ダイアルを採用する。一見してスポーティなブラックダイアルのようだが、光の当たり具合によって、ときおり複雑に光り輝く。ブラックカラーのインダイアルにはサークル状の溝が与えられ、ダイアルに凝縮感をもたらすと同時に視認性を向上させている。
直径42mmの程よい存在感を示すケースには、初代クロノマットを象徴するルーローブレスレットが装着され、滑らかな装着感をもたらしてくれる。12時間積算計を備えたクロノグラフに加え、経過時間を計測できる逆回転防止ベゼル、日付表示、200mの防水性など、機能性も抜群。同社の主力機械式自動巻きムーブメント、Cal.01を搭載している。
第1位:ナビタイマー B01 クロノグラフ 43
そして、第1位は「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43」だ。ここまで日本限定モデルが続いたが、本作はグローバルに展開されるレギュラーモデルである。改めてランキングを振り返ると、同社を象徴する2大コレクションであるクロノマットとナビタイマーが熾烈な争いを繰り広げる結果となった。
TOP5中、唯一日本限定モデルではない本作。直径43mmのケースがパイロットウォッチらしさを感じさせながらも、爽やかなアイスブルーダイアルによって過度な武骨さが中和されている。
自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径43mm、厚さ13.6mm)。3気圧防水。124万3000円(税込み)。
本作では、迫力のある直径43mmのケースを採用することで、パイロットウォッチに不可欠な視認性を向上させている。最大の特徴は、爽やかな印象をもたらすアイスブルーのダイアルだろう。
誕生から70周年を迎えた22年、ナビタイマーは大きくデザインを変えることなく、しかし着実なアップデートが加えられた。12時位置にはAOPAのロゴが復活し、ダイアル外周のタキメーターを廃し、ケースとブレスレットの一部にサテン仕上げを取り入れることで、より洗練されたコレクションへと一新された。加えて、ブルーやグリーン、サーモンといったカラフルなダイアルバリエーションが追加され、幅広い選択肢が用意されたことも特徴だ。
誕生から現在に至るまで、大きく姿を変えることなく進化を続けるナビタイマーは、同社の歴史と革新性を味わうに相応しいモデルである。
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