GMT機能が搭載された腕時計は、高い実用性と強い個性を持つことで人気を集めているアイテムだ。時計メーカー各社から、さまざまなモデルが発表されている。国産時計の雄、セイコーのGMT機能付き腕時計を、ブランド別に見ていこう。
複数のタイムゾーンを同時表示する「GMT機能」
そもそも腕時計のGMTとはどのような機能なのだろうか。セイコーのGMT機能付き腕時計をチェックする前に、まずはGMT機能の特徴や魅力を押さえておこう。
単独のGMT針で第2時間帯を表示
腕時計のGMT機能とは、異なる2エリアの時刻を同時に表示する仕組みのことだ。3カ国(エリア)の時刻を同時表示できるものもある。
一般的なGMT機能付き腕時計は、時針、分針、秒針に加え、ベゼルに届くほどの長さのGMT針を備えている。ローカルタイム(現地時間)は時針で表示させ、24時間表示の回転ベゼルとGMT針でホームタイムの時刻を示すのが基本だ。
そもそもGMTとは、国際的な基準時刻のひとつである「グリニッジ標準時」を指す言葉だ。各国の標準時はGMTを基準に表記され、例えば日本の標準時はGMTより9時間進んでいることから、「GMT+9」と表記される。
GMT機能を初めて搭載した腕時計は、ロレックスのGMTマスターである。初代モデルのデザインと設計思想を継承したGMTマスター IIは、現在も新作を生み出し続けている人気モデルだ。
GMT機能が備わった腕時計の魅力
GMT機能付き腕時計の中には、ベゼルのカラーが2色に分かれているものがある。周囲の目を引くツートンベゼルは、GMT機能付き腕時計のデザイン面における大きな特徴だ。
例えば、セイコーの「セイコー 5スポーツ SKX Sports Style GMT」Ref.SBSC001のベゼルは、昼と夜の区別がつきやすいようにグレーとブラックに分かれている。
文字盤上のGMT針も、GMT機能付き腕時計を特徴づける要素のひとつである。GMT針だけ他の針とカラーやデザインが違うモデルも多く、デザインの重要なポイントになっている。
GMT機能に注力しているメーカーも存在するため、GMT機能付き腕時計を探す際は、各メーカーの特徴や違いを比べてみるのも面白いだろう。
【セイコー 5スポーツ】GMT機能付き腕時計のおすすめ
セイコー 5スポーツは、異なる5つのスタイルをコンセプトとするカジュアルウォッチブランドだ。セイコー 5スポーツのおすすめGMT機能付き腕時計を紹介する。
「セイコー 5スポーツ SKX Sports Style GMT」
自動巻き(Cal.4R34)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径42.5mm、厚さ13.6mm)。10気圧防水。6万6000円(税込み)。
セイコー 5スポーツの「SKX Sports Style GMT」Ref.SBSC001は、セイコーのSKXモデルを美しく進化させたモデルである。昼と夜でカラーが分かれているベゼルには、光の当たり具合により表情が変わるハードレックスガラスが使われている。
GMT針にはルミブライトが備わっているため、暗所でも高い視認性を確保しやすい。3時位置のカレンダー表示を拡大するマグニファイドレンズも、視認性の向上に役立っている。
コマのピッチが短いメタルブレスレットは、心地よい重量感と快適な腕なじみを実現している。高いデザイン性と実用性を兼ね備えた、アクティブシーンにおすすめの1本だ。
【セイコー プレザージュ】GMT機能付き腕時計のおすすめ
腕時計作りの伝統を継承する「セイコー プレザージュ」は、日本の美意識を世界に発信し続けている。セイコー プレザージュのおすすめGMT機能付き腕時計の魅力をチェックしよう。
「セイコー プレザージュ シャープエッジドシリーズ」
自動巻き(Cal.6R64)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径42.2mm、厚さ13.7mm)。10気圧防水。17万6000円(税込み)
セイコー プレザージュの「シャープエッジドシリーズ」は、日本独自の美意識を腕時計へと昇華させたデザインを特徴に持つ。華美な装飾を取り払うことで、洗練されたイメージを際立たせている。
このシリーズのうち、Ref.SARF005の文字盤には、日本の伝統的な麻の葉紋様が表現されている。力強い輝きを生み出すシャープな造形により、スタイリッシュな印象を与える点もポイントだ。
GMT針のカラーは視認性を向上させるほか、他の針やインデックスと同様にGMT針にもルミブライトが塗布されている。ビジネスシーンでも役立つ優れた実用性が魅力である。
「セイコー プレザージュ スタイル60’s」
自動巻き(Cal.4R34)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径40.8mm、厚さ13.0mm)。5気圧防水。8万4700円(税込み)
セイコー プレザージュ「スタイル60’s」Ref.SARY229の文字盤は、1960年代のヒストリックカーのコックピットをイメージしている。カラーも60年代に流行したメタリック系の色味だ。
1964年に発売された「クラウン クロノグラフ」のディテールを所々に取り入れ、GMTのレイアウトを表現している。クラウン クロノグラフはストップウォッチ機能を持った国産初の腕時計である。
トランスパレントバックを採用しているため、機械式ムーブメント「Cal.4R34」の動作美を堪能することが可能だ。レトロな雰囲気の時計が好きなら選択肢に入れておこう。
【セイコー プロスペックス】GMT機能付き腕時計のおすすめ
セイコー プロスペックスは、スポーツやアウトドアで役立つ本格仕様の機能が特徴的なブランドだ。人気のGMT機能付き腕時計を見ていこう。
「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ」
自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.9mm)。200m防水。21万8900円(税込み)。
「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ」は、実用的な機能を備えたダイバーズウォッチシリーズだ。そのうちRef.SBEJ009には、GMT機能を備えるCal.6R54が搭載されている。約72時間のパワーリザーブを誇る機構だ。
セイコーの名機「1968 メカニカルダイバーズ」のヘリテージデザインを継承しつつ、鏡面とヘアライン仕上げにより上品なイメージも加えられ、伝統とモダンの融合が図られている。
ケースとブレスレットには、セイコー独自の技術「ダイヤシールド」が施されている。表面に傷が付きにくく、腕時計本来の美しさや輝きを保ちやすい。
「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ」
光発電クォーツ(Cal.5K65)。3石。SSケース(直径45mm、厚さ13.2mm)。200m防水。12万1ooo円(税込み)。
セイコー初のソーラーGMT機能を備えたモデルが「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ」SBPK001だ。GMT機能に加え、定期的な電池交換が必要ないソーラー充電機能も搭載されている。
フル充電時には約9カ月のパワーリザーブを実現することが魅力である。オレンジのGMT針は、グリーン系の文字盤やベゼルの中で、時刻の判読性を高めるポイントになっている。
「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ」シリーズの基本的な防水性能は200m防水だ。これは本格的な潜水にも対応できるほどのスペックである。
「セイコー プロスペックス The Black Series」
光発電クォーツ(Cal.5K65)。SS+ブラック硬質コーティングケース(直径45mm、厚さ13.2mm)。200m防水。13万2000円(税込み)。
同じくダイバー スキューバに用意されているGMT機能搭載モデルがRef.SBPK007だ。さらに本作は「The Black Series」として、暗視スコープを通して見る光景“ナイトビジョン”がデザインソースとなっている。オールブラックの外装とグリーンルミブライト プロで表現しているのだ。なお、このグリーンルミブライト プロは、通常の色付きのルミブライトよりも高い輝度と長い残光時間を誇る、新開発の蓄光塗料だ。デザインとしても、暗所での視認性を確保するという機能面においても、“ナイトビジョン”としての世界観にのっとっていると言えるだろう。
200mの防水性や硬質コーティングが施されたケースは普段使いしやすく、また、オールブラックというかっこよさと相まって、毎日着けたいGMTウォッチである。
セイコーのGMT機能付き腕時計の実用性を体感しよう
GMT機能は2カ国または3カ国(エリア)の時刻を同時表示できる機能だ。カラーが分かれたベゼルのデザインや文字盤上のGMT針が、GMT機能付き腕時計のデザイン面における特徴である。
多くの腕時計メーカーがさまざまなGMT機能付き腕時計を展開しており、セイコーのラインナップにも魅力的なモデルが多い。セイコーのGMT機能付き腕時計の特徴や魅力をチェックし、ビジネスやプライベートで活用できる1本を見つけてみよう。