100年以上の歴史を持つスイスの時計ブランド、シュワルツ・エチエンヌから、幾何学を用いたデザインの新モデル「ジオメトリー」が発表された。過去に数多くのブランドを手掛けたエリック・ジルーによる卓越したデザインは、必見に値する。
自動巻き(Cal.ASE 200.02)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約86時間。SSケース(直径39mm)。5気圧防水。
[2024年1月5日公開記事]
幾何学を用いたデザインと複数の装飾を採用
1902年にスイスで創業した時計ブランド、シュワルツ・エチエンヌ(Schwarz Etienne)。長い歴史を持ちながら、未だにフランスをはじめ、時計愛好家にはあまり知られていない。非常に良い時計を展開しているだけに残念だ。
シュワルツ・エチエンヌのコレクションの中心に、「ジオメトリー」がある。文字盤も自社製ムーブメントも、非常に高次元で成功しているものだ。
ジオメトリー、つまり幾何学。古代ギリシアのユークリッドが角度や寸法、比率、図形、面積などの数学における基礎を築いて以来、幾何学は人類を魅了し続けている。
このジオメトリーの名を、シュワルツ・エチエンヌはモデル名として与えた。
直径39mmのステンレススティールケースは50mの防水性能を備える。ムーブメントはマイクロローターを備えた自動巻きだ。サーモンカラーまたはシルバーカラーの2色のバージョンがある。私はサーモンカラーモデルが好みだが、どちらも実に華やかな出来映えである。
円が4分割された18Kゴールド製の文字盤は、フルーティング、アズラージュ、クル・ド・パリ、繊細なサンドブラストなど複数の仕上げの組み合わせで構成されている。よく見ると、弧と稜線の軌跡は幾何学的な原理に基づいて構成されていることが分かる。
人生の変遷のように、この文字盤は、ある軌道から別の軌道が重なり合う。時に思いがけないシナリオが生み出される人生を、シュワルツ・エチエンヌは、幾何学的モチーフをいくつも文字盤上に施すことで表したのだ。
これはMB&Fやルイ・エラール、ロマン・ジェローム、シャルル・ズベルといった時計ブランドを手掛けた経験のあるデザイナー、エリック・ジルーが考案したコンセプトである。
槍型の時分針は、手仕上げのギヨシェ装飾が施された複雑なテクスチャーのモチーフの文字盤に取り付けられている。スモールセコンドもまた尖頭型の針を備え、6時位置に配されている。
ポリッシュ仕上げの直径39mmのステンレススティール製ケースは、光の反射でいくつもの陰影を生み出す複数の角度で磨き上げられている。
ケースバックは約86時間のパワーリザーブを生み出す自社製自動巻きCal.ASE 200.02の鑑賞を可能としている。
ブリッジにも見事な仕上げが施されている。メインプレートは精密なサンドブラスト仕上げが施されたグレーの真鍮製で、面取り加工が施され、角穴車はスネイル仕上げで飾られている。
文字盤の各色と合わせたストラップを組み合わせて完成されており、ステンレススティール製の3段開きのフォールディングクラスプが付属している。
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