さまざまなジャンルの有名人が愛用する時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はロサンゼルス・ドジャースと1000億円超えの契約会見で話題となった大谷翔平を支え続ける、“スーパー通訳”こと水原一平の愛用するグランドセイコーの腕時計に注目した。
Text by Yukaco Numamoto
[2024年1月14日掲載記事]
大谷翔平の“スーパー通訳”として知られる水原一平
自分、あるいは子どもに英語力を付けさせるために、どうすればいいのか悩んでいるという方も多いのではないだろうか。今回はスーパー通訳として活躍する水原一平がどのように通訳者として成功したのかを紹介していきたいと思う。
6歳まで北海道の苫小牧市で育った水原一平。父がロサンゼルスで板前として働くことをきっかけにアメリカ合衆国へ移住した。ちなみに、水原一平の父は野球とアイスホッケーの二刀流アスリートとして、アメリカ留学中にロサンゼルス・タイムスに掲載されたこともある。
高校まではサッカー部とバスケットボール部に所属していた水原一平は、身長186cmという恵まれた体格で持ち主であったため、アメリカ人の中でもスポーツを心から楽しむことができたのではないだろうか。てっきり、アメリカで野球をしていた経緯があるのかと思っていたが、MLBに興味を持ったきっかけはロサンゼルス・ドジャースに所属していた野茂英雄の存在だったという。その点から見ると、水原一平が大谷翔平と共にロサンゼルス・ドジャースにやってきたのは、運命的なものを感じる。
2012年、日本に帰国してからは北海道日本ハムファイターズの球団通訳となり、選手からも記者たちからも人気があった。水原一平の持つ高いコミュニケーション能力と何事にも協力的な姿勢からだろう。
2017年に日本ハムファイターズ所属だった大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルスへ移籍したことをきかっけに、大谷翔平の専属通訳となった。通訳以外にも運転手からキャッチボールの相手までこなすというスーパー通訳として知られている。
水原一平なくしては、大谷翔平の野球環境が整わなかったのではないか、という見方もある。というのも、MLBへ所属した日本人選手の中にはうまく他の選手たちとコミュニケーションがとれず、孤立してしまうケースもあるのだ。水原は他の選手たちが大谷と同じスマホゲームで盛り上がっていることを知り、大谷翔平にもダウンロードすることを促したという。長い海外生活の中で、どのようにコミュニケーションを取り、生きていく環境を整えるのかを自然と身につけてきた水原一平だからこそのアドバイスだ。
水原一平と大谷翔平、どちらもグランドセイコーの腕時計を愛用
ドジャー・スタジアムで2023年12月14日に行われた大谷翔平のドジャース入団会見で撮影された写真を見よう。大谷翔平と水原一平、両者が着用していた腕時計は、どちらもグランドセイコーのようだ。
水原一平の愛用時計はグランドセイコー「SBGM227 9Sメカニカル GMT 9S66」
水原一平も大谷翔平がアンバサダーを務めるグランドセイコーの製品を愛用している。モデル名は「SBGM227 9Sメカニカル GMT 9S66」だ。大谷翔平と共に表に出る機会も多いことがこの時計を選んでいる理由のひとつかもしれない。
「SBGM227 9Sメカニカル GMT 9S66」はグランドセイコーの中でも、力強く精悍な印象を与えるモデルで、ブラックダイアルに赤い針が映える。個性を放つリュウズガードと共に、ザラツ研磨による鏡面仕上げを施したケースが輝く。搭載されているキャリバー9S66は、手巻き機能を備えた自動巻きムーブメントだ。約72時間のパワーリザーブを確保し、ひげぜんまいとMEMS(メムス)製法による脱進機を採用することで精度が向上している。GMT機能が付いているため、アメリカ時間と日本時間をいつでも簡単に知ることができる。
大谷翔平の愛用時計はグランドセイコー「SBGJ217」
大谷翔平がロサンゼルス・ドジャースの入団会見で着用していた時計はハイビート36000のムーブメントを備えた「SBGJ217」であると思われる。こちらもGMT機能がついたエレガントでシンプルなグランドセイコーの時計である。レトロな佇まいでありつつ、削ぎ落とされたデザインと丁寧な仕上げが印象的だ。10振動を実現しながら耐久性も両立させるために、ひげぜんまいと脱進機のパーツ精度が上げられている。さらにパワーリザーブは約55時間を確保している。
この日の大谷翔平の腕時計の選択が世界中の野球ファンと時計愛好家から絶賛されたことは記憶に新しいのではないだろうか。特にアメリカでは巨額の契約会見だったにも関わらず、絶妙な高級感と品位、控えめな雰囲気を備えた「グランドセイコー」の時計だったということに賞賛が集まった。
この記念すべき日に大谷翔平と水原一平が相談して時計を決めた、とまでは思わないが、ふたりの仲の良さや長年培ってきた温かな雰囲気がこのイベントでの時計選びの最適解を示してきたのは不思議ではない。決して派手になりすぎず、奢り高ぶることがなく、常に努力を続け、新しいことに挑戦する姿勢はグランドセイコーと大谷翔平に通じるところである。
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