ラウンドケースの腕時計は、時計市場で流通しているモデルの約90%を占めている。だがラウンド以外にも、腕時計のケースにはレクタンギュラーやスクエア、クッション、トノーといった形がある。2023年に発表されたラウンドケース以外の腕時計から、ケース形状に特徴のある優れた3つのモデルを紹介しよう。
ウブロ「スクエア・バン ウニコ サファイア」
自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。サファイアクリスタルケース(直径42mm、厚さ15.4mm)。5気圧防水。世界限定250本。1310万1000円(税込み)。(問)LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055
「スクエア・バン」は、ウブロの伝説的モデル「ビッグ・バン」をスクエアケースに置き換えるという試みが見事に成功したモデルだ。その結果、幅広でありながら大きすぎない、存在感のある時計が誕生した。
さまざまなバージョンが用意されるなか、2023年に発表された「スクエア・バン ウニコ サファイア」は、透明なサファイアクリスタルをケースに採用したモデルだ。そのため、フライバック・クロノグラフ搭載の自社製ムーブメントCal.HUB1280のディテールを余すところなく鑑賞することができる。
白い半透明のラバーストラップは、ボタンひとつで操作できる「ワンクリックシステム」によって、別売りのストラップと簡単に交換することができる。
パネライ「ラジオミール カリフォルニア」
手巻き(Cal.P.5000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約192時間。SSケース(直径45mm)。100m防水。163万4600円(税込み)。(問)オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110
パネライの「ラジオミール」は、クッションケースを最もピュアな形で享受している。特に2023年の「ラジオミール カリフォルニア」のケースで顕著であり、ケースラインを邪魔しないよう、文字盤上からブランドロゴを排している。そのレトロな外観は、パネライがイタリア海軍のダイバーに腕時計を供給していた1940年代を彷彿とさせる。
この印象をさらに強めるため、パネライは特殊なPVDコーティングを施し、手作業でブラシ加工を施すことによって、人工的にケースに経年変化の風合いを与えている。これが文字盤の古めかしいグリーンカラーや、ローマ数字とアラビア数字を用いたカリフォルニア文字盤とよく似合っている。ブランドロゴはリュウズ、そしてブラウンのカーフスキン・ストラップに配置されている。
ストラップにある「G. Panerai e Figlio」の文字は、イタリア・フィレンツェにあった以前のパネライ工房の看板に書かれていたものだ。時計のムーブメントは、約8日間のパワーリザーブを提供する。なお、本モデルはパネライ ブティックのみの限定販売となっている。
ラドー「ダイヤスターオリジナル スケルトン」
自動巻き(Cal.R808/ETA C07ベース)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SS×セラモスTMケース(直径38.0mm、厚さ12.3mm)。10気圧防水。31万7900円(税込み)。(問)ラドー/スウォッチ グループ ジャパン Tel.03-6254-7330
ほぼ楕円型の大ぶりなベゼルを備えたラドーの「ダイヤスターオリジナル スケルトン」は、レクタンギュラーやスクエア、クッション、トノーといったラウンドケース以外の腕時計と一線を画し、1962年の発表時にはセンセーションを巻き起こした。
当時も現在も、ケースに傷のつきにくい素材を採用している点が特徴だ。以前はカーバイドだった素材は、現在はメタルとハイテクセラミックの合成素材であるセラモスが採用されている。また、当時からラドーが採用している、9面をカットしたサファイアクリスタル製風防も特徴的だ。
名前の通り文字盤をスケルトン仕様にすることで、磁気に強いニヴァクロン™製のヒゲゼンマイを搭載し、約80時間のパワーリザーブを保持したムーブメントを風防側から鑑賞できる。
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