卓越した創造性と芸術性で知られるフレグランスメゾン、アンリ・ジャック。半世紀の歴史を持つオートパフューマリーが、日本でもブティックをオープン。世界各地の天然素材を使用し、伝統的なノウハウで生み出される稀少性の高い香りは、特別なギフトにもふさわしい。
(上から時計回りに)トラベル用の専用ケース「HJ ヴォヤージュ」。オーストラリア産ポロサスクロコダイルを使用。4サイズ展開。17万6000円~。日本限定の3種類の香りから、「タンドレス ドゥ アンリ・ジャック」(フローラル/スパイシー)の香料濃度約100%の「レ・エッセンス」。12万8700円(15ml)。練香水専用ケース「クリック-クラック」。スライド式で開閉でき、練香水をワンタッチで入れ替えることができる。サイズ:縦80.4(開いた状態113.0)×横48.0×厚さ10.0mm。グレード5チタン×カーボン。484万円。練香水「レ・ソリッド」10万1200円~。価格はすべて税込み。
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
[クロノス日本版 2024年1月号掲載記事]
プロヴァンスから届いた香りのワードローブ
1975年にプロヴァンスのグラースで創業したフレグランスメゾンのアンリ・ジャックが、世界で10店舗目となるブティックを東京・銀座に構えた。このメゾンの稀有なところは創業以来、オートパフューマリー(オーダーメイドの香水)であり続けてきたということ。ラボラトリーには世界各地から採取された貴重な天然素材が集められ、調香師たちが厳選したものを組み合わせ、伝統的な製法で香水を製作しているのである。
さて、アンリ・ジャックはオートパフューマリーであるが、その一方で魅惑的なコレクション「レ・クラシック ドゥ アンリ・ジャック」などを幅広く展開している。これまでオーダーメイドで手掛けてきた約3000種の香りの中から、すべての人たちが自分に合った香りを見つけられるように考案された、まさに特別な香水である。その中心となる「レ・エッセンス」は香料濃度約100%で、ほんの一滴で芳醇な香りが長時間にわたり漂うというもの。「レ・ブルーム」はレ・エッセンスの処方をベースにアルコールで約80~85%希釈した、よりエアリーな香りを魅力とする。そして、日本向けにフランス本社が選んだ香りが、今回紹介する日本限定コレクションの「タンドレス ドゥ アンリ・ジャック」である。
同社のアーティスティックディレクターであり、建築家でもあるクリストフ・トレメール氏は各店舗だけでなく、素晴らしいケースの数々もデザインしている。「HJ ヴォヤージュ」コレクションは世界中を旅する顧客のために生まれた、香水専用のトラベルケースだ。写真のブルーのケースは最高級のオーストラリア産ポロサスクロコダイルをフランス国内でなめし、熟練職人が製作したもの。自宅のリビングに飾っても絵になる美しいケースである。
また、あえて忙しい現代人に“練香水をまとわせたい”という想いから、「レ・ソリッド」コレクションを展開。さらに練香水を収める専用のケース「クリック-クラック」も開発した。チタンとカーボンを使用したこのモダンなケースの製作にはウォッチメイキングの技術を取り入れた特許取得の驚きの逸品である。
フレグランスの国フランスから届いた至高の香りを、ぜひ大切な人に贈ってもらいたい。
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