クラシックかつ洗練されたデザインで優雅さを湛えるドレスウォッチは、時代を問わず愛好家たちを魅了し続けている。2023年にも、いくつかのブランドから優れたドレスウォッチが発表された。今回はそのなかから印象的なドレスウォッチを3本紹介する。
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF マイクロローター」
自動巻き(Cal.PF703)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ptケース(直径40mm、厚さ7.8mm)。10気圧防水。1340万9000円(税込み)。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF マイクロローター」のテーマは、時、分、日付という必要不可欠な表示への集中、そして洗練された文字盤の演出である。後者については、ブランドロゴを排し、針をスケルトナイズ、インデックスを短くすることで実現している。
2023年に追加されたプラチナモデルは、シンプルなサンドブラスト仕上げのプラチナ文字盤が特徴だ。ケース、ブレスレット、そして225個の刻みのあるベゼルにも同じ素材が使用されている。針と手作業で植字された数字は、ロジウムメッキのゴールド製だ。
見事なプロポーションの文字盤はもちろんだが、ケースバックにも見どころが多い。コート・ド・ジュネーブ仕上げとペルラージュ仕上げを施し、プラチナ製マイクロローターを備えたマニュファクチュール製ムーブメントCal.PF703が搭載されている。
ローラン・フェリエ「クラシック マイクロローター エバーグリーン」
自動巻き(Cal.FBN 229.01)。35石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径41mm、厚さ11.1mm)。3気圧防水。1001万円(税込み)。(問)スイスプライムブランズ Tel.03-6226-4650
ローラン・フェリエの「クラシック マイクロローター エバーグリーン」は、細く繊細な針と、先が細い針のような形のインデックスによって、エレガントな雰囲気を醸し出している。
玉ねぎ型のリュウズと丸みを帯びたクッションシェイプのケースは、ソフトな印象を与えるとともに、針とインデックスとのコントラストを際立たせている。一方で滑らかなケースの表面は、グレーに近いダークグリーンの文字盤に配された、ポリッシュ仕上げのインデックスとマッチしている。その結果、他の時計と一線を画す、シンプルながらユニークなデザインとなり、独自のスタイルを確立した時計となった。
ブレゲ「クラシック ミニッツリピーター 7637」
自動巻き(Cal.567.2)。31石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ12.25mm)。3589万3000円(税込み)。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211
アブラアン-ルイ・ブレゲの考案した針とインデックスの形状は、現代の他のブランドでも人気の高いクラシックなデザインだ。ブレゲ「クラシック ミニッツリピーター 7637」の、漆黒のグラン・フー・エナメル製文字盤には、ブレゲ針とブレゲ数字のインデックス、そしてブランドロゴ以外に、ほとんど見えないシークレット・シグネチャーがあしらわれ、エレガントな雰囲気をまとっている。
この純粋主義ともいえるシンプルさにも関わらず、本作は見逃せない追加機構がある。文字盤ではなく、ケースの縁にあるスライダーが、Cal.567.2に内蔵されたミニッツリピーターをオンデマンドで作動させるのだ。
https://www.webchronos.net/features/108018/
https://www.webchronos.net/features/108019/
https://www.webchronos.net/features/106642/