創業150周年、そして「ピアジェ ポロ」の誕生から45周年の節目となる2024年。今年最初の1本として発表された「ピアジェ ポロ 79」はウォッチメイキングにおける外装製造の進化を感じさせる意欲作だ。
ピアジェ ポロの初作をオマージュしたモデル。ピアジェの言葉を借りるなら「スポーティーなエレガントウォッチ」だ。初作に同じく、2ピースの18KYGケースと一体型ブレスレットを採用する。自動巻き(Cal.1200P1)。25 石。2 万1600 振動/ 時。パワーリザーブ約44時間。18KYG(直径38mm、厚さ7.45mm)。5気圧防水。予価1060万円(税込み)。9月発売予定。
[クロノス日本版 2024年3月号掲載記事]
“オリジナル ポロ”の進化
2016年にステンレススティールをまとって復活を遂げた「ピアジェ ポロ」。コレクションのリローンチに際しては1970〜80年代のオリジナルデザインを基調としながらも、より立体感を強調したスポーティーな意匠が取り入れられた。そんな新生ピアジェ ポロは、再登場後のラグジュアリースポーツウォッチブームが追い風となり、今や「ピアジェ アルティプラノ」を凌ぐほどのポジションをブランド内で獲得している。
そんなコレクションの勢いを象徴するのが、創業150周年、そしてピアジェポロ45周年の節目を飾る「ピアジェ ポロ79」である。同作は搭載ムーブメントこそ当時のクォーツムーブメント、キャリバー7Pからマイクロローター自動巻きのキャリバー1200P1に変更されているが、その名の通り、1979年発表の初代モデルをオマージュした意欲作だ。
ピアジェ ポロ79で見るべきは凝った製造工程によって実現した外装である。具体的には、まず切削で18KYGケースの端々に隙間ができるように成形し、その後、各角をポリッシュで仕上げていく。こうして出来上がったケースの隙間に、別体の18Kゴールドパーツをはめ込んでいるのだ。一見すると磨けそうもない箇所に至るまで、見事な鏡面を与えられたのはこの手法によるものである。オリジナル以上にかっちりと立てられたケースの各面は、高い切削技術の象徴だ。
なお、ピアジェ ポロ79のケース厚はわずか7.5mmながら、5気圧防水を実現している。これはオリジナルと同じくネジ留めの2ピース構造を採用し、加えて中枠を用いずにムーブメントを直接ケースに固定することで可能としている。
驚くべき手間をかけ、メゾン随一の外装を伴って進化を遂げたピアジェ ポロ79。2針自動巻きながら1000万円超えという価格もやむなしだ。
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