さまざまなジャンルの有名人が愛用する時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はテレビアニメ「青の祓魔師 島根啓明結社篇」のオープニングテーマに採用されているニューシングル「Eye’s Sentry」が3月6日に発売されるUVERworldのボーカルを務めるTAKUYA∞が愛用する、パテック フィリップとフランク ミュラーの腕時計に注目した。
Text by Yukaco Numamoto
[2024年2月25日掲載記事]
「モノ選びへのこだわりがすごい!」とファンからの声が上がるUVERworldのTAKUYA∞
UVERworldは滋賀県出身の6人組バンドだ。関西インディーズバンドの登竜門と言われているベイサイドジェニー(1200人収容の大阪南港にあったライブハウス)に来場していたソニー・ミュージックレコーズの社長の目に留まり、ライブ当日の夜に契約が締結されるというインディーズバンドにとっては夢のような展開からメジャーデビューが決定している。デビュー以来、そのほとんどの作品がオリコントップ5にランクインしている。
UVERworldは2010年に開催された東京ドーム初公演の観客の9割が女性だったことから、「男性ファンにも自分たちの音楽をもっと知ってほしい、周囲からの偏見を跳ね除けたい」という気持ちで男性限定の通称「男祭り」というライブを2011年から開催している。女性ファンが多いからという理由でロックフェスの主催者から出演を断られたことが反骨心に火を点けたと言われている。
2023年7月には横浜市の日産スタジアムで一夜限りの「男祭り」を復活させ、7万人以上の男性が熱狂した。そのバンドのボーカル、ラップ、プログラミング、ほぼすべての楽曲の作詞作曲を務めるのがTAKUYA∞である。名前の後に付く∞は「可能性は無限大」を意味すると言われている。才能に溢れるだけでなく、毎日10kmのランニングを欠かさないという努力家でもあるところも彼の魅力なのではないだろうか。
今年で結成23年目、デビュー18年目を迎え、幅広い世代、性別、国籍のファン(UVERworldのファンはCrewと呼ばれる)から支持を集めている。2024年3月6日にはUVERworldにとって4度目のタッグとなるテレビアニメ「青の祓魔師」のオープニングテーマが発売される。「世界中に響く楽曲となるだろう」と先行配信を聞いたファンからは期待の声が高まっている。
TAKUYA∞が愛用するのは「ずっと着けていたくなるような」パテック フィリップの「ノーチラス」
TAKUYA∞が愛用する時計はパテック フィリップの「ノーチラス」である。2022年のインタビューで「金額関係なく、なんでも買えるとしたら何が欲しいですか」という質問に対し、「ずっと着けていたくなるような時計が欲しい、パテック フィリップが気になる」。と回答している。そのインタビュー後にまさに有言実行したということが分かる。TAKUYA∞はモノ選びに対して強いこだわりを持っていることがファンの中でも知られており、自分に似合うもの、本当に欲しいと思うものの選び方もカッコいい、と男性女性問わず共感を得ている。
さまざまなバージョンが発表されているノーチラスの中でも、ブルー文字盤は人気が高い。その理由のひとつに、緩やかなグラデーションを堪能できる点がある。爽やかな印象を持たせつつ、エレガンスも欠かさないまさにラグジュアリースポーツの求められる要素を兼ね備えた時計だと言える。さらにローズゴールドとのコンビネーションは優雅でありながらハードな雰囲気を演出することもでき、両面に振れるモデルである。
ノーチラスが初めて登場したのは1976年に遡り、薄型で高い防水性能を持つ時計として注目を集めた。薄型の時計にはスクリューバックを支えられないという常識を打ち破ったのは、裏蓋と一体化したケースにベゼルをビスで結合させるアイデアだった。ジェラルド・ジェンタが目指したのは実用性と優れた装着性を両立させたエレガントなスポーツウォッチで、そのデザインコードは誕生から現在にも変わらず受け継がれていることが分かる。
TAKUYA∞が愛用するモデルはRef.5740だと思われる。ブルーダイアルが光の当たり方によってさまざまな表情を見せる豊かな表現力を持った時計だ。
自動巻き(Cal.240 Q)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KWGケース(10時〜4時方向の径40mm、厚さ8.42mm)。6気圧防水。
#FR2とコラボレーション作のフランク ミュラーもコレクションのひとつ
TAKUYA∞の時計選びは面白い。ラグジュアリースポーツウォッチであるパテック フィリップのノーチラスを選ぶ一面と、遊び心のあるストリートブランドとのコラボ作品もコレクションのひとつに入れる目を持っている。東京を拠点とする#FR2とフランク ミュラーの作品で、挑発的なデザインが心を掴む「#FR2NCK MULLER VANGUARD」は2023年11月27日に発売されたものだ。
マットホワイトの文字盤をベースに、ブラックのスケルトン化した針、アワーマーカー、立体的なアプライドインデックスを備える。#FR2の挑発的なウサギを7時位置に配置し、モノクロカラーの中に唯一ウサギの目だけが赤でカラースポットとなっている。針、アワーマーカー、グラフィックモチーフにはスーパールミノバ®️が塗布され、暗闇で見ると文字盤から飛び出しているように見えるようにデザインされている。ストラップはタイポグラフィテキストが記されたファブリックストラップが付属する。
UVERworldの楽曲にも表れていることだが、「良い」と思ったものを躊躇なく採用するスタイルがTAKUYA∞のモノ選びにも通じるところがある。TAKUYA∞が心から魅力を感じたものは時を越えて大切にされるのだろう。楽曲や作品作りに使うマイクや機材だけでなく、プライベートの自分自身を彩るファッションアイテムや趣味を切り取るカメラなどまでこだわりが詰まっている。そんなこだわりも含めて、ファンの心を掴む魅力があるのではないだろうか。
自動巻き。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。カーボンケース(縦50×横41mm)。
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