セイコー アストロンはセイコーの技術力とデザインセンスが光る、人気のソーラー電波時計ブランドだ。魅力のひとつは、電波受信機能の使い方が分かれば簡単に時刻を修正できること。操作方法やより便利に活用するコツを押さえて、アストロンを使いこなそう。
数あるラインナップの中でも、次世代のリーダーに向けてデザインされているのがNexterシリーズ。2024年の新作では、1/20秒ストップウォッチ機能を備えたGPSソーラームーブメントを搭載するのみならず、SEIKOブランドの誕生100周年を顕彰する、写真の記念限定モデルも発表された。GPSソーラー(Cal.5X83)。Ti(直径43.4mm、厚さ14.1mm)。10気圧防水。世界限定1000本。44万円(税込み)。2024年6月発売予定。
躍進を続けるセイコー アストロン
セイコー アストロンはセイコーウオッチが展開するブランドのひとつだ。1969年に誕生した世界初のクォーツ式腕時計「クオーツ アストロン 35SQ」を起源とし、2012年にはGPSソーラーウォッチ「セイコー アストロン」としてその名が復活。その後はセイコーにおける基幹ブランドのひとつに位置付けられ、機能面でもデザイン面でも進化を続けている。
GPS電波受信の使い方を知る前に、まずセイコー アストロンの特徴を理解しておこう。
先進的な電波ソーラー時計を展開
初代のクオーツ アストロンがクォーツムーブメントを搭載して革命を起こしたのに対し、セイコー アストロンは、電波受信による時刻修正機能を備えたソーラーモデルを展開し、腕時計の利便性を大きく向上させた。現行のラインナップにはGPS衛星電波を利用しないソーラー電波モデルも存在するものの、メインとなるはソーラー充電に対応し、GPS衛星電波を受信して時刻を自動修正する「GPS ソーラーモデル」だ。
セイコー アストロンのGPS ソーラーモデルは、タイムゾーン修正に必要なGPSの捕捉状況を表示する、セイコー独自の機能を搭載している。また1日に最大で2回、GPS衛星の電波を自動で受信して時刻を修正する「スーパースマートセンサー」は、アストロン特有の機能だ。
セイコーならではの先進的な技術を取り入れたアストロンは、まさに未来を切り開く腕時計と言えるだろう。
洗練されたデザインのラインナップ
セイコー アストロンの特徴は、技術面だけでなくデザインの良さや品質の高さ、選択肢の多さにもある。先端技術を盛り込んだ高機能時計にふさわしく、未来的で洗練された外観の腕時計がそろう。3カウンターのクロノグラフからクラシカルなレザーストラップを組み合わせたモデルまで、デザインの幅は広い。
22年に誕生したネクスター(Nexter)シリーズは、次世代のリーダーの活躍を後押しする時計としてリリースされ、「Solidity(堅牢性)」と「Harmonic(調和)」というキーワードを併存させたスタイリッシュなデザインで人気を集めている。
セイコー アストロン誕生10周年の節目となった2022年に投入されたのがNexterシリーズ。コンパクトなケースサイズや受信速度は、それまでの5Xシリーズを踏襲しつつ、デザインは8Xシリーズをベースとしているため、モダンで力強いフォルムが堪能できる。GPSソーラー(Cal.5X53)。セラミック×Ti(直径42.7mm、厚さ12.2mm)。10気圧防水。30万8000円(税込み)。
セイコー アストロンのGPS電波受信機能の使い方
セイコー アストロンの大きな魅力として、電波受信によって正しい時刻に修正できる利便性が挙げられる。現行ラインナップのアストロンにはGPS ソーラーモデルの他にソーラー電波モデルもあり、モデルによって搭載されている機能は少々違う。
ただ、現在のメインとなっているGPS ソーラーモデルを選ぶなら、GPS電波受信機能の使い方をマスターしてフルに活用したい。具体的な手順を見ていこう。
GPS電波が受信しやすい場所に移動する
セイコー アストロンのGPS電波受信機能を使うには、前提としてGPS電波を受信しやすい場所にいる必要がある。GPS電波が受信しやすいのは、空が見えて視界が開けた屋外だ。
逆に以下のような場所では、GPS電波を受信しにくい。
・空が全く見えない(または一部しか見えない)
・電波の受信を妨げるものがある
次の場所でも受信できない可能性が高くなる。
・駅や空港
・ビルの谷間
・窓がある建物の屋内
・木々の近く
電波を遮るものがあったり空が見えている面積が狭かったりする場所は、GPS電波受信機能を使うのに適さないと考えよう。
タイムゾーンを設定する(タイムゾーンが変わったとき)
セイコー アストロンのGPS電波受信による時刻修正機能には、2種類がある。ひとつは、タイムゾーンが変わったときに、現在地のタイムゾーンを特定して正しい時刻を表示する「タイムゾーン修正」だ。
腕時計に光を当てて充電を済ませ、次の操作を順番に実施しよう。
1. 4時位置にあるボタンBを3秒押す
2. 秒針が30秒の位置(6時位置)に移動したらボタンBから指を離す
3. 時・分針が自動で6時位置に移動したのを確認する
4. 文字盤を真上に向け、GPS電波の受信が終了するまで最長2分待つ
4までの手順が終わると、受信結果が5秒間表示される。秒針が8秒位置(Y)を指せば成功、52秒位置(N)を指した場合は失敗だ。成功すれば正しい日付と時刻に修正される。
失敗の場合は、GPS電波を受信できる条件がそろっているか改めて確認しよう。なお、5秒間の表示時間が過ぎても、2時位置のAボタンを押せば受信結果を再度表示できる。
時刻のみを合わせる(タイムゾーンが変わらないとき)
セイコー アストロンの腕時計には、タイムゾーンが同じ場所で時刻だけを修正する「強制時刻修正」機能も備わっている。手順は次の通りだ。
1. 2時位置のボタンAを3秒押す
2. 秒針が0秒の位置(12時位置)に移動したらボタンAから指を離す
3. 時・分針が自動で12時位置に移動したのを確認する
4. 文字盤を真上に向け、GPS電波の受信が終了するまで最長1分待つ
受信結果の表示や成功・失敗を判断する方法は、タイムゾーン修正と変わらない。使うボタンと操作中の針の位置だけが違うと覚えておこう。
アストロンを使いこなすための知識
GPS電波受信機能の使い方が分かれば、アストロンの基本操作はマスターできたと言ってよい。さらに「スーパースマートセンサー」による自動時刻修正、手動での時差設定についても知っておくと、より便利に活用できるはずだ。
「スーパースマートセンサー(自動時刻修正)」を成功させるコツ
セイコー アストロンのGPS ソーラーモデルには、「スーパースマートセンサー」という自動時刻修正機能も搭載されている。GPS電波が受信できる屋外で、自動的に正しい時刻に修正してくれる機能だ。
とはいえ、電波受信に適した屋外にいても、自動時刻修正が行われるとは限らない。十分な光を当てれば成功するが、服の袖に腕時計が隠れていて光が当たらないと自動で時刻が修正できないのだ。
つまり、GPS電波を受信に適した屋外にいることが多い時間帯に強制時刻修正を成功させておくと、光が当たっていなくても自動時刻修正が行われる。手動での時刻修正が面倒でも、一度は強制時刻修正をしておくとよいだろう。
手動で時差を設定する方法
渡航先がサマータイム実施中であったり、飛行機で移動中だったりしてタイムゾーン設定ができない場合は、手動で時差を設定する必要がある。手動でアストロンの時差設定をする手順は以下の通りだ。
1. リュウズを1段引く(秒針が0秒位置に移動)
2. リュウズを回し、1時間単位で目的地の時刻に合わせる(右回転で1時間進む/左回転で1時間戻る)
3. 引き出したリュウズを戻す
2で1時間単位の時刻設定ができなかった場合は、リュウズを2段引き出して15分単位の時刻設定をすることになる。
使い方を知ってセイコー アストロンをフル活用
セイコー アストロンは、先進的な機能とデザインを備えたGPS ソーラーモデルを展開している。使い方をマスターすれば、日々の生活をより便利に、快適に彩ってくれるだろう。
これからセイコー アストロンを迎える、または、すでに持っていても活用できていなかったという人は、ぜひ紹介した手順を参考にさまざまな機能を試してみてほしい。
参考サイト:セイコー
https://www.webchronos.net/features/112342/
https://www.webchronos.net/features/106649/
https://www.webchronos.net/features/42057/