多くの男性に愛される高品質なスイスブランドといえば、オメガが挙げられるが、果たしてオメガは20代にも似合うのだろうか。ブランドの魅力から20代が選びたい理由を明らかにしていくとともに、数ある人気のコレクションから、20代が手にしてほしいモデルもピックアップする。
時代を超えて愛されるブランド「オメガ」
時計愛好家でなくとも、オメガの名を聞いたことがある人は多いはずだ。長い歴史を持ち、信頼性のある腕時計を生み出し続ける名門ブランドだ。まずはオメガの基本をおさらいしよう。
長い歴史を誇るスイスの名門ブランド
オメガは1848年にルイ・ブランがラ・ショー・ド・フォンに作った小さな工房を起源とするブランドだ。ルイは23歳という若さで後のオメガの基盤を築き、彼の作る時計は、わずか数年でスイス国内、ひいてはヨーロッパ中で高品質と評されるようになった。
「オメガ」の名前は、1894年発表のムーブメントに由来する。このムーブメントが高い評価を獲得したことを受け、1903年には正式に社名がオメガとなった。
その後1932年のオリンピック(ロサンゼルス大会)で、単一ブランドとして初めて公式時計に採用されるという快挙を遂げる。以来オメガは、ほぼ全てのオリンピックで公式タイムキーパーを務めてきた。
一方で1969年の宇宙開発競争時代には、NASAの認定を受けた「スピードマスター」が、アポロ11号の月面着陸に携行されている。数々の歴史的な出来事を支えてきたオメガの技術力は今も成長を止めておらず、近年も時計業界を先導する、高品質な腕時計を世に出し続けている。
革新的な技術が光るタイムピースたち
オメガの特徴といえば、第一に革新的な技術が挙がる。まず、C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定協会)とオメガ、METAS(スイス連邦計量・認定局)による認定を受けた、高精度なマスター クロノメーター モデルが多数そろっている。マスター クロノメーターはオメガとMETASが共同開発した、厳格な基準のテストだ。
さらにオメガでは、脱進機の摩擦を軽減するコーアクシャル・エスケープメントを多くのモデルに採用している。このコーアクシャル・エスケープメントにより、腕時計の精度を向上させるとともに、オーバーホールの必要頻度を下げることに成功した。
近年のモデルには、高い耐磁性能を備えたマスター コーアクシャルも登場し、さらに信頼性を強めている。
歴史や伝統を味わえるモデルも多数
オメガには記念モデルが多く、歴史に名を残す伝説的な時計の魅力を体感できる。特にスピードマスターには、シルバー スヌーピー アワード、アポロ11号 50周年記念など、アニバーサリーモデルが多い。
「コンステレーション」コレクションにも、伝統を感じられる腕時計がそろう。コレクション自体が、伝統的なデザインを現代風にアレンジしたラインなのだ。革新的な技術と伝統が融合した、こちらもオメガの象徴のひとつと呼ぶにふさわしいタイムピースである。
1952年に誕生し、82年にデザインを一新した後もアップデートを重ねる「コンステレーション」。2022年にリリースされた写真のモデルは、ブルーセラミック製のベゼルやホワイトセラミックのダイアルを備えるなど、クラシックとモダンが共存したデザインが目を引く。自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径41mm、厚さ13.5mm)。5気圧防水。108万9000円(税込み)。
20代こそ注目したいオメガの魅力
オメガの腕時計は決して安価ではないため、30代、40代とキャリアを重ねた男性向けのように思う人もいるかもしれない。ただ、20代だからこそオメガを手にしておきたい理由もある。
初めての高級時計にふさわしい品質
オメガのように品質が良い機械式時計は、メンテナンスさえしっかりすれば、何十年と長く使い続けられる。20代のうちにオメガを1本買っておけば、30代・40代と年齢が上がっても、愛用できる腕時計が手元にあるということだ。
まだ20代だからと品質に妥協して時計を選んでしまうと、後々まで満足できず、結果として無駄な買い物になってしまう場合も少なくない。その点、オメガの腕時計は、ブランド独自の基準を設けてテストしている高品質なタイムピースばかりだ。
中でもコーアクシャル・エスケープメントを搭載しているモデルなら、寿命が長い上にメンテナンス頻度も抑えられる。予算に余裕があるなら、十分に検討する余地があるだろう。
派手すぎない洗練されたデザイン
若手のうちから派手すぎる腕時計を着けていると、特にビジネスの場ではあまり印象が良くない。高級時計ブランドの1本が欲しくても、周囲からのイメージを気にして一歩踏み出せない人もいるだろう。
しかし、オメガのモデルには過度な装飾が少なく、洗練されたものが多い。ビジネスシーンで着けていても悪目立ちしにくいため、20代が着けるのにもふさわしい高級時計である。
ステータスシンボルになるブランドの知名度
男性にとっての腕時計は、ステータスを高めるアイテムでもある。20代からオメガのように知名度が高いブランドの腕時計を身に着けることは、若くして成功していることを証明する行動だ。一流ブランドの腕時計を身に着けていれば、ビジネスにおいて一目置かれる場合も多いだろう。
とはいえ、20代のうちは無理をしない範囲の予算を組むことも大切だ。収入はもちろん、今後必要になってくる支出も考慮して、背伸びしすぎないものを選ぼう。オメガは価格帯が広く、比較的手の届きやすいモデルもある。
20代の冒険心を刺激する「スピードマスター」
オメガのフラッグシップコレクションといえば、やはりスピードマスターだ。元はモータースポーツ用として作られたが、その性能はNASAに認められ、人類初の月面着陸という偉業にも携行されている。秀逸なクロノグラフであるスピードマスターから、20代にもマッチする2本を紹介しよう。
スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル Ref.310.30.42.50.01.001
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。107万8000円(税込み)。
ムーンウォッチの通称で知られる「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」には、シンプルで洗練された腕時計がそろう。中でもRef.310.30.42.50.01.001は、ステンレススチールケースにブラックの文字盤を合わせた、最もベーシックなデザインのスピードマスターだ。
ケース径は42mmと存在感があり、オメガの風格を手元で感じられる。タキメーターが付いた3カウンターのクロノグラフなので、メカニカルな表情を好む人の琴線にも触れるはずだ。ムーブメントは手巻きのCal.3861だ。
スピードマスター ’57 Ref.332.10.41.51.01.001
手巻き(Cal.9906)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ12.99mm)。5気圧防水。146万3000円(税込み)。
「スピードマスター ‘57」はそのネーミングが示す通り、1957年に誕生した初代スピードマスターをインスピレーションソースとして製作されたモデルだ。ヴィンテージ スーパールミノバが塗布されたインデックスやロジウム仕上げのブロードアロー針を備えるなど、まさにオリジナルを想起させるルックスに仕上がっている。
スピードマスター ‘57は2013年にもリリースされているが、本作はそれをさらにアップデート。ムーブメントにはコーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー9906を搭載し、コンフォートリリースシステムによってブレスレットの調整も容易にするなど実用性を高めている。サンドイッチ構造を取り入れた立体的なダイアルも満足感を高めてくれるだろう。
海を楽しむ20代に「シーマスター」
シーマスターはその名の通り、海を愛する男のためのダイバーズウォッチである。1948年、オメガの創業100周年を記念して誕生した。スペックと洗練されたデザインを両立するコレクションとして、スピードマスターに劣らず人気が高い。
シーマスターの特徴として、バリエーションの豊富さも挙げられる。その中から20代が着けやすいモデルをピックアップした。
シーマスター アクアテラ 150M Ref.220.12.41.21.03.002
自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.2mm)。15気圧防水。93万5000円(税込み)。
まずおすすめしたいのが「シーマスター アクアテラ 150M」だ。アクアテラは15気圧(150m)防水の性能を備えながら、スーツに合わせても違和感のないクールなデザインを備えている。
中でも主張しすぎない時計を選びたい20代におすすめなのが、Ref.220.12.41.21.03.002である。文字盤とストラップが落ちついたブルーでまとめられており、41mmと大きすぎず小さすぎないケース径も相まって、スマートな1本に仕上がっている。
落ち着いたデザインの中にも、ヨットのウッドデッキを思わせる横ストライプパターンの文字盤や裏蓋にあしらわれた波模様など、シーマスターらしさが感じられるエレメントは健在。ムーブメントは、最高水準が認められたマスター クロノメーターCal.8900だ。
シーマスター 300 Ref.234.30.41.21.03.001
自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径41mm、厚さ13.9mm)。30気圧防水。108万9000円(税込み)。
30気圧(300m)防水性能を備えた「シーマスター 300」にも、20代に手に取ってほしいモデルがある。1957年に初めて作られたシーマスター 300をアップグレードしたヘリテージモデル、Ref.234.30.41.21.03.001だ。
ケース径は41mm、厚さ13.9mmと、アクアテラに比べるとよりダイバーズウォッチらしい佇まいに。ブルーの文字盤とスーパールミノバ(蓄光塗料)を施したインデックス、オープンワークの数字との組み合わせが、レトロなルックスの中にも現代的な雰囲気を感じさせる、ユニークなコントラストを作っている。
全体にまとまりのある配色で、主張しすぎない仕上がりが魅力だ。古き良き時代を感じさせる腕時計を、あえて20代が着けるのも趣があるだろう。
20代を格上げするエレガンス「デ・ヴィル」
スピードマスターやシーマスターではスポーティーすぎると感じるなら、デ・ヴィルという選択肢もある。デ・ヴィルはシーマスターから派生した、オメガのドレスラインだ。デザイン性が高く、流行に左右されないシンプルさで人気を集めている。
20代を大人の男に格上げしてくれるデ・ヴィルを2本、紹介しよう。
デ・ヴィル プレステージ Ref.424.13.40.21.03.003
自動巻き(Cal.2627)。29石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS(直径39.5mm、厚さ11mm)。3気圧防水。60万5000円(税込み)。
オメガの中で比較的手の届きやすい腕時計として「デ・ヴィル プレステージ」が挙げられる。デ・ヴィル プレステージは、クラシカルで洗練されたデザインが特徴のシリーズだ。現在は第3世代に刷新され、オメガのエレガンスを担うシリーズとして人気を集める。
深みのあるブルーのレザーストラップが採用されたRef.424.13.40.21.03.003は、20代がビジネスシーンで着けても違和感がないモデルだ。PVDブルーのサンブラッシュ仕上げが施された文字盤や、レッドゴールドカラーのロゴやインデックス、針がエレガントな雰囲気を放っている。
ケースサイズは39.5mmとやや小ぶりで、搭載するCal.2627は約48時間のパワーリザーブを備えた、実用的でリーズナブルなプライスも魅力の1本だ。
デ・ヴィル トレゾア Ref.435.13.40.21.03.001
手巻き(Cal.8910)。29石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径40mm、厚さ10.82mm)。3気圧防水。108万9000円(税込み)。
薄型で優雅なケースを持つ「デ・ヴィル トレゾア」からも、20代に似合うオメガを紹介したい。Ref.435.13.40.21.03.001は、ブルーパターンが施されたドーム型の文字盤を持ち、クラシックな装いによく合う。
繊細なバーインデックスやブルーのレザーストラップは、コーディネートに洗練された印象を与えてくれるだろう。シースルー仕様のケースバックからは、手巻き式のマスター クロノメーター「Cal.8910」が鑑賞できる。オメガならではの技術力を、目でも存分に楽しめる逸品だ。
オメガの腕時計は20代を輝かせる
オメガは歴史ある名門ブランドだ。20代が着けるブランドとしてふさわしいのか、気になる人もいるだろう。オメガはその品質の高さや洗練されたデザイン、ステータス性から、20代にもおすすめできるブランドだ。
ビジネスシーンでの印象も踏まえ、紹介したモデルを時計選びのヒントにしてみてほしい。身に着ければ一流を感じられる、一生物の1本に出合えるはずだ。
参考サイト:https://www.omegawatches.jp/
https://www.webchronos.net/features/112146/
https://www.webchronos.net/features/35364/
https://www.webchronos.net/features/106940/