ヤーマン&ストゥービ 華麗なるユーティリティーツール

2024.04.04

一般に、ジュエリーウォッチを身に着け、思う存分ゴルフを楽しむことは難しい。だが、得てして社交の場となるゴルフコースでは、自身のファッションスタイルをゴルフ仲間に主張する必要も生じることだろう。ヤーマン&ストゥービのジュエリーウォッチならば、手首に装着しつつも強力なスイングを放つことができるのだ。

イーグルハート/タイム トゥ プレイ

イーグルハート/タイム トゥ プレイ
総ストローク数、ホールごとのストローク数、ホール数が分かるゴルフ用スコアカウンターを備えたモデル。独自開発された「ショック・ガード」を搭載している。そのため、腕に着けて思う存分フルスイングをしても耐えられる構造になっている。自動巻き(Cal.A10)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径44mm、厚さ14mm)。10気圧防水。137万5000円(税込み)。
奥山栄一:写真 Photographs by Eiichi Okuyama
大橋洋介(本誌):取材・文 Edited & Text by Ohashi Yousuke (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2024年5月号掲載記事]


記録と時を刻むパートナー

 実用的な機械式ゴルフウォッチの先駆けとして、確固たる地位を築いたヤーマン&ストゥービ。ゴルフ専用腕時計に特化しただけあり、ゴルフにマッチするスポーティーなモデルが数多くラインナップされている。だが、それだけが同ブランドの魅力ではない。そのジュエリーウォッチも注目に値するのだ。

 最初に紹介するモデルは「イーグルハート/タイム トゥ プレイ」だ。ベゼル上には71個のダイヤモンドが輝き、紅一点として真紅のルビーが12時位置にセットされている。このきらめく腕時計を手首に留めて、思う存分フルスイングできるのだ。とはいえ、この「フルスイングできる」ということは、決してどんな腕時計でもできることではない。

イーグルハート/タイム トゥ プレイ

①ストローク表示
②総スコア数
③リュウズ
④ストローク用プッシャー
⑤リセットボタン
⑥次ホール用プッシャー
⑦ホール数カウンター

ゴルフ用スコアカウンターの使い方は以下の通りだ。ストローク後に④のプッシャーを押す。ホールごとのストローク数を表示する①のカウンターと、総スコア数を表示する②のカウンターが同時に針を進める。⑥の次ホール用プッシャーを押すと、①のカウンターはリセットされる。だが、②の総スコア数はそのままカウントされ続ける。また、⑦にあるホール数カウンターは針をひとつ進める。最後に、⑤のリセットボタンを押せば、すべてが元に戻る。

 その理由に、通常の機械式腕時計は衝撃に弱いという性質が挙げられる。ゴルフのストローク時にかかる巨大なインパクトには耐えられないのだ。だが、ヤーマン&ストゥービは耐衝撃性装置「ショック・ガード」を独自開発し、克服したのである。

 その仕組みはこうだ。この腕時計のミドルケースと裏蓋の間には、ムーブメントを収めた中枠が存在する。その中枠を、パッキンで上下から挟み込むことによって、ストローク時の衝撃をパッキンが吸収する。ジュエリーウォッチはあまたあれど、ゴルフのスイングに耐えられるモデルは、ほとんど存在しないのだ。

クイーン オブ ゴルフ

クイーン オブ ゴルフ
直径38mmと小さなサイズながらも耐衝撃性を備えた腕時計。ホールごとのストローク数と、総ストローク数を記録するスコアカウンター機構を搭載している。ホールごとのストローク数は、日付表示のように1時位置に数字で表されるため視認性に優れている。自動巻き(Cal.A10-2)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径38mm、厚さ12mm)。5気圧防水。140万8000円(税込み)。

 もちろんゴルフウォッチであるから、ホールでの実用性も十分だ。1ショットごとに記録を紙に残す作業に、集中力を削がれる思いをしたゴルファーも多いことだろう。このイーグルハート/タイムトゥプレイならば、スコアカウンター機能が搭載されているので、プッシャーを押すだけでスコアを記録できるのである。

 1ストロークごとにストローク用プッシャーを押せば、ホールごとの記録のみならず、総ストローク数も記録されていく。ホールを移るときには、ホールチェンジ用プッシャーを押せば良い。そうすれば、ホールごとの記録はリセットされる。なお、この操作時にホール数も記録されるため、一般的に半ホール目に迎える昼休憩を指折り数える必要はない。

クイーン オブ ゴルフ

「クイーン オブ ゴルフ」のスコアカウンター用プッシャーのある側面。ストローク用プッシャーには「STROKE」、次ホール用プッシャーには「HOLL」とエンボスが施されている。中央のリセットボタンはねじ込み式プッシャーを採用しているため、誤って押してしまい、それまでの記録をすべてリセットしてしまう恐れはない。

 より小さなサイズを所望するのならば「クイーン オブ ゴルフ」が良いだろう。ダイアル中央に配された、深い桜色のマザー・オブ・パールが特徴的な腕時計だ。ベゼル上のダイヤモンドとピンクサファイアの輝きも忘れてはならない。もちろん、ショック・ガードが搭載されているので、ゴルフプレーには差し支えない。

 ゴルフコースという場所は非日常の晴れ舞台だ。ある女性ゴルフ愛好家が、ゴルフを数あるスポーツの中から選んだ理由に、そのファッション性を挙げていた。日常生活では着ることのない、派手な色使いのゴルフウェアに身を包み、楽しめることが魅力なのだそうだ。コースを巡るゴルフ仲間に対して、自己をきらびやかに表現したいのならば、ヤーマン&ストゥービの腕時計一択だ。スイングできるジュエリーウォッチという、類まれな存在だからである。

クイーン オブ ゴルフ

①総スコア数
②ストローク表示
③リュウズ
④ストローク用プッシャー
⑤リセットボタン
⑥次ホール用プッシャー

クイーン オブ ゴルフのスコアカウンターの操作方法は、基本的にイーグルハート/タイム トゥ プレイと同様だ。ストローク後に④のストローク用プッシャーを押すと①の総スコア数カウンターと、②のストローク表示が動く。ホールを移るときには、⑥の次ホール用プッシャーを押すと、②のストローク表示がリセットされるも、①の総スコア数の記録は残る。1ラウンド終了したら、⑤のリセットボタンで数値を帰零できる。



Contact info: ミスズ Tel.03-3247-5585


ヤーマン&ストゥービ「トランスアトランティック」スコアカウンターを備えたゴルフプレーの相棒

https://www.webchronos.net/features/93191/
ヤーマン&ストゥービ 常識を打ち破った機械式ゴルフウォッチという挑戦

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