さまざまなジャンルの有名人が愛用する時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はグローバルに活躍の場を広げているK-POPアーティストグループ「SEVENTEEN」(セブチ)のメインボーカルとして活躍するドギョムのヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・オートマティック」に着目した。
Text by Yukaco Numamoto
[2024年4月7日掲載記事]
メインボーカルを務めるDKことドギョムはマルチに活躍中
13名のメンバーで成り立つK-POPボーイズグループ「SEVENTEEN」のメインボーカルを務めるDKことドギョム。漢字での表記は「道兼」と書き、この名には多くの道を兼ねることができるという意味が込められているそうだ。これは芸名であるが命名された通りに、ミュージカル俳優や派生ユニットのボーカルとしても活躍している。
中学生の頃から歌手を夢見て、音楽学校に通っていたという。韓国の芸能界は桁違いに厳しい世界であることで有名だが、PLEDIS(芸能事務所)の公開オーディションを受けて2012年に合格した。2年7ヵ月の下積み期間を経て、2015年に「SEVENTEEN」(セブチ)のメインボーカルとしてデビューを果たした。
高い歌唱力はファンのみならず国内外で注目を集め、2019年にはミュージカル「エクスカリバー」の主演に抜擢された経験も持つ。初ミュージカルでありながら初主演を務め上げ、高い人気と期待に応えられるだけの実力がうかがい知れる。当時SEVENTEENとしての活動と並行していたため多忙を極めたと思われるが、その中でひたむきに努力を続ける姿は、2023年に「ドギョム:アーサー王への軌跡〜韓国ミュージカル『エクスカリバー』〜」としてドキュメンタリー映画化されている。
ドギョムは日本のファッション誌のカバーモデルを務めた経験もあり、その号はファン(SEVENTEENのファンたちはCARATと呼ばれる)たちが予約して購入するという現象も起きた。ファッション界からも注目の存在であり、2023年にはバリーのグローバルアンバサダーに抜擢されている。今回紹介している写真は2024年2月に撮影したものだが、ミラノ・ファッション・ウィークは大体この時期に開催されるため、この時もショーに参加するための移動中であったと考えられる。
愛用時計はヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ・オートマティック」
2024年2月に仁川国際空港で撮影されたドギョムの手元を見ると、ヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ」と思われる腕時計が写っていた。オーヴァーシーズは自分でブレスレットやストラップを交換することができるため、海外出張が多く、さまざまな装いが求められる立場のドギョムにとっては便利な時計であると思われる。
多忙を極めるライフスタイルを送る人にとっては、何本もの時計を使い分けるよりも気に入った一本の印象を簡単に変えることができる腕時計は魅力的に感じられるのではないだろうか。ドギョムが着用するモデルは、方位図からインスピレーションを受けてデザインされた22Kゴールドのローターが組み込まれた自動巻きムーブメントを搭載し、ステンレススティール、レザー、ラバーの3本のストラップを使い分けることができ、一本で3種類の表情を楽しむことができる。
このモデルに搭載されるムーブメントはCal.5100で、172のパーツから構成され、約60時間のパワーリザーブを備える。ジュネーブ・シールが付与され、高い精度が証明されている。ベゼルとストラップ部分にはさりげなくマルタ十字の意匠が組み込まれており、控えめながらもタイムレスな魅力を放っている。
「オーヴァーシーズ」が最初に製作されたのは1996年で、ヴァシュロン・コンスタンタンが送り出す現代的なスポーツウォッチの原点といわれている。現在のスタイルは2016年に発表された第3世代のデザインであるが、特徴的なブレスレットのマルタ十字の形になったのは2004年に発表された第2世代からである。一方、ベゼルの部分は「オーヴァーシーズ」のアイコン的要素として第1世代から引き継がれている。
その名の通り、ヴァシュロン・コンスタンタンはこの時計をトラベルウォッチとして開発している。海を越える旅を連想させる意匠が前述の通り組み込まれており、使う人の立場に立ってインターチェンジャブルストラップが採用されている。まさに海を越えて活躍するアーティストであるドギョムにとってもそれは心に響くコンセプトだったのではないだろうか。
自動巻き(Cal.5100)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径41.0mm)。15気圧防水。358万6000円(税込み)。
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