ブルガリが2024年に発表した新作時計をまとめて紹介する。24年最大のトピックスは、22年に登場した「オクト フィニッシモ ウルトラ」の改良版だ。当時世界最薄の機械式腕時計だった同作を薄くし、さらに、C.O.S.C.公認クロノメーターを取得した意欲作である。ほかにもオクト フィニッシモシリーズから複数の新作が出た他、「オクト ローマ」や「セルペンティ」コレクションからも新たなバリエーションが発表された。
オクト フィニッシモ ウルトラ
手巻き(Cal.BVL180)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Tiケース(直径40mm、厚さ1.7mm)。世界限定20本。予価8428万2000円(税込み)。2024年9月発売予定。
薄型時計の記録を樹立し続けるブルガリが、更なる薄型ウォッチを発表した。それが、「オクト フィニッシモ ウルトラ COSC」である。本作は、2022年の「オクト フィニッシモ ウルトラ」の1.8mmから更に0.1mm薄い、厚さ1.7mmの驚異的な薄型時計である。その数字には、同社の薄型時計への執念をひしひしと感じる。
ただ薄型であるだけではなく、C.O.S.C.公認クロノメーターを取得しており、優れた精度を持つことが公的にも認定されている。ケースバックとメインプレートには、硬く耐久性に優れたタングステンカーバイトを採用し、実用的な強度も確保している。
また、プラチナ製ケースを採用した「オクト フィニッシモ ウルトラ プラチナム」も発表された。本作は、従来のオクト フィニッシモ ウルトラと同様の厚さ1.8mmのケースを採用している。密度や精度に対する要求がシビアな薄型時計のケースに対し、扱いの難しいプラチナを採用するというブルガリのチャレンジ精神が滲み出た新作だ。
手巻き(Cal.BVL180)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ptケース(直径40mm、厚さ1.8mm)。世界限定20本。予価8709万8000円(税込み)。2024年9月発売予定。
オクト フィニッシモ トゥールビヨン
自動巻き(Cal.BVL288)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約52時間。Ptケース(直径42mm、厚さ4.95mm)。30m防水。予価3091万円(税込み)。2024年7月発売予定。
「オクト フィニッシモ」に追加された、自動巻きフライングトゥールビヨンムーブメントを搭載した新作。ペリフェラルローターを採用することによって、「オクト フィニッシモ トゥールビヨン マニュアル」が搭載する手巻きムーブメントと同じ、厚さ1.95mmを実現している。ケースの直径は42mm、素材はプラチナだ。
マイクロブラスト仕上げのブルーが印象的なムーブメントは、表裏の両面から鑑賞することができる。6時位置にはフライングトゥールビヨンが配され、磨きこまれたパーツとともに、ユーザーを楽しませてくれる。ケースサイドには、時刻設定用のプッシュボタンが配され、リュウズのトップにはブラックセラミックスがセットされている。
ムーブメントのカラーにマッチしたブルーのアリゲーターストラップが装着されている。
オクト フィニッシモ スケッチ 限定モデル
自動巻き(Cal.BVL138)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径40mm、厚さ6.4mm)。100m防水。世界限定70本。723万8000円(税込み)。2024年9月発売予定。
ブルガリ創業140周年を記念した新作。「オクト フィニッシモ」をベースとして、ダイアルにスケッチを描いたユニークな限定モデルである。18Kピンクゴールドケースモデルとステンレススティールケースモデルがラインナップし、世界限定数量は前者が70本、後者が280本である。
自動巻き(Cal.BVL138)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40mm、厚さ6.4mm)。100m防水。世界限定280本。250万8000円(税込み)。2024年7月発売予定。
ダイアルに描かれているのは、リアルなムーブメントのスケッチだ。これは、ブルガリ ウォッチ プロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクターのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニが描いたものである。インデックスはなく、針の色はグレーで統一されているため、スケッチのデザインを損ねることもない。
ケースバックにセットされたサファイアクリスタルには、創業140周年記念モデルであることを示す「EDIZIONE LIMITATA」と「1884 - 2024」の文字がプリントされている。
オクト フィニッシモ トゥールビヨン マニュアル
「オクト フィニッシモ」に、フライングトゥールビヨンを搭載した新作が追加された。手巻きムーブメントを搭載したモデル2種類、自動巻きムーブメントを搭載したモデル1種類がラインナップする。
手巻き(Cal.BVL268SK)。13石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約52時間。18KPGケース(直径40mm、厚さ4.85mm)。30m防水。予価2458万5000円(税込み)。2024年7月発売予定。
手巻きムーブメントを搭載した「オクト フィニッシモ トゥールビヨン マニュアル」は、直径40mmのケースを採用している。ケース素材のバリエーションは、18Kピンクゴールドと、DLC加工を施したチタンの2種類。搭載しているCal.BVL268SKは、トゥールビヨンを備えながらも、厚さ1.95mmという超薄型のムーブメントである。これによってケースの厚みは4.85mmに抑えられている。オープンワーク仕様のダイアルからは、ムーブメントに施された仕上げを鑑賞することが可能だ。
手巻き(Cal.BVL268SK)。13石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約52時間。Ti+DLCケース(直径40mm、厚さ4.85mm)。30m防水。予価2037万2000円(税込み)。2024年4月発売予定。
18Kピンクゴールドケースモデルにはブラウンのアリゲーターストラップ、チタンケースモデルには、ブラックのラバーストラップが組み合わされている。
オクト ローマ
自動巻き(Cal.BVL191)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS+DLCケース(直径41mm)。100m防水。125万4000円(税込み)。2024年7月発売予定。
「オクト ローマ」コレクションに、ブラックでまとめたカラーリングが特徴の新作2種が追加された。ひとつは3針の「オクト ローマ スティール DLC」、もうひとつはクロノグラフを搭載した「オクト ローマ クロノグラフ スティール DLC」である。
古代ローマの建築原理から着想を得た幾何学的なデザインのケースは、フルブラックDLC加工が施されたステンレススティール製。ラッカーによってブラックに仕上げられたダイアルには、クル・ド・パリのパターンが与えられている。
自動巻き(Cal.BVL399)。62石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS+DLCケース(直径42mm)。100m防水。152万9000円(税込み)。2024年7月発売予定。
ストラップは、ダイアルに調和したクル・ド・パリ パターンのブラックラバー製と、よりエレガントなブラックアリゲーター製が付属し、インターチェンジャブルシステムによって、簡単に交換することが可能だ。
セルペンティ トゥボガス 安藤忠雄 限定モデル
ブルガリと、世界的な建築家である安藤忠雄氏との新作コラボレーションモデルが発表された。ブルガリと安藤忠雄氏は、過去にも「オクト フィニッシモ」のコラボレーションモデルを製作してきたが、今回コラボレーションの対象となったのは、「セルペンティ」コレクションである。
クォーツ。SS×18KYGケース(直径35mm)。259万6000円(税込み)。2024年6月発売予定。
安藤忠雄氏の作品に共通するのは、自然との直接的な調和を維持しながら、シンプルなフォルムと素材そのものを中心に据えたデザインを形成している点にある。その発想を基にして「セルペンティ トゥボガス 安藤忠雄 限定モデル」では、四季折々のデザインを持つ4つのモデルが誕生した。
サマーエディションは、ステンレススティールと18Kイエローゴールドのコンビケースに、グリーンアベンチュリンダイアルを組み合わせている。その様子は、まるで太陽の光が降り注ぐ、生命力にあふれた森林のようだ。
クォーツ。18KPGケース(直径35mm)。644万6000円(税込み)。2024年8月発売予定。
オータムエディションは、18Kピンクゴールドケースとタイガーアイのダイアルを採用している、紅葉した山々のような温かみのある色合いが魅力だ。
クォーツ。SSケース(直径35mm)。167万2000円(税込み)。2024年10月発売予定。
ウィンターエディションは、ステンレススティールケースにホワイトマザー・オブ・パールダイアルを組み合わせている。降り積もる雪や凍り付いた水面のような、しんとした雰囲気をまとっている。
クォーツ。SS×18KPGケース(直径35mm)。254万1000円(税込み)。2025年3月発売予定。
そして2025年3月に発売されるのが、スプリングエディションだ。満開の桜のような情景が、ピンクマザー・オブ・パールのマルケトリダイアルによって表現されている。
セルペンティ トゥボガス 安藤忠雄 限定モデルは、安藤忠雄氏のサインが入ったスペシャルボックスに収められている。また、4つのモデルをアンサンブルとして楽しむことができるボックスセットコレクションが、限定20セットで販売される。
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