ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で公開された、ロレックスの新作モデルをまとめて紹介する。発表直前にティザームービーが公開されており、さまざまな予想が飛び交っていたロレックスの最新モデル。「GMTマスターII」や「ディープシー」などプロフェッショナルコレクションはもちろん、「1908」や「デイデイト」といったクラシックコレクションからも、特筆すべきモデルが多数登場している。
ロレックス2024年新作「オイスター パーペチュアル GMTマスターⅡ」
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。154万円(税込み)。
自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。156万9700円(税込み)。
1955年に登場した「オイスター パーペチュアル GMTマスター」の系譜を引く「オイスター パーペチュアル GMTマスターⅡ(以下GMTマスターⅡ)」。長い歴史の中でさまざまなバリエーションが展開されてきたが、2024年に新作として登場したのは、ブラックカラーを基調に、グリーンのGMT針を備えたモデルだ。
GMTマスターⅡは、18年にCal.3285を搭載したことで、最新世代へアップデートされた。このアップデートによって07年から続いてきた、ブラックのワントーンカラーベゼルにグリーンのGMT針という組み合わせの意匠が、ラインナップから姿を消した。しかし、この生産終了したRef.116710LNをほうふつとさせるのが、今回の新作と言える。
搭載するムーブメントは、現行GMTマスターⅡと同じくCal.3285である。耐磁性能や耐衝撃性能に優れるブルー パラクロム・ヘアスプリングや耐震装置のパラフレックス ショック・アブソーバーを備えるムーブメントだ。パワーリザーブ約70時間、100m防水というスペックと相まって、実用的なプロフェッショナルウォッチとなっている。
本コレクションには、ジュビリーブレスレットとオイスターブレスレットの2種がラインナップされている。
ロレックス2024年新作「オイスターパーペチュアル ディープシー」
3900mの防水性能を有する「オイスター パーペチュアル ディープシー(以下ディープシー)」に、コレクション初となる18Kイエローゴールドモデルが登場した。
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自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KYGケース(直径44mm、厚さ17.7mm)。3900m防水。751万800円(税込み)。
その防水性能が示す通り、ディープシーは深海潜水用に設計されたダイバーズウォッチだ。2008年に誕生し、長らくオイスタースティール製モデルのみがレギュラーとしてラインナップされてきた。しかし、22年にRLXチタン製の、1万1000m防水を有する「オイスター パーペチュアル ディープシー チャレンジ」が登場。そして今回、18Kイエローゴールド製のディープシーが発表された。本コレクションを購入する層にとっては、選択肢が豊かになったと言える。
18Kイエローゴールド素材のみならず、鮮やかなブルーラッカー文字盤と、ブルーのセラクロム製ベゼルインサート、そしてブルーのセラミックス製耐圧リングが採用されていることも、この新作モデルを特徴付ける。パウダーイエローで記された文字盤の“DEEPSEA”のロゴや、18KイエローゴールドでPVDコーティングされたベゼルのスケールと調和して、ラグジュアリーとスポーティーが巧みに調和した意匠となった。裏蓋とヘリウムエスケープバルブはRLXチタン製である。
ブレスレットも18Kイエローゴールドで製造されており、従来のステンレススティール製モデルとは異なり、中コマがポリッシュされている。グライドロックエクステンションシステムが搭載されるバックルも、18Kイエローゴールド製だ。なお、このシステムは約2mm間隔の刻み目を10個持ち、工具なしにブレスレットの長さを最大約20mm延長することができる。
ステンレススティール製モデルでも重量のあったディープシー。いっそう重厚感を楽しめる新作モデルであろう。
ちなみに、既存のディープシーにも、マイナーチェンジが加えられた。文字盤から、“SEA-DWELLER”の文字が消えているのだ。もともとシードゥエラーコレクションとしてディープシーが展開されていたが、現在ロレックスの公式ホームページ上では、シードゥエラー、ディープシーはそれぞれのコレクションとして独立して掲載されている。
自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径44mm)。3900m防水。(左)208万7800円、(右)204万3800円(ともに税込み)。
ロレックス2024年新作「パーペチュアル 1908」
2023年、まったく新しいコレクションとして登場した「パーペチュアル 1908」。ロレックスというブランドが誕生した1908年をコレクション名に冠しており、ノンデイトに3針、しかもスモールセコンドという、とてもクラシックなスタイルを有することが特徴だ。
このパーペチュアル 1908に、プラチナケースを採用した新作モデルが追加された。プラチナといえばアイスブルー文字盤であり、本作もそのカラーリングを踏襲しているが、浮き彫りとなったライスグレインモチーフのギヨシェ装飾が施される。
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自動巻き(Cal.7140)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約66時間。Ptケース(直径39.0mm、厚さ9.50mm)。50m防水。437万300円(税込み)。
6時位置のスモールセコンドから文字盤に広がっていくかのようにあしらわれたギヨシェやブレゲ風の時針が、クラシックなテイストを強調している。この針、そしてインデックスは18Kホワイトゴールド製であり、アラビア数字の3、9、12、そしてファセット加工されたアワーマーカーが備わった。
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なお、本コレクションはロレックスのパーペチュアルローター搭載モデルの、初期の作品からインスピレーションを得た。ベゼルや裏蓋に施されたフルーティング装飾や、ポリッシュ仕上げが基調となったケースは、ドレッシーながらも手元から存在感を放つだろう。
搭載するムーブメントは、23年にオイスターパーぺチュアル 1908に合わせて発表された自動巻きCal.7140だ。シリコン製のシロキシ・ヘアスプリングを搭載しており、パワーリザーブは約66時間である。トランスパレント式の裏蓋から、ロレックスのロゴが印字された特徴的なローターとともに、このムーブメントを鑑賞できる。
ラインナップはマットブラックまたはマットブラウンカラーのアリゲーターストラップを備えた2種。いずれも、プラチナ製の二重折り畳み式のデュアルクラスプを搭載している。
ロレックス2024年新作「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」
「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ(以下デイトナ)」からは、18Kホワイトゴールド製ケースに、ダイヤモンドがセッティングされたベゼル、そしてホワイトマザー・オブ・パール、ブラックマザー・オブ・パールを文字盤に用いた特別なモデルが2種登場した。
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自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。885万8300円(税込み)。
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自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。1010万3500円(税込み)。
デイトナというと、レーシーな印象が強いかもしれない。しかし本作は、デイトナのレーシングスピリットを感じさせるスタイルはそのままに、ホワイトMOP、ブラックMOPのコントラストを作った文字盤によって、特別感あふれる意匠を備えた新作モデルとなっている。文字盤とインダイアルのカラーを反転させる仕様は“パンダ”文字盤などとも呼ばれ、高い人気を誇っているが、天然のマザー・オブ・パールでこの意匠を作り上げるとは、なんとも贅沢だ。
さらに、ベゼルには36個のブリリアントカットダイヤモンドがセットされていることも特筆すべき点だ。インデックスの8ポイントのダイヤモンドと併せて、デイトナの現行ラインナップの中でも、ひときわ煌びやかなモデルと言えるだろう。
搭載するムーブメントは、23年、デイトナが一斉にモデルチェンジした際に新たに発表された、自動巻きのCal.4131だ。裏蓋はソリッドバック式のためムーブメントを鑑賞することはできないが、ブリッジにはコート・ド・ジュネーブモチーフの装飾が施されるなど、美観に配慮されたムーブメントとなっている。
なお、新しいバリエーションとして、ほかにもダイヤモンドベゼルを搭載したモデルがホームページに並んでいた。
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自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KYGケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。1619万2000円(税込み)。
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自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRGケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。1776万2800円(税込み)。
こういった富裕層に向けたモデルは、なかなか気軽に手にできるものでもないが、見ていて楽しいバリエーションであることは間違いない。
ロレックス2024年新作「オイスターパーペチュアル スカイドゥエラー」
「オイスターパーペチュアル スカイドゥエラー(以下スカイドゥエラー)」からは、ふたつの新しい18Kゴールドモデルが登場した。18Kエバーローズゴールドと、18Kイエローゴールド製で、かつジュビリーブレスレットを採用した新作だ。
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自動巻き(Cal.9002)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KERGケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。748万2200円(税込み)。
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自動巻き(Cal.9002)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KERGケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。706万6400円(税込み)。
2012年に登場したスカイドゥエラーは、第2時間帯を表示させるデュアルタイム機能とともに、ロレックスでは「サロス」と呼ぶ、アニュアルカレンダーを備えたコレクションである。GMTマスターIIのように、GMT針を使うのではなく、文字盤中央の24時間表示のディスクを使って第2時間帯を読み取るのが特徴だ。また、インデックスの外周に備わった小窓によって、月表示を行ったり、リングコマンドベゼルによってリュウズで操作できる機能を切り替えられる点も、ユニークである。
今回コレクションに加わったのは、18Kエバーローズゴールド製モデルからはスレート、ホワイト、ブラウン、ブルーグリーン文字盤が、18Kイエローゴールド製モデルからはブラック、ホワイト、シャンパンカラー文字盤がラインナップされた。
搭載するムーブメントは、昨年登場した、新開発のCal.9002だ。約72時間のパワーリザーブのほか、耐磁性能や耐衝撃性能にも優れており、複雑機構でありながらも、日常で使える腕時計というのも本作の大きな魅力のひとつである。
ロレックス2024年新作「オイスターパーペチュアル デイデイト」
「オイスターパーペチュアル デイデイト(以下デイデイト)」からは、40mm径と36mm径のモデルに、それぞれバリエーションが追加された。
「デイデイト 40」に、初めてオンブレダイアルが採用されたのだ。
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自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KERGケース(直径40mm、厚さ12mm)。100m防水。598万5100円(税込み)。
オンブレダイアルはロレックスの文字盤のうち、中心から徐々にカラーが暗くなり、外周に近づくと漆黒になる仕様のことだ。18Kエバーローズゴールド製モデルに、1980年代に登場し、2019年に再び姿を現したデザインの流れを受け継ぐスレートのオンブレダイアルを採用することで、シックな印象の新作モデルに仕上がった。
さらに、このオンブレダイアルには初めて18Kピンクゴールド製ファセット加工のローマ数字インデックスが配された。従来のオンブレダイアルではダイヤモンドインデックスが採用され、かつ「デイデイト 36」のみの仕様であった。
もうひとつ、デイデイト 40に登場した新作は、18Kホワイトゴールド製のケース、ブレスレットに、ホワイトのマザー・オブ・パール文字盤を備えた1本である。デイデイトにとって、マザー・オブ・パールを採用するのは初とのこと。不規則なパターンが、小さな雲の重なりをほうふつとさせる。
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自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ12mm)。100m防水。677万500円(税込み)。
10個のバゲットカットダイヤモンドがインデックスとして配されており、デイデイトの持つ、高級機としての風格を強調する新作モデルだ。
また、デイデイト 36には、これまでデイデイト40にのみ見られた、ファセット加工のローマ数字インデックスを備えた文字盤のバリエーションが追加された。
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自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KYGケース(直径36mm、厚さ12mm)。100m防水。505万1200円(税込み)。
18Kイエローゴールド製ケースにラッカーで仕上げられたホワイト文字盤が爽やかな意匠で、36mmのサイズ感ということもあり、ジャケットの袖口からさりげなく存在感を発揮するだろう。
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自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KERGケース(直径36mm、厚さ12mm)。100m防水。1151万1500円(税込み)。
18Kエバーローズゴールド製モデルのデイデイト36には、10個のバゲットカットダイヤモンドが配された、ブルーグリーン文字盤が初登場となる。前述したスカイドゥエラーで採用された独特のこの色合いは、サンレイ仕上げによって光の当たり加減で表情を変えるのも良い。なお、ベゼルには60個のトラペーズカットダイヤモンドがセットされている。トラペーズカットダイヤモンドベゼルも、プラチナ製モデルにのみ採用されていたが、この度18Kエバーローズゴールドモデルにも搭載されることとなった。
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