ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で発表された、タグ・ホイヤーの新作時計を一挙紹介。1969年に誕生した「モナコ」55周年をたたえる記念モデルや、1960年代のモデルから着想を得た「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」など、4種のコレクションが同時に発表された。
タグ・ホイヤー モナコ・スプリットセコンド・クロノグラフ
新作「タグ・ホイヤー モナコ・スプリットセコンド・クロノグラフ」は、1969年に誕生した「モナコ」の55周年を記念したモデルだ。グレード5チタン製のスクエア型ケースや、サファイアクリスタル製のダイアルによって、個性的なデザインに仕上がっている。
バリエーションは、レッドとブルーの2種類が用意されており。レッドカラーのモデルのケースには、ブラックDLC加工が施され、よりスポーティな印象を強められている。
搭載するCal.TH81-00は、ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエとのコラボレーションによって誕生したムーブメントだ。レースなどのラップタイム計測で有用な複雑機構、スプリットセコンドクロノグラフを備えている。
ケースにはサファイアクリスタルが組み合わされており、内部のムーブメントを存分に鑑賞することが可能だ。ブランドを象徴するシールド型のローターや手作業による仕上げなどを楽しむことができる。
自動巻き(Cal.TH81-00)。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。Tiケース(直径41mm、厚さ15.2mm)。30m防水。予価1672万円(税込み)。2024年6月発売予定。
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ
「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」からも、新作モデルが登場した。2023年のカレラ誕生60周年に際し、同社のヘリテージを基にしながらモダンさを加えてデザインが刷新されたことは記憶に新しい。本作も、1960年代後半に生み出されたヘリテージから着想を得ている。
自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。83万6000円(税込み)。2024年4月発売予定。
本作が着想を得たのは1960年代後半の名作でカレラの第2世代となる「7753SN」である。7753SNは、シルバーのダイアルにブラックのサブダイアルを配して「パンダ」の愛称で呼ばれるデザイン、あるいはその逆の「リバースパンダ」が特徴のモデルだ。モデル名のSは英語のシルバー、Nはフランス語のノワール(黒)を意味している。このカラーリングはアイコニックな外観を生み出したほか、カレラの活躍の場となっていたモータースポーツにおいて、視認性を確保する機能性を両立していた。
本作は、このアイコニックなパンダダイアルを持つ7753SNに着想を得つつ、現行のタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフのモダンさが加えられて仕立てられた。ヘリテージに準拠したシルバーのベースをサンレイブラッシュ仕上げとし、3時と9時位置にアジュール仕上げのブラックのサブダイアルを配する。サブダイアルの針はレッドにラッカー塗装され、効果的な挿し色としながら視認性を確保するコントラストを加えている。
搭載する自動巻きのクロノグラフムーブメントはCal.TH20-00で、パワーリザーブは約80時間を実現している。また、5年の長期保証付きで、3針モデルよりも複雑なクロノグラフモデルを所有するうえでアドバンテージとなっている。
タグ・ホイヤーの歴史に通ずる「タグ・ホイヤー カレラ スキッパー」の新作
2023年、ステンレススティールモデルの「カレラ スキッパー」にてヨットレース界に復帰したタグ・ホイヤーは、今回、カレラ スキッパーの新作として18Kローズゴールドケースモデルを発表した。
自動巻き(Cal.TH20-06)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。18KRGケース(直径39mm)。100m防水。269万5000円(税込み)。2024年4月発売予定。
カレラ スキッパーは、23年のカレラ誕生60周年を記念して発表された「グラスボックス」のデザインをベースとする。また、Cal.ホイヤー02を基に、原動機の無い船によるボート競技「レガッタ」に適する機能に調整した、Cal.TH20-06を搭載したモデルだ。本作は、そのカレラ スキッパーに18Kローズゴールドをケースに用いることで、エレガンスを添えている。
本作のカラーリングは、1968年発表のスキッパー「Ref.7754」をほうふつとさせるもので、シーブルーのメインダイアルに、「イントレピッド・ティール」の12時間計カウンターと、3色の異なるカラーで5分単位に3分割された15分計レガッタカウンターを備える。
この意匠は、67年のアメリカズカップで創業家一族のジャック・ホイヤー率いるニューヨーク・ヨットクラブのイントレピッド号が、ライバルのデイム・パティ号に勝利したことを祝ってRef.7754のカラーリングに用いたことを起源としている。イントレピッド・ティールのトリコロールは、イントレピッド号のリグ(ぎ装)から着想を得たもので、本作のアイコンと言えるだろう。
タグ・ホイヤー カレラ デイト
「タグ・ホイヤー カレラ デイト」にフェミニンなエッセンスを加えたケース径36mmの新作が追加された。カレラはモータースポーツ用途を想定したスポーティーなモデルであったが、そこに留まらない汎用性を志向して、3針モデルが考案された経緯を持つ。レース会場からイブニングパーティーまで着用可能な普遍的でエレガントなデザインがコンセプトのコレクションであり、今回追加された新作は、この背景を色濃く表している。
自動巻き(Cal.7)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SSケース(直径36mm)。50m防水。カッパーダイアルモデル:62万1500円(税込み)。マザー・オブ・パールモデル:60万5000円(税込み)。ダイヤモンドセットモデル:86万9000円(税込み)。2024年6月発売予定。
追加されるのは、ライトブラウンからベージュへのグラデーションを持つコッパーダイアルモデルと、ホワイトマザー・オブ・パールダイアルモデル、ホワイトマザー・オブ・パールダイアルにダイヤモンドを配したモデルの3種である。いずれもカレラの代名詞であるH形テーパードブレスレットが組み合わされる。
ムーブメントは自動巻きのCal.7で、パワーリザーブは約56時間となる。
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