2024年 A.ランゲ＆ゾーネの新作時計を一気読み！

2024年に発表されたA.ランゲ＆ゾーネの新作時計を一挙紹介。A.ランゲ＆ゾーネの本年のテーマは「ダトグラフ」だ。半透明のダイアルと夜光性コーティングにより、表示やメカニズムが発光する「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」と、「ダトグラフ・アップ／ダウン」のホワイトゴールドケースにブルーダイアルを組み合わせた新作が発表された。

“ルーメン”シリーズ第6弾「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」

　A.ランゲ＆ゾーネは、ダトグラフ発表25周年となるこの年に、新解釈を加えた「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」を発表した。ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨンは2016年初出のモデルであり、その名に冠した3つの複雑機構を、バランスよくレイアウトして視認性を高めたダイアルを有することを特徴としていた。本作は、この視認性に着目した新作である。

　本作は、限定モデルとなるルーメンシリーズの第6弾であり、半透明のダイアルと夜光性コーティングにより、表示やメカニズムが発光し、暗がりでも個性的な機能や機構を鑑賞可能である点が特徴である。時分針およびクロノグラフ秒針には蓄光塗料が施され、夜光インダイアルと共に暗所での視認性を確保している。

　各機能に注目しよう。ダトグラフの特徴であるフライバッククロノグラフとそれに連動する30分積算計を4時位置に備える。クロノグラフの機能を拡張するタキメータースケールは、コーティングを施したサファイアクリスタルのダイアル外周に配置されている。

　パーペチュアルカレンダーは、月表示と閏年表示を30分積算計と同軸の4時位置に、曜日表示を8時位置のスモールセコンドと同軸に。そして12時位置には、A.ランゲ&ゾーネのアイコンのひとつであるアウトサイズデイトが配される。8時位置のサブダイアルはデイ・ナイト表示も兼ねている。6時位置には、122.6年で1日分しか誤差を生じない高精度のムーンフェイズ表示を備える。これらは、ケース側面に配置された3つの調整用プッシャーによって個別に調整可能となっている。

　トゥールビヨンは、本作ではストップセコンド機構を備えたワンミニッツトゥールビヨンのことを指す。2008年に初採用となったこのストップセコンド機構は、テンプやキャリッジの位置に依らず、操作によってトゥールビヨンを停止させて正確な時刻合わせを可能としたものだ。

　これらの機能を実現するのが新開発のCal.L952.4であり、伝統的なコラムホイールをはじめとして古典的な時計技術に基づいたデザインとA.ランゲ&ゾーネ基準の極めて優れた仕上げが施されつつ、ケースバック側からはトゥールビヨンの作動を鑑賞することが可能となっている。

　Cal.L952.4を収めるケースはハニーゴールド製であり、これは21年発表の「ツァイトヴェルク・ハニーゴールド “ルーメン”」に続く、ハニーゴールド特有の硬度と特有の輝きに加えてルーメンの夜行性コーティングを組み合わせたモデルの第2弾となる。本作は世界限定50本となる。

「ダトグラフ・アップ／ダウン」のホワイトゴールドケースにブルーダイアルの新作

　ダトグラフ発表25周年を記念した「ダトグラフ・アップ／ダウン」の18Kホワイトゴールド製ケースにブルーのダイアルを備えた新作が発表された。航空機黎明期に使用されたフライバック機構を有する本作は、ボタンを1回押すだけでクロノグラフ停止、ゼロリセット、再計測が可能となっている。加えて、プレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターを備え、クロノグラフ秒針が60秒を経過するごとに正確に分積算計が1目盛り分進む機構を備える。

　モデル名に冠されているアップ／ダウンは6時位置のパワーリザーブ表示を意味し、約60時間のパワーリザーブ残量が作動により変動し、針が赤い部分に触れるタイミングが、3日に1度の巻き上げ合図となっている。

　本作は他のA.ランゲ&ゾーネのタイムピースと同様に、各機能がバランスよく配置され、審美性と視認性を両立している。また、18Kホワイトゴールドケースに、各表示とのコントラストの高いブルーのダイアルが組み合わされた点が特徴だ。ホワイトゴールドの明るい色調は、搭載されるCal.L951.6の洋銀製のプレートとブリッジと調和し、高いレベルで施されたムーブメントの仕上げを引き立てる。本作は世界限定150本である。