ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で発表された、パネライの新作時計を一挙紹介。パネライは、世界的なヨットレース“アメリカズカップ”に挑戦する「ルナ・ロッサ プラダ ピレリ セーリング チーム」と2019年からパートナーシップを締結しており、24年は第37回アメリカズカップが開催される年だ。よって今回の新作はいずれもルナ・ロッサとのコラボレーションモデルとなっており、カーボテックを用いた「サブマーシブル トゥールビヨン GMT ルナ・ロッサ エクスペリエンス エディション」、表面をセラミックス化したチタンをケースに用いた「サブマーシブル クアランタクアトロ ルナ・ロッサ Ti-Ceramitech」などが並ぶ。
アメリカズカップへの挑戦を象徴するカーボテック製の新作
パネライは、世界的なヨットレースのアメリカズカップに挑戦する「ルナ・ロッサ プラダ ピレリ セーリング チーム」とのパートナーシップに基づいた新作「サブマーシブル トゥールビヨン GMT ルナ・ロッサ エクスペリエンス エディション」を発表した。
1851年から続くアメリカズカップとは、予選で選ばれる挑戦者代表と前回優勝チームのマッチ戦形式をとるヨットの国際親善レースである。各チームは所属国で建造されたヨットを用いて参戦しなければならない規定のため、各国の造船技術、材料工学、流体力学のほか多岐にわたる知見や技術がぶつかり合うレースとして人気を集めている。開催は不定期であるが近年は3年から5年間隔で開催されてきた。
パネライとルナ・ロッサ プラダ ピレリとのパートナーシップは2019年に始まり、21年の第36回アメリカズカップでは予選を勝ち残って挑戦者代表となる成績を残している。そして、24年8月に開催予定の第37回アメリカズカップにむけて発表されたのが本作、サブマーシブル トゥールビヨン GMT ルナ・ロッサ エクスペリエンス エディション Ref.PAM01405である。
手巻き(Cal.P2015/T)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約96時間。カーボテックケース(直径45mm、厚さ17.25mm)。300m防水。世界限定20本。2024年7月発売予定。
本作には、アメリカズカップ出場艇に使用された技術や素材からインスピレーションを得たモデルだ。象徴的であるのはケースだ。出場艇「ルナ・ロッサ」の船体は、そのほとんどがカーボンファイバーで構成されており、本作はそれを踏襲した複合素材のカーボテックが採用されている。そのため本作は非常に軽量に仕立てられており、その表面にはカーボテック特有の積層された模様が表れている。また本作は、従来のサブマーシブル トゥールビヨンからサイズダウンされて45mmケースとなり、着用感の向上が図られている。
搭載されるCal.P.2015/Tは、水平方向に30秒ごとに回転するトゥールビヨンを有する。その特徴は、トゥールビヨンがテンプに対して垂直に回転する点で、時計への重力の影響を軽減している。そのほか、ムーブメントはスケルトナイズされ、レース専用ヨットのストイックな世界観を反映している。組み合わされるベゼルはブラックDLCコーティングが施されたチタン製だ。本作はカーボンに由来するブラックと、視認性を確保するホワイトに加えてレッドが印象的に配置されている。これはセーリングチームへのリスペクトとパートナーシップを表したものだ。
本作は20本限定となり、アメリカズカップ決勝に向けた7月にデビュー予定である。また、本作を手にすることができた幸運なオーナーは、バルセロナで行われるアメリカズカップの決勝戦に招待される。決勝戦中に舞台裏の見学も予定されており、パネライとセーリングチームが挑戦する名誉あるイベントを間近で見て体験することができる。
チタンの表面をセラミックス化させた新素材を用いた新作
チタン合金の表面をセラミックス層に変化させた新素材を用いた「サブマーシブル クアランタクアトロ ルナ・ロッサ Ti-Ceramitech」の2モデルが発表された。本作はルナ・ロッサとのコラボレーションモデルであり、ヨットレースの世界で用いられてきた高性能素材からインスパイアされたモデルとなる。
自動巻き(Cal.P.900)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ti-Ceramitech(直径44mm、厚さ13.6mm)。500m防水。233万2000円(税込み)。
最大の特徴であるTi-Ceramitechは、チタン合金の表面を緻密なセラミックス層に変化させつつ、電解プラズマ酸化処理により大海原をイメージした印象的なブルーを生み出すものである。また、従来のセラミックスよりも10倍高い破壊靭性を備えつつ、スティールよりも44%軽量である点が機械的特性となる。ベゼルもTi-Ceramitech製で、電解プラズマ酸化処理によって発色させた後、追加工を施すことでチタン本来の色を露出させ、インデックスを浮かび上がらせている。
自動巻き(Cal.P.900)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ti-Ceramitechケース(直径44mm、厚さ13.6mm)。500m防水。233万2000円(税込み)。
用意されるのはふたつのダイアルだ。PAM01466はブルーのサンブラッシュ仕上げであり、ケースの色調と併せて海のスピリットを呼び起こすカラーとなっている。PAM01543は、マットホワイトのグレンダイアルで、ツールウォッチの趣きが強められている。なお、PAM01466はすべてのネットワークで販売され、PAM01543はブティック限定品となる。
チタンケースを採用したルナ・ロッサとのコラボレーションモデル
ルナ・ロッサとのコラボレーションモデルとして「サブマーシブル GMT ルナ・ロッサ チタニオ」Ref.PAM01507が発表された。センターにGMT表示を備え約72時間のパワーリザーブを持つ自動巻きムーブメントCal.P.900/GMTを搭載する本作は、インデックスとケースが特徴だ。
自動巻き(Cal.P.900/GMT)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径44mm、厚さ13.6mm)。500m防水。172万7000円(税込み)。
インデックスは、暗闇の中で180分経過した時の明るさが従来よりも10%向上した、新しいスーパールミノバX2を採用している。ケースは軽量で高強度なグレード5チタン。この素材はアメリカズカップに挑戦するルナ・ロッサ艇にも使用されており、本作の出自を表現したものである。また、500m防水を実現しており、本作は軽量かつ高い信頼性を持ち、視認性にも優れるモデルとして仕立てられている。
本作はイメージカラーのブルーに、ルナ・ロッサとのコラボレーションを示すレッドが映えるものとなっている。また、6時位置にはルナ・ロッサのロゴが配される。本作には、ラバーとテキスタイルを組み合わせて、ルナ・ロッサのロゴと赤いラインがあしらわれたストラップと、ソリッドでスポーティーなブルーのラバーストラップが付属する。
ブラックマットセラミックスをベゼルに用いたオンラインブティック限定品
今般発表された「サブマーシブル ルナ・ロッサ」Ref.PAM01565は、ステンレススティール製ケースに、ブラックマットセラミックスをベゼルに用いたモデルで、オンラインブティックのみでの販売かつ世界限定300本となる。
自動巻き(Cal.P.900)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径44mm、厚さ13.6mm)。500m防水。世界限定300本。158万4000円(税込み)。オンラインブティック限定販売。
ダイアルは、ルナ・ロッサのクルーが航海する海の神秘性や奥深さをオマージュしたもので、透明感のある深いブルーからブラックへと変化するグラデーションが施される。9時位置のスモールセコンドと、ラバーとテキスタイルを組み合わせたストラップにはルナ・ロッサとのコラボレーションを示すレッドがあしらわれ、ルナ・ロッサのロゴが6時位置とストラップに記されている。また、スペアとしてダークブルーのラバーストラップも付属する。
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