電波時計とは標準電波を受信して時刻を自動修正できる時計のことである。シチズン時計は世界の電波時計の分野において、常に先頭を走ってきた時計メーカーだ。シチズン時計の電波時計は何がすごいのか、その特徴や歴史を紹介する。
シチズン時計の電波時計の特徴
日本屈指の実用時計メーカーとして名高いシチズン時計は、数々の独自技術を生み出してきた。まずは、シチズン時計の電波時計の特徴を見ていこう。
海外の送信局にも対応「多局受信」
シチズン時計は世界で初めて多局受信型電波時計を生み出した時計ブランドだ。多局受信型電波時計とは、ひとつの時計で複数の送信所から標準電波を受信できる時計を指す。
シチズン時計の電波時計は、日本・中国・アメリカ・ドイツの送信所に対応している。日本には送信所が2カ所あり、国内ほぼ全ての地域をカバーする。
ズレが生じにくい技術「パーフェックス」
パーフェックスとは、磁気や衝撃で時刻がズレるのを防ぐ機能である。3つの機能を一体化させた、シチズン時計独自のテクノロジーだ。
「JIS1種耐磁」で磁気によるズレを、「衝撃検知機能」で衝撃によるズレを防げる。万が一針がズレてしまっても、「針自動補正機能」でズレを検知し、時刻が瞬時に補正される。
世界4エリアの標準電波を高感度で受信するシチズン時計の電波時計は、パーフェックスを搭載することで時刻表示の正確さがより高められているのである。
独自の光発電システム「エコ・ドライブ」
定期的な電池交換が不要なシチズン時計独自のテクノロジーがエコ・ドライブだ。太陽や室内のわずかな光でも駆動する上、フル充電していれば通常は暗闇でも半年以上動き続ける。
光発電システムは他の時計メーカーでも見られるテクノロジーだが、世界で初めて光発電システムを搭載した電波時計を開発したのはシチズン時計である。
シチズン時計の電波時計が歩んだ道のり
シチズン時計は電波時計分野で先駆け的な役割を果たしてきた国産時計メーカーだ。シチズン時計が誇る数々のテクノロジーと共に、その歩みを追う。
1993年 「多局受信型電波時計」が誕生
シチズン時計は1989年に電波時計の開発をスタートさせている。シチズン時計にとってはゼロからのチャレンジであり、当時は技術的な課題が山積していた。
数多くの困難を乗り越え、1993年には世界で初めて多局受信型電波時計の開発に成功する。受信用のアンテナが金属部品の影響を受けないよう、ダイアルの中央にアンテナを配置するという大胆な発想が採用された。
1996年 「光発電システム」を搭載
1996年にはシチズン時計が誇るエコ・ドライブを電波時計に搭載した。光発電システムを電波時計に組み込むという偉業を、世界で初めてシチズン時計がやってのけたのである。
これにより、時刻合わせと、定期的な電池交換の煩わしさが解消された。受信性能とデザイン性の向上を図るために、アンテナはケースの左側面に配置されている。
2003年 フルメタルケースの電波時計の開発
2003年にシチズン時計は、省電力化とアンテナ精度・受信回路の改善によって受信感度を大幅に向上させ、世界初のフルメタルケースの電波時計を開発した。「電波時計には見えないデザイン」への道を切り開いたのだ。
モデルの幅が広がっていく
フルメタル電波時計を世界に先駆け発表して以降、電波時計の開発はシチズン時計の主力事業のひとつとなった。
ムーブメントの省スペース化やアンテナの小型化が進められ、時計自体のデザインもより多彩になっている。電波時計の先駆者として、シチズン時計の挑戦に終わりはない。
シチズン時計の電波時計の最新モデル
当初はアンテナがむき出しになっていた電波時計を、シチズン時計は一般的な高級モデルと変わらない外装へと昇華させた。シチズン時計の最新モデルをチェックし、電波時計の華麗なる発展に触れてみよう。
「シチズン エクシード」七夕モチーフ「天の川」 限定ペアモデル
織姫と彦星のストーリーをデザインしたペアモデル。ラメの文字盤で星空、見返しリングに施した金の蒔絵で天の川を表現した。(CB1080-52M)光発電エコ・ドライブ(Cal.H149)、月差±15秒。フル充電時2年可動(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウム™ケース(直径38mm・厚さ9.9mm)。5気圧防水。16万5000円(税込み)、(EC1120-59M)発電エコ・ドライブ(Cal.H246)、月差±15秒。フル充電時3年可動(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウム™ケース(直径29.2mm・厚さ8.1mm)。5気圧防水。16万5000円(税込み)
エレガントかつ洗練されたデザインが特徴のエクシードから登場した、限定のペアモデル。一年に一度、7月7日にだけ逢うことを許された、織姫と彦星のロマンティックなストーリー表現した。
夜空を表現した文字盤には、7時と7分の位置にそれぞれ織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)をイメージした星を配置し、7時7分になると時針と分針が天の川にかかる一本の橋のようにふたつの星を結ぶ。
2024年3月にCal.H147を搭載するエコ・ドライブ電波時計を発売
ケース厚7mmと世界最薄の多局受信型光発電電波時計。世界4エリア(日本・中国・米国・欧州)の電波を受信し、リュウズのみの操作で世界26時差の時刻とカレンダーを表示するダイレクトフライト機能を搭載。ジェットセッターにうれしい1本だ。光発電エコ・ドライブ(Cal.H147)、月差±15秒(非受信時)。フル充電時約2年可動(パワーセーブ作動時)。スーパーチタニウム™ケース(直径38.0mm・厚み7mm)。日常生活用防水。16万5000円(税込み)
2024年3月に発表されたシチズン時計の電波時計は、新ムーブメント「Cal.H147」を搭載した多局受信型光発電電波時計では薄型モデルである。ケース総厚約7.0mmを実現している。
都市表示を入れず時差表示のみとしたことで、文字盤のデザインはシンプルだ。針をダイヤ状にカットすることで、ケースデザインと相まってよりシャープな印象を与える。
ケースとブレスレットの素材には、シチズン時計独自の「スーパーチタニウム」が使われている。傷に強く肌にも優しい素材だ。
より高い精度を求めるならシチズン時計の電波時計
シチズン時計は世界の電波時計をリードしてきた時計メーカーだ。さまざまな革新技術の開発のみならず、電波時計のデザイン性の向上にも貢献している。
シチズン時計の電波時計の歴史や魅力を知れば、お気に入りの1本に対する愛着をより深められるだろう。
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