「オイスターパーペチュアル スカイドゥエラー」は、ロレックスが2012年から展開しているコレクションだ。第2タイムゾーン表示機構や年次カレンダーなど、実用性の高い機能が搭載されており、しかも、その操作方法がユニークだ。そんな本コレクションの注目ポイントや現行モデルについて、紹介する。
ロレックス「スカイドゥエラー」が誇る機能
スカイドゥエラーは直訳すると「空中の居住者」。“地球を飛び回る人々のために設計”されたという。そんな「オイスターパーペチュアル スカイドゥエラー(以下スカイドゥエラー)」について、おもに機能にフォーカスして解説しよう。
第2タイムゾーン表示機構
スカイドゥエラーの特徴のひとつが「第2タイムゾーン表示機構」だ。現在地とは異なる第2時間帯の表示機構といえば、同じくロレックスの現行コレクションとして展開されている「GMTマスターII」のスタイルが有名かもしれない。しかしスカイドゥエラーではGMT針ではなく、文字盤中央にセットされた24時間スケール入りの回転ディスクと赤く小さな逆三角形によって、ホームタイムの時刻を表示させる。
このディスクは24時間表示であるため、ユーザーは昼夜の区別を判読しやすい。時間が大きく異なる地域への移動が多いユーザーにとって、この機能は便利に感じられるだろう。
サロス年次カレンダー
スカイドゥエラーのもうひとつの特徴が、年次カレンダーを備えていることだ。ロレックスでは太陽と惑星に見立てて「サロス年次カレンダー」と称している。年次カレンダーは30日と31日がある月を自動で識別する機能だ。つまり、2月の末日以外は、時計が動き続けている限りは手動でのカレンダー修正が必要ない。
年次カレンダーモデル自体は他のブランドも製造している。しかしロレックスではスカイドゥエラーのために開発された、特許取得の年次カレンダーを採用している。
月表示もユニークだ。各インデックスの外側に配された小窓を使って月表示を行うのだ。例えば現在が1月なら、1時位置の小窓が赤くなる。なお、日付はローカルタイムと連動しており、3時位置の小窓に表示される。
リングコマンドシステム
スカイドゥエラーに搭載されているリングコマンドシステムも、ロレックス独自の特許取得機構である。ベゼルのポジションを変えることで、リュウズで設定したい機能を選ぶ。どういうことかというと、ベゼルのポジションを変えることで、スカイドゥエラーに搭載されている各機能を操作することができるのだ。
ベゼルが通常のポジションにいる時、ロックを解除してリュウズを時計回りに回転させると、主ゼンマイを巻き上げる。この状態のリュウズから一段引きし、ベゼルをニュートラルポジションから9時方向に3クリック分移動させてリュウズを回すと、24時間表示ディスクと分針が回転。ホームタイムを設定することができる。ベゼルを9時方向に2クリック分移動させてからリュウズを回すと、時針が単独で動く。ベゼルを9時方向に1クリック分移動させた状態でリュウズを回すと、日付ディスクが切り替わる。なお、月表示単独では切り替えができないので、日付をどんどん送ることで月を切り替える必要がある。
操作しやすいことに加えて、本コレクションにエレガントな印象を添えるフルーテッドベゼルも魅力的だ。山型のカットが連続するこのベゼルの意匠は、ロレックスを象徴するパーツといえるだろう。
高性能な自動巻ムーブメント
2012年に登場して以来、スカイドゥエラーには自動巻ムーブメントCal.9001が搭載されてきた。ロレックスで最も複雑なムーブメントのひとつといわれている。
さらに2023年、Cal.9001の後継機Cal.9002とともにコレクションが刷新。ムーブメントのローターには、摩耗耐性が高いボールベアリングが採用されている。また、優れた耐衝撃性を誇るパラフレックス ショック・アブソーバや、耐磁性能を備えるパラクロム・ヘアスプリングなど、ロレックスが誇る革新技術が投入されている。
ロレックス スカイドゥエラーの現行モデル
スカイドゥエラーの現行モデルの素材には18Kゴールドが用いられており、ラグジュアリーなテイストを備えている。現在ラインナップされている、代表的なモデルを見ていこう。
オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー 336934
自動巻き(Cal.9002)。40石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS×18KWGケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。
Ref.336934は、オイスタースティール製のケースとブレスレットに、18Kホワイトゴールド製のベゼルを備えたモデルだ。扱いやすいオイスタースティールを用いつつ、18Kホワイトゴールドによってスカイドゥエラーの持つラグジュアリーテイストも与えられた。
ちなみに、ロレックスでは2種類の金属を使った時計を「ロレゾール」と呼んでいる。一般的にコンビモデルと呼ばれるタイプの時計だ。ロレゾールは、どのカラーゴールドが使われているかで名称が変わる。オイスタースティールとホワイトゴールドを使っている本作は、ホワイトロレゾールと呼ばれる。
コマが3連となったオイスターブレスレットのほか、5連のジュビリーブレスレットモデルもラインナップされている。文字盤のバリエーションはホワイト、ブライトブルー、ブライトブラック、ミントグリーンの4種展開だ。
オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー Ref.336235
自動巻き(Cal.9002)。40石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kエバーローズゴールドケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。
スカイドゥエラー Ref.336235は、ロレックス独自のピンクゴールド合金“エバーローズゴールド”をケース素材に使った、華やかなモデルだ。また、同じくロレックス独自のラバーストラップである“オイスターフレックスブレスレット”を備えていることも本作の特徴。このストラップは耐久性と柔軟性を両立させていることに加えて、工具なしで約2.5mm単位、最大約15mm長さを延長できるロレックス グライドロック エクステンション システムが搭載される。
文字盤のバリエーションは、ホワイト、スレート、ブルーグリーン、チョコレートの4種だ。
オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー 336933
自動巻き(Cal.9002)。40石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS×18KYGケース(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。
「イエローロレゾール」と称される、18Kイエローゴールドとオイスタースティールを外装に使ったRef.336933。贅沢な魅力を備えるイエローゴールドと洗練されたオイスタースティールを組み合わせた意匠は、手元で存在感を放ってくれる。
文字盤のバリエーションはホワイト、ブライトブラック、シャンパンの3種類。オイスターブレスレットとジュビリーブレスレットそれぞれがラインナップされている。
ロレックス スカイドゥエラーを着けて世界を飛び回ろう!
ロレックスのスカイドゥエラーは、“地球を飛び回る人々のために設計”された時計だ。実際に物理的に飛び回らずとも、第2タイムゾーンの時刻を表示できる機能は海外在住者や企業とコミュニケーションするユーザーにとって役立つだろう。
サロス年次カレンダーやリングコマンドシステムも、利便性の高い機能だ。スカイドゥエラーを身に着け、世界の舞台へ思いを馳せたい。
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