偉大なる時計師の名前を受け継ぐブレゲは、今もなお時計業界を牽引する高級ブランドである。そんなブレゲが展開する「クラシック」は、創業者が求めた理想を具現化したコレクションだといえるだろう。本記事では、クラシックの特徴や魅力に迫る。
創業者の理想を体現した「クラシック」コレクションの特徴
アブラアン-ルイ・ブレゲは、時計の歴史を2世紀早めた天才時計師と称される人物だ。この名を受け継ぐブレゲの「クラシック」の数々の特徴は、そのままアブラアン-ルイ・ブレゲの偉大な功績につながっている。
2種類のダイアル
クラシックのダイアルは、「ギヨシェ彫りダイアル」と「エナメルダイアル」の2種類に大別される。いずれも創業者ブレゲの時代に多用されたダイアルだ。
ギヨシェ彫りとは、機械や手で施す装飾技法のことを指す。ギヨシェ彫りダイアルを普及させたのは創業者ブレゲだとされており、現代のブレゲでも多くの選任職人が、他に類を見ない規模でギヨシェ彫りに取り組んでいる。
一方のエナメルダイアルは、一見するとシンプルな印象を与えるが、実際は複雑なギヨシェ彫りと同様の高い技術力が求められる。クラシックのダイアルで使われる「グラン・フー・エナメル」は、特に高度な職人技が必要だ。
伝統的な意匠
クラシックには、ブランドを象徴する特徴的な意匠が取り入れられている。いずれも創業者ブレゲが生み出したものである。
独特な書体の「ブレゲ数字」は、エナメルダイアル上に描かれることが多い。ほとんどのブレゲ時計で使用されている「ブレゲ針」は、針のデザイン上に穴を施した斬新なデザインだ。
ギヨシェ彫りの代表的な模様「クル・ド・パリ装飾」や、ケース側面の溝状の模様「コインエッジ装飾」も、ブレゲを象徴する外装様式だ。
これらの意匠は現在、ブレゲに留まらず、他の時計ブランドも自社の時計に取り入れている。
数々の複雑機構
複雑機構を搭載したモデルが多いことも、ブレゲ クラシックコレクションの大きな特徴である。クラシックの複雑機構時計は、組み込まれた複雑機構がモデル名で判別できる。
コンプリケーションモデルの中には、世界7大複雑機構を2つ以上搭載したものもある。スケルトン化されたモデルも多く、ムーブメントの複雑な仕組みを見て楽しむことも可能だ。
世界3大複雑機構のうち、トゥールビヨンとパーペチュアルカレンダーは創業者ブレゲが発明したものである。ミニッツリピーターに関しても、創業者ブレゲがゴング式の機構を発明し、歴史に名を残している。
ブレゲ クラシックのおすすめモデル4選
クラシックコレクションの各モデルには、創業者ブレゲが創造した要素がふんだんにちりばめられている。以下に紹介するおすすめモデルを通して、クラシックへの理解をより深めていこう。
シンプルな3針モデル「クラシック 5177」
自動巻き(Cal.777Q)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。18KWGケース(直径38mm、厚さ8.8mm)。30m防水。422万4000円(税込み)。
「クラシック 5177」は、グラン・フー エナメルにブレゲ ブルーを取り入れた美しいダイアルが魅力的なモデルだ。ロジウム仕上げのブレゲ針やシルバーで統一されたインデックス・目盛りを採用し、視認性を高めている。
搭載されているムーブメントは、自動巻きムーブメント「Cal.777Q」である。脱進機とヒゲゼンマイにシリコン素材を使用することで、優れた精度と信頼性を発揮している。
6時位置のシークレット・サインは、ほとんどのブレゲ時計に刻まれている。本物のブレゲ時計であることを示す証だ。
星が輝く夜空を堪能「クラシック トゥールビヨン 3358」
自動巻き(Cal.187D)。21石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KWGケース(直径35mm、厚さ9.43mm)。30m防水。2411万2000円(税込み)。
トゥールビヨン機構を搭載した「3358」は、ベゼルとラグに69個のダイヤモンドを施したモデルだ。ダイアルにもダイヤモンドがセッティングされており、合計2カラットオーバーのダイヤモンドが圧倒的な存在感を放っている。
ムーブメントは、手巻き機構「Cal.187D」が搭載されている。サファイア・ケースバックからは、トゥールビヨンの動きを鑑賞することができる。
陰影のあるダイアルとファンタジックな星モチーフが、見る者の気分を華やかにさせる1本である。
偉大な発明へのオマージュ「クラシック ミニッツリピーター 7637」
手巻き(Cal.567/2)。31石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ12.35mm)。30m防水。4183万3000円(税込み)。
創業者ブレゲは、時刻を音で知らせるミニッツリピーターの機能改善を図り、それまでのベル型ゴングに代わる、板バネを打ち鳴らすゴングを開発した。「クラシック ミニッツリピーター 7637」は、その創業者の偉大な発明に敬意を捧げるモデルである。
ローズゴールド製のケースとグラン・フー エナメルのダイアルには、ブレゲ針・ブレゲ数字・コインエッジ装飾といったお馴染みの意匠を備えている。9時位置のレバー操作でミニッツリピーターを駆動させることが可能だ。
本作では職人たちによるブレゲらしい音色への追求が行われており、より洗練された上質な音色を楽しめる。
閏年も日付の調整が不要「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」
自動巻き(Cal. 502.3.P)。35石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KRGケース(直径39mm、厚さ9.13mm)。30m防水。1349万7000円(税込み)。
2023年に登場した「7327BR/11/9VU」は、パーペチュアルカレンダーを搭載したモデルだ。創業者ブレゲが発明したパーペチュアルカレンダーは、閏年も日付の調整が不要な機構である。
ブレゲで最も薄いムーブメントのひとつCal.502.3.Pを搭載している。ムーブメントのさまざまな装飾を、ケースバックから鑑賞することが可能だ。
ムーンフェイズのラッカーにはスパンコールが混合されており、時計の角度を変えながら異なる星の煌めき方を楽しめる。
ブレゲ クラシックで時計の歴史に思いを馳せる
現代の時計に使われている機構の約7割は、アブラアン-ルイ・ブレゲが何らかの形で関わっているといわれている。偉大な創業者が追い求めていた時計の理想像が、クラシックで体現されているのだ。
時計の歴史を知れば知るほど、奥深さをより深く理解できるようになる。クラシックを手に取り、時計の歴史に思いを馳せてみよう。
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