ジェイコブ&コー(以下ジェイコブ)の2024年最新作をまとめて紹介する。同ブランドは、24年4月9日〜14日までの間、ジュネーヴのフォーシーズンズホテルにて「ジェイコブ&コー ウォッチ&ジュエリーショー」を開催し、新作発表を行った。注目は、アストロノミア コレクションの新作である「アストロノミア レギュレーター」だ。象徴的な垂直回転ムーブメントを活かした、ダイナミックなレギュレーター機構を備えるハイコンプリケーションが完成している。
アストロノミア レギュレーター
アストロノミアの新作「アストロノミア レギュレーター」は、レギュレーター機構をジェイコブの革新的なアプローチによって再解釈したコンプリケーションだ。注目は秒表示であり、針ではなくメインダイアルが60秒で1回転して、秒数を示すようになっている。
手巻き(Cal.JCAM56)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(直径43mm、厚さ18mm)。30m防水。世界限定250本。要価格問い合わせ。
このメカニズムは、14年登場の「アストロノミア トゥールビヨン」から続く多軸トゥールビヨン技術の帰結と言える。当初、中心軸の回転速度は20分で1回転するように設定されていたが、23年登場の「アストロノミア レボリューション」によって、ついに1分で1回転という速度に到達し、本作の実現につながったのである。
ムーブメントは新構造のCal.JCAM56を搭載する。3本のアームを備えており、それぞれに時分を示すサブダイアルとフライングトゥールビヨンが配置されている。これにより、反時計回りに回転するサファイアのメインダイアルに対し、アームに配置されたそれぞれが時計回りに進み続けるという、ユニークなレギュレーター機構を備えた。
このムーブメント全体が1分間に360度回転する動作には、驚異的な技術と、非常に大量のエネルギーを必要とする。このスムーズかつ高速な動作の制御に向けて、ブランドは特許を取得した独自のコンスタントフォース装置を開発。2軸トゥールビヨンに対する均等なエネルギーの供給を可能とした。
サファイア製ダイアルの6時位置にはレッドゴールド製の秒針が配置され、外周の秒表示を指し示している。ダイナミックな動きを見せるダイアルの中で、唯一不動の佇まいを見せる要素だ。またダイアルには、サブダイアルとフライングトゥールビヨンが浮かぶ3D構造を採ることで、シリーズのアイコニックなデザインを維持している。
ビリオネアIII エメラルド/ルビー/レインボー
ハイジュエリーウォッチ「ビリオネアIII」からは、カラーストーンを時計全面に敷き詰めたカラフルな新作3種が登場した。いずれのモデルにも714個もの天然宝石がセットされており、あまりにきらびやかなモザイクパターンが生み出されている。
バリエーションは、「ビリオネアIII エメラルド」、「ビリオネアIII ルビー」、「ビリオネアIII レインボー」の3色。いずれも6時位置にトゥールビヨンを備えるスケルトンムーブメントを搭載しており、各ブリッジのダイアル側にはバケットカットの宝石が隙間なくセットされている。
エピックX セラミック
Xをモチーフとした造形とオープンワークムーブメントを特徴とする「エピックX」には、セラミックスを採用した新作モデル3種が追加された。ケースはブラックまたはホワイトセラミックスから選択可能で、ブルー、ブラック、ホワイトの3ダイアルが用意される。
15年より展開されているエピック Xには、これまでにもステンレススティールやチタン、18Kゴールドといった多彩な素材が採用されてきた。新作では、軽量で耐傷性に優れるセラミックスが新たに採用され、より際立つモダンスポーティデザインが構築されている。
https://www.webchronos.net/features/102646/
https://www.webchronos.net/features/112719/
https://www.webchronos.net/features/97122/