2024年3月に登場した、フルメタル5000の最新作「GMW-B5000D-2JF」を着用レビューする。各バリエーションによって魅力的な意匠を備える点や、手の届きやすい価格によって、「すでに持っているのに欲しい」と思わせられる本コレクション。新作が出る度に財布の紐を締めるのに苦労する。
Text & Photographs by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2024年4月22日公開記事]
G-SHOCK「GMW-B5000D-2JF」を着用!
2018年に“フルメタル”の5000シリーズとして、「GMW-B5000」が登場した。この18年というのは、G-SHOCK誕生35周年であった。この節目の年、“オリジン” とも称される初代G-SHOCK「DW-5000C」の意匠を受け継ぎつつ、外装にステンレススティールを使ったGMW-B5000が登場するやいなや、新たなる定番として人気を博していった。本シリーズがバリエーションを年々増やしていることからも、この人気のほどがうかがえるだろう。
自分も、18年の登場以来ロングセラーとなっている「GMW-B5000D-1JF」を購入した。自分自身にとっては、初めてのG-SHOCKでもあった。今も大切に使用している。そんな思い出補正もあってか、フルメタル5000の新作が出ると、ついつい調べてしまう。カシオ計算機のPR担当者によると、ケースやブレスレットは変わっていないとのことなので、新作はコスメティックチェンジの位置付けだ。しかし、時には再結晶化技術によってキラキラとした外装を備えた「リクリスタライズドシリーズ」を打ち出したり、IPによってボルドーカラーやイエローゴールドカラーなどの彩りを添えたモデルをリリースしたりと、本コレクションにはいつも心を躍らせるラインナップがそろっているのだ。そのバリエーション違いの数々をコレクションすることも楽しいだろうが、幸運なことに、『クロノス日本版』およびwebChronosの仕事に携わったことで、こういった新作バリエーションをインプレッションする機会を得ている。ちなみに昨年末は、レインボーカラーをまとった「GMW-B5000BPC-1JF」をインプレッションした。自分自身がインプレッションする必要はまったくないのに、ついつい手を出してしまう魅力が、フルメタル5000シリーズから放たれているのだ。今回も、2024年3月にリリースされた最新作のGMW-B5000D-2JFを、カシオ計算機の担当者がインプレッションに提案してくれたため、一も二もなく飛びついたというわけだ。
光発電クォーツ。SSケース(縦49.3×横43.2mm、厚さ13mm)。20気圧防水。8万4700円(税込み)。
そんな最新のGMW-B5000D-2JFを、レビューしていく。
ついつい集めたくなるバリエーション違い
2024年3月、フルメタルシリーズから、今回着用するGMW-B5000D-2JFと、「GM-B2100AD」が登場した。どちらも、蒸着処理によってメタリックなブルーが添えられていることが特徴だ。なお、この同時リリースされたGM-B2100ADのインプレッションも最近公開されたので、ぜひ読んでほしい。
今回着用レビューしたGMW-B5000D-2JFと同時リリースされたGM-B2100AD。文字盤が蒸着処理によるメタリックブルーを備えている。また、インデックスや小針にも蒸着を施すことで、メタルの質感を強調する。光発電クォーツ。SSケース(縦49.8×横44.4mm、厚さ12.8mm)。20気圧防水。8万8000円(税込み)。
さて、ついつい引かれる魅力を備えたGMW-B5000D-2JFを着用してみると、なじんだ重みとブレスレットを感じつつ、光源によって表情を変えるブルーを添えた液晶ディスプレイに楽しまされた。なお、ケースとブレスレットを所有しているGMW-B5000D-1JFと比べてみたところ、違いは見受けられなかった(コマ数が異なるのは、最近ダイエットが功を奏して、自分自身が痩せたため)。
スペックも従来品と同じであるため、所有機と大きな違いはないと言える。しかし、蒸着処理によるブルーの差し色が、手元で存在感を放ってくれるのであった。鮮やかに発色するさまは、フルメタル5000に特別感を添えている。ブルー文字盤は腕時計では定番となってきた色だが、デジタルウォッチではそう多くはないように思われる(そもそも、メタリックなケースとブレスレットにメタリックな液晶ディスプレイという組み合わせが珍しい)。決して派手ではないものの、こういったさりげない特別感を覚える意匠は、危険だ。なぜなら本作は、さりげないながら“メタリックブルー”という存在感を放つキャラクターを備えることと、税込み定価8万4700円という、手の届きやすい、つまり蒐集しやすい価格帯が相まって、“コレクターズアイテム”にしやすいG-SHOCKとなっているためだ。
ちなみに、GM-B2100ADと違って、ブルーがあしらわれている面積の少ない本作。そのため、広報画像ほどブルーが強くなく、あまり特筆するようなことのない意匠だったらどうしようといった懸念があった(すでにフルメタル5000はインプレッションしていたため、ディスプレイ以外に違いのないモデルをレビューするとなると、“違いを見つける”ことがまず大変であるため)。しかし本作は、広報画像通りの鮮やかな発色を備えており、眺めているのがとても楽しかった。ただし、前述の通り、光源によって暗く見えることはある。もっとも、太陽光などの強い光源下で液晶ディスプレイが見づらくなるといったことはなかった。また、LEDバックライトが付いており、暗所での判読性にも難はない。
重厚感たっぷりの外装
もちろんメタリックブルーのみならず、フルメタルG-SHOCKらしい、重厚感たっぷりの外装も本作の魅力だ。縦49.3×横43.2mmと、40mm前後の径の多い近年のメンズウォッチとしては、比較的大きいと言える。また、ステンレススティール製ということもあって、コマを外した状態(何コマ外したのかは失念してしまった)で重量は144gだった。樹脂ケースとは違った重厚感が備わっていると言える。
ケース、ブレスレットはポリッシュ仕上げとサテン仕上げがコンビネーションされており、ブレスレットはサテン仕上げの面積が、エンドピースはポリッシュ仕上げの面積が大きくなる。ポリッシュ面が、傷が付くとやや目立ちやすい。しかしG-SHOCKは、ガンガン日常で使うのが、そのキャラクターに適していると思う。自分だけの傷が付いたG-SHOCKは、愛着が湧くというものだ。
多機能がG-SHOCKの魅力を押し上げる
時分秒のみならず、たくさんの機能を備えていることも、G-SHOCKの魅力のひとつだろう。本作にも日本、北米、ヨーロッパ、中国の6カ所の標準電波に対応する電波時計「マルチバンド6」や、世界39タイムゾーンの時刻表示を行い、サマータイムも自動設定するワールドタイム機能やストップウォッチ機能、アラーム機能、フルオートカレンダー機能、12時間と24時間表示の切替機能などが搭載される。すべてをフルに活用するというわけではないものの、多機能というのはガジェット好きの心をくすぐるものだ。
従来、これらの機能はケースに取り付けられたプッシュボタンによって操作する必要があった。しかしフルメタル5000シリーズには、モバイルリンク/アプリ連携機能が搭載されている。対応携帯電話に専用アプリ「CASIO WATCHES」をダウンロードし、さらにBluetoothと連携することで、ワールドタイムやアラーム、時刻合わせの設定を行うことができるのだ。このインターフェースがかなり優秀で、普段スマートフォンを使用しているのであれば直感的に使うことができるだろう。プッシュボタンが少し押しづらいと感じていた自分にとっては、ありがたい機能だ。
初めてのG-SHOCKとしてもおすすめ!
2024年3月にリリースされた最新作GMW-B5000D-2JFを着用レビューした。
自分自身がすでに所有しているGMW-B5000D-1JFのバリエーション違いのレビューということもあり、コレクターズアイテムとして記すところもあったが、もちろん初めてのG-SHOCKとしてもおすすめだ。多機能性に加えて、20気圧防水というスペックや、フルメタルゆえの、経年変化にも強いタフな外装は扱いやすく、日常でのパートナーとしてもおすすめできるためだ。
今回発表された新作以外にも、さまざまなバリエーションが用意されているので、ぜひフルメタルシリーズからお気に入りの1本を見つけてほしい。
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