ジャーナリストをはじめ、時計業界の著名人たちに2024年に発表された時計からベスト5を選んでもらう企画。今回は『アホガール』や『カノジョも彼女』などアニメ化4作品の漫画家にして、時計沼にどっぷりハマってしまったヒロユキが、気になる時計を選出。「イチ時計好きとして、見てみたい時計、好きな時計」を軸にロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト」やパテック フィリップ「ワールドタイム」Ref.5330などを選んだ。
1位:ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト」全般
個人的に好きな36mmモデルに40mmのインデックスデザインが複数採用されるなど、文字盤の種類が大幅に増えました。僕の周りでもじわじわファンが増えているデイデイト。魅力的な文字盤が増えさらに人気が上がる予感。素材と文字盤の組み合わせで大きく印象が変わるので色々欲しくなります。どんな組み合わせが良いか考えるだけでも楽しいモデルです。
自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KYGケース(直径36mm、厚さ12mm)。100m防水。505万1200円(税込み)。
2位:A.ランゲ&ゾーネ「ダドグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」
てんこ盛り。なんでもかんでも足せば良いってものでもないだろう、と一瞬思うものの、画像だけでも圧倒される迫力と密度。異次元のかっこよさ。ルーメンのシリーズでは初の永久カレンダーのモデルなので前面に多くの歯車が見えるのも非常にメカメカしくて好きです。家に飾りたい。
手巻き(Cal.L952.4)。57石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約50時間。18Kハニーゴールドケース(直径41.5mm、厚さ14.6mm)。3気圧防水。世界限定50本。要価格問い合わせ。
3位:チューダー「ブラックベイ 58 GMT」
既存のGMTモデルからケースサイズがひと回り小さく、特にケースの厚みが1.8mmも薄くなったことに注目。200m防水と1万5000ガウスの耐磁性も相まって、世界中どこへでも気軽に連れて行けるオシャレな相棒候補としてかなり良い予感!
自動巻き(Cal.MT5450-U)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。SSケース(直径39mm、厚さ12.8mm)。200m防水。64万3500円(税込み)
4位:パテック フィリップ「ワールドタイム」Ref.5330
ぱっと見の印象で爽やかでかっこいいなと感じました。元々完成されてるワールドタイムのデザインが、スーツスタイルのみならず日常になじむ現代的なカジュアルデザインの雰囲気になりとても好み。デニム柄のベルトをパテック フィリップが作るというのもとても挑戦的。これを着けて晴れの日の公園を散歩したいです。
自動巻き(Cal.240 HU C)。37石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ11.57mm)。3気圧防水。1155万円(税込み)。
5位:ノモス グラスヒュッテ「タンジェント 38 デイト」
1カ月の間、日替わりで楽しめるように31種類出しました、という冗談みたいなモデル。友人とブティックに行って、31種類の中からどれが良いかワイワイと盛り上がって選べたらとても楽しいだろうな、と感じさせられます。デイトのフォントや窓の形を工夫することで文字盤のデザインとなじんでいるのも素敵。
手巻き(Cal.DUW4101)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径37.5mm、厚さ6.8mm)。30m防水。世界限定175本。38万5000円(税込み)。
総評
最初、各社の発表をざざっと見た時の印象としては、正直少しおとなしめな1年なのかな、と感じました。
でもそれは僕が1ユーザーで、ここ数年かなり頑張って時計のコレクションを増やし、結果お財布もだいぶ寂しくなった。そんな状態でさらにもう1本増やすかどうか、今のラインナップを変更してまで買いたい時計なのか。要は「今の自分が買うか・買わないか」という視点がどうしても強くなってしまっていて、それがそういった感想を産んでるような気がしました。
なのでそこは一旦頭の隅に置いといて、あくまでイチ時計好きとして、見てみたい時計、好きな時計、という感じで選んでみました。
そうするとやはり魅力的な時計はしっかりありますね。昨今時計の価格がかなり上昇している中でのチューダーやノモスといった100万円以下でほとんどのモデルが選べるブランドも惹かれますし、ロレックスはいよいよ全てのモデルが人気モデルと言えるのでは、と思わせるラインナップに。パテック フィリップはどんどん現代の生活に合う時計を増やして変化を続けているように感じますし、A.ランゲ&ゾーネの到底買えない芸術品のような超複雑時計も、見れるならそりゃあ見たいし、見れたらきっと楽しいし感動する。
そして調べていると、やっぱりどんどん欲しくなる笑 時計はやっぱり面白いな、と記事を書かせていただき改めて感じました。これからも楽しみです。
選者のプロフィール
漫画家。2004年に芳文社より『ドージンワーク』でデビュー。同作をはじめ、『マンガ家さんとアシスタントさんと』(スクウェア・エニックス)『アホガール』『カノジョも彼女』(ともに講談社)の計4作品がアニメ化されるなど、若者から絶大な支持を得る漫画家だ。近年、高級時計にどハマりし、ロレックスをはじめA.ランゲ&ゾーネ、リシャール・ミルなどを買い漁るようになり、自身を時計沼の住人と称すようになる。2023年にはこの体験をまとめたエッセイ『アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果5000万円の借金をつくった話』(ワニブックス)を刊行し、時計業界を騒つかせた。
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