販売価格100万円超の高級レディースウォッチより、5本の傑作を紹介する。今回ピックアップしたモデルは、いずれもステンレススティール製の外装を採用し、ダイヤモンドをセットしている。実用性と華やかさを両立させたこれらのモデルは、貴女の日常をさらに華やかに彩ってくれるはずだ。
Text by Tsubasa Nojima
[2024年4月27日公開記事]
各社がラインナップを拡充させる、女性用高級腕時計
これまでの高級腕時計は、圧倒的に男性用モデルが多かった。大ぶりに作ることが可能なメンズウォッチは、レディースウォッチに比べてケースの気密性を高めやすく、搭載するムーブメントの制約も少ない。また高級腕時計の多くは機械式であり、男性の方が機械式時計に興味を持ちやすいと考えられてきたこともあるだろう。
しかし、その流れは徐々に変わりつつある。時計製造技術の進歩はレディースウォッチに高い実用性をもたらし、女性が機械式時計を着用することも珍しくなくなってきた。さらに、メンズウォッチは小径化、レディースウォッチは大径化の傾向にあり、ユニセックスなサイズのモデルが多く登場し、シェアウォッチという考え方も一般化してきた。
今回は、そんな盛り上がりを見せるレディースウォッチの中でも、特に100万円以上の高級モデルに焦点を当てて紹介をしていきたい。エレガントなモデルからスポーティなモデルまで、いずれも日常に彩りを添えてくれる傑作だ。
パテック フィリップ「Twenty~4」Ref.4910/1200A-001
クォーツ(Cal.E15)。SSケース(縦30×横25.1mm、厚さ6.8mm)。3気圧防水。254万円(税込み)。(問)パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109
「Twenty~4」は、1999年に登場したパテック フィリップのレディースウォッチコレクションだ。ケースデザインはラウンド型とレクタンギュラー型が用意され、豊富なカラーダイアルがラインナップしている。
今回ピックアップしたのは、ステンレススティール製のレクタンギュラーケースを採用したモデルだ。ケースからシームレスにつながるブレスレットと煌びやかなダイヤモンドによって、アクセサリーのように着用することが可能である。わずかに湾曲したケースバックは、腕上での収まりの良さを発揮する。
実用性に優れている点も魅力だ。ソレイユ仕上げのブルーダイアルには、蓄光塗料が塗布されたゴールド製のインデックスと時分針が配され、高い視認性をもたらしている。防水性は、日常生活で必要十分な3気圧防水を備えており、デイリーユースにもふさわしい。
ムーブメントは、クォーツ式のCal.E15を搭載。機械式のように頻繁な時刻調整や主ゼンマイの巻上げを必要としないため、いつでもサッと取り出して使うことができる。
https://www.webchronos.net/features/88214/
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ オートマティック」Ref.4605V/200A-B971
自動巻き(Cal.1088/1)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径35mm、厚さ9.33mm)。15気圧防水。435万6000円(税込み)。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755
2023年に追加された、直径35mmのケースを有する「オーヴァーシーズ オートマティック」。ブランドを象徴するマルタ十字を想起させるベゼルには、合計90個のラウンドカットダイヤモンドがセットされ、ピンクカラーのダイアルを一層華やかに引き立てている。
機械式自動巻きムーブメントのCal.1088/1を搭載しており、シースルーバックを通して、コート・ド・ジュネーブが施された受けや22Kゴールド製のローターを鑑賞することが可能だ。
オーヴァーシーズは、旅をテーマとしたコレクションである。本作ではステンレススティールブレスレットの他に、レザーストラップとラバーストラップが付属しており、ワンタッチで付け替え可能なインターチェンジャブルシステムによって、旅先のあらゆるシーンに対応することができる。
10mmを下回るケース厚や15気圧防水も含め、使い勝手に優れたパッケージも魅力だ。ダイヤモンドをセットしない34.5mmケースモデルに加え、ケース素材やダイアルカラー等、複数のバリエーションが存在する。
https://www.webchronos.net/news/93315/
ショパール「アルパイン イーグル 33」Ref. 298617-3002
自動巻き(Cal.CHOPARD 09.01-C)。27石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径33mm)。50m防水。223万3000円(税込み)。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
1980年に発表されたスポーツウォッチ、「サンモリッツ」に着想を得て誕生した「アルパイン イーグル」。鷲の虹彩を想起させるサンバースト装飾を施したガルバニック加工のダイアルや、ブレスレット一体型ケースを特徴としている。
ノンデイト仕様のすっきりとしたダイアルは、アレッチブルーに彩られている。ローマ数字とバータイプを組み合わせたインデックスと、すっと伸びる針が上品な印象をもたらしている。ベゼルにはダイヤモンドがセットされ、手首を動かす度に輝く様子を楽しむことが可能だ。
ケースとブレスレットには、ルーセント スティール A223が採用されている。これは、リサイクル素材を多用しながらも抗アレルギー性や耐摩耗性、審美性に優れたショパール独自のステンレススティールだ。
ケースバックからは、コート・ド・ジュネーブ等の装飾が施された機械式自動巻きムーブメントを鑑賞することが可能だ。C.O.S.C.公認クロノメーターを取得しており、優れた精度を発揮する。
https://www.webchronos.net/features/105912/
オメガ「コンステレーション」Ref.131.28.36.20.53.001
自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。18KYG×SSケース(直径36mm、厚さ11.7mm)。5気圧防水。240万9000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087
エレガントなデザインが魅力のオメガ「コンステレーション」からは、36mmケースのコンビモデルをピックアップ。ベゼルやリュウズ、インデックス、ストラップとの接合部などに18Kイエローゴールドを採用し、さらにベゼルとインデックスにはダイヤモンドをセットすることで、煌びやかな印象に仕上げている。
ダイアルの6時位置には、高精度を象徴する星が配されている。星から広がるようにサンブラッシュ仕上げが施されたダイアルは、ブルーPVD仕上げと相まって夜空のような神秘的な雰囲気をまとっている。
サイドに爪があしらわれた特徴的なケースデザインは、1982年に登場した「コンステレーション マンハッタン」から続く意匠だ。ラグのないすっきりとしたフォルムは、さまざまなサイズの手首にもマッチしやすい。
METASによるマスタークロノメーター認定を取得したCal.8800は、ケースバックから鑑賞することが可能だ。高い耐磁性能を持ち、かつコーアクシャル脱進機を採用することでメンテナンスサイクルが長期化されている点も魅力である。
https://www.webchronos.net/features/109295/
ロレックス「デイトジャスト 31」Ref.278274
自動巻き(Cal.2236)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。18KWG×SSケース(直径31mm)。100m防水。オイスターブレスレット:148万1700円(税込み)。ジュビリーブレスレット:151万300円(税込み)。(問)日本ロレックス 03-3216-5671
豊富なバリエーションを擁するロレックスの「デイトジャスト」。今回は、31mmケースのモデルを紹介する。何と言っても本作の魅力は、アズーロブルーカラーのフローラルモチーフダイアルだろう。サンレイ、マット、グレインの異なる仕上げを使い分け、24個のダイヤモンドを散りばめたダイアルからは、同社の卓越したダイアル製造技術がうかがえる。
ダイアルの輝きを強調しているのが、ブランドを象徴する18Kホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルだ。シャープなエッジが光を反射し、腕元に華やかさを添える。
ケースとブレスレットには、耐食性に優れたオイスタースチールを採用する。ブレスレットは、スポーティなオイスターブレスレットと、エレガントなジュビリーブレスレットが用意されている。
搭載するムーブメントは、レディース用機械式自動巻きのCal.2236。シリコン製のシロキシ・ヘアスプリングやパラフレックスショック・アブソーバーを採用し、実用性にも優れている。
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https://www.webchronos.net/features/48367/
https://www.webchronos.net/features/114333/