時計好きのパワーカップル必見! 超高級ペアウォッチ5選

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2024.04.28

パートナー同士で「時計好き」のカップルや夫婦に向けて、超高級ペアウォッチを5モデル紹介する。特別な日を祝うメモリアルとして、あるいはパートナーへのプレゼントとして、ペアウォッチの購入を検討してみてはいかがだろうか。

佐藤しんいち:文
Text by Shin-ichi Sato
[2024年4月28日公開記事]


「時計好き」のカップルや夫婦に向けて、ペアウォッチを紹介

 今回の企画は、パートナー同士で時計好きのカップルや夫婦を対象に、ペアウォッチを提案する。いずれも、各ブランドの歴史や特徴的な技術を反映したモデルであり、完成度の高いものばかりだ。ふたりの人生とともに、長きに渡って時を刻んでくれる存在となるだろう。

 なお、レディースモデルとして、華やかなジェムストーン付きモデルをピックアップしている。一方、よりシンプルなモデルもラインナップされていることがほとんどであり、各位のユースシーンと照らし合わせて選択をしていただけると幸いである。


1755年創業のヴァシュロン・コンスタンタンのスポーティーモデル「オーヴァーシーズ・オートマティック」

 まず1組目は、ラグジュアリーかつスポーティーなスタイリングを持つヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・オートマティック」をピックアップ。紹介するのは2024年新作の18Kピンクゴールドケースに、落ち着いた色調のグリーンダイアルを組み合わせたモデルだ。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ グリーンダイアル

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・オートマティック」Ref.4520V/210R-B967
自動巻き(Cal.5100)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径41mm、厚さ10.69mm)。15気圧防水。866万8000円(税込み)。7月発売予定。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ グリーンダイアル

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・オートマティック」Ref.4605V/200R-B969
自動巻き(Cal.1088/1)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPGケース(直径35mm、厚さ9.33mm)。15気圧防水。831万6000円(税込み)。7月発売予定。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755

 1755年創業のヴァシュロン・コンスタンタンはコンプリケーション(複雑時計)をはじめとした卓越した技術を持つトップブランドのひとつであり、「オーヴァーシーズ」コレクションは同社のスポーツモデルを引き受けている。スポーツモデルとはいえ、ヴァシュロン・コンスタンタンの優れた外装の仕上げとエレガントなスタイリングを備えている。直径41mmのメンズモデルでは厚さ10.69mm、直径35mmのレディースモデルでは厚さ9.33mmと、それぞれ15気圧防水を備えながら薄手に仕立てられている点も、エレガントさにつながっている。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ グリーンダイアル

2024年にヴァシュロン・コンスタンタンから発表された「オーヴァーシーズ」コレクションの最新作。なお、本記事では「オーヴァーシーズ・オートマティック」を紹介するが、クロノグラフやデュアルタイムモデルもラインナップされている。

 ベゼルは、ヴァシュロン・コンスタンタンのシンボルであるマルタ十字をモチーフとしており、オーヴァーシーズのアイコンのひとつだ。今回紹介するレディースモデルには、このベゼルにダイヤモンドを配しており、ピンクゴールドの色調と相まって華やかな仕立てとなっている。また、ブレスレットがベゼルのデザインに呼応している点も特徴である。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ

本作にはメタルブレスレットのほか、グリーンのカーフレザーストラップとラバーストラップが付属しており、気分やコーディネートに合わせて付け替えが可能だ。

 ブレスレットは工具なしで付け替えができるインターチェンジャブルシステムが採用されており、付属するグリーンのカーフレザーストラップあるいはラバーストラップと、簡単に交換が可能だ。これらのコーディネートによって、よりドレッシーなスタイルや、スポーティーなスタイルと使い分けることができる点も魅力であろう。


天文台と星のモチーフは高精度の証! オメガ「コンステレーション」

 2組目に紹介するのが、オメガの歴史あるコレクション「コンステレーション」だ。

オメガ コンステレーション

オメガ「コンステレーション」Ref.131.63.41.21.01.001
自動巻き(Cal.8901)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KYG(直径41mm、厚さ13.5mm)。389万4000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

オメガ コンステレーション

オメガ「コンステレーション」Ref.131.58.34.20.61.001
自動巻き(Cal.8803)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。18Kセドナゴールド(直径34mm、厚さ11.7mm)。416万9000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

 1950年代より続くコンステレーションは、天文台を意味する名を持つコレクションだ。天体を精密に観測するためには、正確な時刻の管理が必須。そのため天文台と時間はつながりの深いものであり、かつては各地の天文台で時計の精度を競うコンクールが実施されていた。オメガは、1931年のジュネーブ天文台で行われた6つの試験のすべてで精度記録を打ち立てるなど輝かしい結果を残しており、この高精度であることのシンボルとして、ダイアルには天文台を想起させるスターを配し、ケースバックにはジュネーブ天文台を刻んだコンステレーションをラインナップしているのである。

ベゼル、ダイアルにダイヤモンドをあしらったコンステレーション。18Kセドナゴールド製ホルダーにダイヤモンドをセッティングしたインデックスは、6時位置から12時方向にかけて、徐々に大きくなる仕様だ。

 コンステレーションは、時代によってデザインを大きく変えてきたコレクションでもある。今回紹介するのは1980年代のモデルを祖としつつ、2000年代に確立されたデザインコードを備えるモデルだ。ラグを持たないシルエットと、ケースサイドからストラップへなだらかに続くラインが特徴で、3時および9時方向のベゼルに爪状の切り替えあるいは凹凸が与えられている点もデザインコードのひとつである。

2020年、コレクションに追加された41mm径ケースのモデル。サンブラッシュ仕上げのブラックダイアルが、洗練された印象をもたらす。

 搭載するムーブメントは、直径41mmのメンズモデルはCal.8901、直径34mmのレディースモデルはCal.8803で、ともに15,000ガウス以上の非常に高い耐磁性能と、規定された厳しい精度基準をクリアするマスター クロノメーター認定をうけたムーブメントである。とある実験では、同様のムーブメントを搭載したモデルを、極めて強い磁気を発生する医療用機器のMRIに入れても精度が悪化しなかったとのこと。医療機器をはじめとした、電子機器を扱う職場で働くカップルにも、好適なモデルと言えるだろう。


複雑機構を身近なものとした功績を持つIWCのドレスコレクション「ポートフィノ」

 3組目に紹介するのが、IWCの「ポートフィノ」だ。

IWC ポートフィノ

IWC「ポートフィノ・コンプリート・カレンダー」Ref.IW359002
自動巻き(Cal.32150)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KRGケース(直径41mm、厚さ11.7mm)。5気圧防水。289万3000円(税込み)。(問)IWC Tel.0120-05-1868

IWC ポートフィノ

IWC「ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ 37」Ref.IW659602
自動巻き(Cal.32800)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。18KRGケース(直径37.1mm、厚さ11.3mm)。5気圧防水。317万9000円(税込み)。

 1868年創業のIWCは、手工業的であったスイスの時計産業に、水力発電を活用した製造設備による量産手法を持ち込んで成功を収めた歴史を持つ。ラインナップは、パイロットウォッチの「マーク XX」や交易商人向けの高精度時計を祖とする「ポルトギーゼ」、高耐磁性能モデルの「インヂュニア」などと、どちらかというとツールウォッチや実用時計のイメージが強いブランドである。

 象徴的なモデルが、85年に開発された、4桁の西暦表示を備えて500年先まで調整不要なカレンダーおよび超高精度ムーンフェイズ表示等を備える「ダ・ヴィンチ パーペチュアル・カレンダー」である。このモデルの功績は、従来は繊細で取り扱いが難しかった複雑機構を、操作が簡単で実用的なものに昇華させたことで、複雑機構をより身近なものとすることに大きく貢献した。

IWC ポートフィノ

ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ 37のケースは径37.1mm、厚さ11.3mmと小さすぎず、ダイヤモンドの輝きと相まって、手元で存在感を放つだろう。

IWC ポートフィノ

ポリッシュ仕上げのケースが、往年のドレスウォッチをほうふつとさせる。今回は多機能モデルを選んだが、シンプルな3針モデルなどもラインナップされている。よりクラシカルな装いを好む読者は、そんなシンプルラインも参考にされたし。

 今回紹介するのは、そんなIWCのドレスウォッチコレクションに属するポートフィノの「ポートフィノ・オートマティック・ムーンフェイズ 37」と「ポートフィノ・コンプリート・カレンダー」である。前者は、新月から次の新月までの1周期を秒単位で管理することで高い精度を実現したムーンフェイズを備え、後者はムーンフェイズに加えて、月の日数が31日未満の場合に日付調整をすることで正しいカレンダー表示が可能なコンプリートカレンダーを備えるモデルだ。いずれも、IWCの歴史とつながる機構を有しつつ、シンプルでクラシカルなデザインにまとめられたモデルだ。


ロレックスの技術力を象徴するモデル「デイデイト」および「デイトジャスト」

 4組目に紹介するのは、高級時計として圧倒的な知名度を誇るロレックスだ。その中でも、貴金属モデルのみをラインナップする「デイデイト 40」と、ダイヤモンドがベゼルに配された「デイトジャスト 31」を取り上げる。

ロレックス デイデイト 40

ロレックス「デイデイト 40」Ref.228236
自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Ptケース(直径40mm)。100m防水。

ロレックス「デイトジャスト 31」Ref.278289RBR
自動巻き(Cal.2236)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。18KWGケース(直径31mm)。100m防水。

 現在のロレックスに対する高い評価の基盤となった技術は3つだ。「オイスターケース」、「パーペチュアル(自動巻き)」、「デイトジャスト機構」である。

 オイスターケースは高い防水・防塵性能を実現する、牡蠣の殻のように強固なケース構造である。その中に収められるムーブメントに採用されるのがパーペチュアルとデイトジャスト機構である。ロレックスは1931年に世界で初めて、360度の全回転式センターローターを備えた自動巻き機構、パーペチュアルを開発。この現代的かつ完成度の高い機構は、現在の自動巻き機構の原点である。

 そして最後のデイトジャスト機構は、かつての日付表示機構が時間をかけて切り替わることに対して、日付表示が一瞬のうちに切り替わる優位性を有する。3時位置に日付表示の小窓を配したことと併せてデイトジャストは高く評価され、パーペチュアルと同じく、現代腕時計のスタンダードのひとつとなった。

ロレックス デイデイト 40

ロレックスの技術力を象徴する機構に加えて、フルーテッドベゼルやプレジデントブレスレットなど、ロレックスらしさがそこかしこで感じられる意匠を備えている。

 紹介するのは、このいずれの技術も備えるモデルだ。デイデイトは貴金属製モデルのみが並ぶコレクションで、今回取り上げたRef.228236は、ロレックスではプラチナ製モデル以外には与えられないアイスブルーダイアルを備える点が特徴である。

デイトジャスト 31に搭載される自動巻きムーブメントCal.2236は「レディ デイトジャスト」にも搭載される。大径モデル用のムーブメントと同様に耐衝撃性や耐磁性能に優れるムーブメントだ。パワーリザーブは約50時間。

 レディースモデルとして取り上げるデイトジャスト 31は18Kホワイトゴールド製であり、ともに貴金属製でありながら100m防水と十分な性能を有する。

 デイデイトは直径40mmあるいは36mm、デイトジャストは41mm、36mm、31mm、そして「レディ デイトジャスト」の28mmと種々用意され、それぞれ多彩なダイアルデザインが並んでいる。統一されたデザインコードのもと、さまざまな選択肢が用意される点もロレックスの魅力となっている。


ブレゲによるドレスモデル「クラシック トゥールビヨン」

 ここまで高額なモデルを取り上げてきたが、さらに予算が許すカップルに向けてブレゲを候補に挙げておこう。

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン」Ref.5367BR/29/9WU

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン」Ref.5367BR/29/9WU
自動巻き(Cal.581)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。18KRGケース(直径41mm、厚さ7.45mm)。30m防水。2619万1000円(税込み)。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン」Ref.3358

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン」Ref.3358BB/VD/986/D0
自動巻き(Cal.187D)。21石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KWGケース(直径35mm、厚さ9.43mm)。30m防水。2411万2000円(税込み)。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211

 ブレゲは、「時計の歴史を2世紀早めた」とされる天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲが時計工房を構えたことを起源とするブランドである。ブレゲの功績は数多いが、特異な外観から知名度が高いのがトゥールビヨンだ。

 時計の心臓部にあたるテンプは、バネで吊り下げられた重りが往復運動を行う原理によって一定周期で作動している。より詳しく述べると、テンプはらせん状に巻かれたヒゲゼンマイによる往復運動を行っており、この往復運動を正確かつ安定して行わせることが時計の精度に関わっている。ヒゲゼンマイは複雑な形状を持つ。そのため時計の置かれる向きによって、重力がテンプやヒゲゼンマイに与える影響は異なる。このことを解決すべく考案されたのがトゥールビヨンだ。ヒゲゼンマイやテンワごと回転させることで重力の影響を分散させている。今日トゥールビヨンは本来の設計思想に加え、その優美な動きによって、複雑機構の代名詞となっている。

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン」Ref.5367BR/29/9WU

18KRGケースの「クラシック トゥールビヨン 5367」。優美なエナメルダイアルや青焼きされたブレゲ針も見事だが、ケース厚がわずか7.45mmに抑えられていることにも注目したい。

 今回紹介するのは、いずれもブレゲのシグネチャーであるトゥールビヨンを搭載したモデルである。

「クラシック トゥールビヨン」Ref.5367BR/29/9WUは、ケース径41mmの4時位置にトゥールビヨンを配し、ブレゲのクラシカルなデザインを継承するケースシェイプとエナメルダイアル、ブレゲ針とよばれる、月を思わせる円形のモチーフが与えられた針を有したモデルだ。

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン」Ref.3358

「クラシック トゥールビヨン 3358」は、マザー・オブ・パールダイアルを、まるで夜空のような深みのあるブルーで彩っている。本作も厚さ9.43mmと、トゥールビヨンを搭載しているにもかかわらず、薄型設計だ。

 ケース径35mmのクラシック トゥールビヨン Ref.3358BB/VD/986/D0は、ベゼルとトゥールビヨンを支えるブリッジにダイヤモンドを配し、ブルーに染めたマザーオブパールでダイアルを仕上げたモデルだ。ファンタジーの世界を思わせる“カワイイテイスト”は、ブレゲのレディースコレクションの特徴のひとつだ。


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