オメガ「スピードマスター プロフェッショナル」の魅力は? おすすめのモデルを紹介

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2024.06.18

オメガのコレクションの中でも、特に有名なのは「スピードマスター プロフェッショナル」だろう。ブランドの代名詞でもあるスピードマスターの基幹シリーズで、60年以上の歴史を持っている。他のスピードマスターとの違いや、歴代の有名モデルを押さえておこう。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル


オメガ「スピードマスター プロフェッショナル」とは

「スピードマスター プロフェッショナル」は、オメガを代表するコレクションとして知られるスピードマスターの基幹モデルだ。宇宙開発に貢献した歴史を持つ有名なシリーズであり、多くの時計好きから愛されている。まずは、シリーズの歴史を簡単に確認しておこう。


手巻き式クロノグラフの基幹モデル

スピードマスター プロフェッショナルは、オメガを代表するスピードマスターの基幹モデルとして、高い人気を誇っている。その存在感や高い機能性、実用的なデザインに加え、60年以上の歴史に価値を見いだしている時計愛好家も多い。

スピードマスターには数多くのモデルがあるが、プロフェッショナルはその起源であり、代表的なモデルとして広く認知されている。文字盤に「PROFESSIONAL」と記されたのは第4世代からだが、初代モデルは1957年にリリースされたものだ。

同年にはオメガを代表するプロフェッショナル向けタイムピース「シーマスター 300」と「レイルマスター」もリリースされており、そのひとつである当時のスピードマスターはこの当時、モータースポーツ用の時計として知られていた。


スポーツウォッチから「ムーンウォッチ」に

近年では、オリンピックのオフィシャルタイムキーパーとしても広く知られるオメガだが、一方では宇宙開発に貢献してきた歴史もある。そのきっかけとなったのは、初代スピードマスターからいくつかのマイナーチェンジを経て完成した、第2世代のモデルだ。

62年のマーキュリー計画で、宇宙飛行士であるウォルター・シラーがこのモデルを着用し、宇宙遊泳を実現した。また、66年にはアメリカ人として初の宇宙遊泳を実現したエド・ホワイトも、この時にスピードマスター(第3世代)を着用していた。こういった実例によって、宇宙の過酷な環境に耐えた事実は広く知られることとなり、後にスピードマスターは、正式に有人宇宙飛行や船外活動用の装備として採用されることになる。

さらに後のモデルでも、宇宙のイメージを強く印象付けるエピソードが多くあり、スポーツウォッチから「ムーンウォッチ」としての地位を確立するに至っている。


「スピードマスター プロフェッショナル」の世代別代表モデル

スピードマスター プロフェッショナルの代表的なモデルを、世代別に確認していこう。現行モデルは第8世代に分類されるが、ここでは初代モデルから第7世代の有名モデルまでを簡単に解説する。いずれも、オメガの歴史を知る上で欠かせないものだ。


【第1世代】オメガ「スピードマスター Ref.CK2915-1」

モータースポーツ用の時計としてリリースされた、第1世代のスピードマスター。当時のモデルは希少であり、オークションにおいては高値で取引されることもある。ベゼルにタキメータースケールを実装した初めてのクロノグラフとして有名だ。

同年にリリースされたダイバーズウォッチ「シーマスター 300」や、鉄道時計の「レイルマスター」とともに、ブランドの歴史を語る上で欠かせないモデルといえるだろう。2013年には復刻版(スピードマスター '57)がリリースされ、その後も記念モデルが何度も登場している。

オメガ スピードマスター

1957年に登場した初代「スピードマスター Ref.CK2915」。もともとこのモデルはプロフェッショナルのレーシングドライバー向けに製作された。


【第2世代】オメガ「スピードマスター Ref.CK2998」

初代のスピードマスターをマイナーチェンジした第2世代の代表的なモデルで、1959年にリリースされた。現行モデルに至るスピードマスターの基礎を作り上げたモデルであり、初代とは針の形やベゼルの色などが変わっている。

こちらも2018年に、オリジナルから着想を得たモデル(Ref.311.32.40.30.02.001)が、2998本限定でリリースされた。

オメガ スピードマスター

1959年に発表された第2世代のCK2998。基本的なスペックはCK2915を踏襲しつつも、ブラックのアルミ製ベゼルや針の形状が変更され、以降のスピードマスターの原型となるデザインを完成させた。


【第3世代】オメガ「スピードマスター Ref.ST105.003」

宇宙飛行士のウォルター・シラーによって、第2世代モデルが宇宙デビューを果たすと、続く第3世代はNASAの公式テストを受け、見事に合格した。この第3世代では、ギリシャ語で「1番」を意味するアルファ針から、ひし形で先端の尖った白色のバトン針に変更された。

1964年にリリースされたオリジナルモデルは非常に希少であり、状態の良いものは年々減っている状況にある。市場で見かけることがあれば、ぜひチェックしておきたい。

オメガ スピードマスター

1962年から64年にかけて製造されたST105.002の後継機として、64年に発表されたのがST105.003。このモデルは69年まで製造されたが、この間、リファレンスがST145.003に変更されている。


【第4世代】オメガ「スピードマスター Ref.ST145.012」

多くの人々が知るスピードマスター プロフェッショナルの原型ができたのは、第4世代のモデルである。67〜69年頃にリリースされた第4世代のスピードマスターは、NASAの公式装備品に正式採用されたことで有名だ。

第4世代モデルは文字盤に初めて「PROFESSIONAL」の表記が入っただけではなく、プッシャー(押しボタン)が大型化され、左右非対称のケースになっているのも特徴。スピードマスターといえば、この第4世代モデルを真っ先に思い浮かべる時計愛好家も少なくない。

オメガ スピードマスター

3時側にリュウズガードを備えた初のモデルが、1964年から68年にかけて製造された第4世代のST105.012。リファレンスは67年よりST145.012に変更された。


【第5世代】オメガ「スピードマスター プロフェッショナル Ref.145.022」

69年ごろから、最終的に約20年にもわたって製造された、スピードマスター プロフェッショナルの第5世代。第4世代と外観は大きく変わるところはないものの、ムーブメントを前世代までのCal.321からCal.861へと変更し、造りをシンプルにしている。

アポロ11号が人類初の月面着陸に成功したのは、69年のこと。実際に宇宙飛行士が月面着陸の時に着用していたのは第4世代のモデルであるが、アポロ11号のエピソードも相まって、この時代、スピードマスター プロフェッショナルは名実ともに「ムーンウォッチ」としての地位を、確固たるものにした。


【第6世代】オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ Ref.3570.50.00」

第5世代の登場から、約30年の時を経てリリースされた第6世代のスピードマスター。ムーブメントをCal.861からロジウムメッキ仕様のCal.1861に変更している。月面着陸の際に携行されたモデルの後継機として、本格的に「ムーンウォッチ」を名乗って人気を博した。

ムーブメント以外では、第5世代から大きく変わってはいないものの、夜光塗料をトリチウムからルミノバに変更するなど、細かい部分でマイナーチェンジを繰り返している。

オメガ スピードマスター

Cal.1861を搭載した第6世代のRef.3570.50。1996年の発表時は夜光塗料にトリチウムを用いていたが、翌97年からはルミノバに変更されている。


【第7世代】オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル Ref.311.30.42.30.01.005」

リファレンス番号が「311.30.42.30.01.005」と「311.30.42.30.01.006」の2種類が第7世代に当たり、基本的には第4世代からのデザインを引き継いでいる。

歴代モデルの中でも堅牢なブレスレットが特徴で、外装の質も向上しており、付属品なども豪華だ。末尾が「005」のモデルはソリッドバック仕様のプレキシガラス風防で、「006」はシースルーバック仕様のサファイアクリスタル風防といった違いがある。

オメガ スピードマスター

第6世代の仕様を継承しながら2014年に発表されたのが、第7世代となるRef.311.30.42.30.01.005。Cal.1861を搭載し、ケースバックにはムーンウォッチを称える刻印が施される。


他の「スピードマスター」シリーズとの違いは?

すでに説明したように、スピードマスター プロフェッショナルは、スピードマスターの基幹モデルとして広く知られている。

宇宙開発を支援した歴史をはじめ、スピードマスター プロフェッショナルは、他のシリーズとはさまざまな違いがある。

代表的な違いとして、レマニア製の手巻きクロノグラフを搭載している点を挙げる人は多いだろう。機械式時計の主流はすでに自動巻きであるが、スピードマスター プロフェッショナルは手巻き式ムーブメントの搭載を貫いている。

また過去の世代において、Cal.321やCal.861など、当時の画期的なムーブメントを搭載していた点も、特筆すべきだろう。世代を経るごとに性能が高くなっており、高精度を維持できる仕組みをつくり上げているのが特徴だ。


「スピードマスター プロフェッショナル」のおすすめ現行モデル

上記のように、スピードマスター プロフェッショナルの現行モデルは第8世代であり、2021年から発売されている。

第7世代とはブレスレットのデザインや、新たなムーブメントの搭載といった違いがあり、耐磁性能などの面も強化されている。ここでは、現行のおすすめモデルを確認していこう。


オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.01.001

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.01.001
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。107万8000円(税込み)。

第8世代の特徴である、新ムーブメントCal.3861を搭載した代表的なモデル。オメガ独自の脱進機構であるコーアクシャル エスケープメント(コーアクシャル脱進機)を組み込んでおり、高い精度と伝達効率を有している。

さらに、耐磁性に優れたシリコン製ヒゲゼンマイを搭載しており、マスタークロノメーターも取得済みだ。段付きの文字盤(ステップダイアル)を採用し、視認性を高めている点にも注目しよう。


オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.01.002

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.01.002
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。123万2000円(税込み)。

無反射コーティングを施した、サファイアクリスタル製の風防が特徴のモデルで、こちらも高い精度とパフォーマンスを備えたCal.3861を搭載。1万5000ガウスの耐磁性能を有しており、スピードマスター第4世代に象徴される、左右非対称のケースを継承している。

タキメーターは初代スピードマスターを再現しており、裏蓋は一部にサファイアクリスタルガラスを用いた、スケルトン仕様(シースルー)となっているのが特徴だ。


オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.04.001

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.04.001
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。125万4000円(税込み)。

ホワイトラッカー仕上げの文字盤が印象的な24年発表のレギュラーモデル。ブラックに着色されたインデックスやベゼルなどのディテールと、艶のあるラッカー仕上げのコントラストが印象的だ。ムーンウォッチのステップダイアルでは初めての試みであり、赤字の「Speedmaster」の表現が良いアクセントになっている。

これは、宇宙船の船長の階級を表した赤い線や、急激な気温の変化に耐える時計を開発するアラスカプロジェクトIに由来するものだ。クロノグラフ秒針の先端にも赤色が添えられている。


進化し続けるスピードマスター プロフェッショナル

ブランドを代表するシリーズである、オメガのスピードマスター プロフェッショナルは、1957年の初代モデルのリリース以来、数々の名作が登場してきた。

いまや「ムーンウォッチ」として確固たる地位を築いており、手巻き式腕時計を愛する人にとっては、必ずチェックするシリーズといっても過言ではないだろう。

復刻モデルや限定モデルも多く、精度や耐久性が強化されている。今後も新たなモデルが登場する可能性も高いので、定期的にチェックしておこう。


Contact info: オメガ Tel.0570-000087
参考サイト:https://www.omegawatches.jp/


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