ロレックスのアイスブルー文字盤。その特徴と現行モデルを紹介

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2024.05.30

近年、アイスブルー文字盤は、時計のトレンドとなっている。そんな中でロレックスのアイスブルー文字盤が気になっているユーザーは多いだろう。とはいえ、その価格の高さに驚かされることもあるのではないだろうか。本記事では、ロレックスのアイスブルー文字盤について紹介する。その魅力や価格の理由、バリエーションを理解しよう。


ロレックスのアイスブルー文字盤とは?

強い存在感を放つロレックスのアイスブルー文字盤モデルだが、販売価格はかなり高い。なぜなら、アイスブルー文字盤に対してロレックスは、妥協のないウォッチメイキングの姿勢の下、高いコストをかけて製造しているためだ。


トレンドカラーとして人気

ロレックスのアイスブルーのように爽やかな青は、2020年頃から文字盤カラーのトレンドとなっている。色味の微妙な違いこそあれ、ロレックス以外のブランドからも、こういった淡いブルーカラーの文字盤が展開されている。

文字盤カラーにアイスブルーをいち早く採用したブランドのひとつは、ロレックスだ。13年にリリースされた「コスモグラフ デイトナ」である。その後、ロレックスは20年に、「オイスター パーペチュアル 41」でターコイズブルーモデルを発表している。

なお、21年にはパテック フィリップが「ノーチラス」でティファニーブルー文字盤を備えたモデルをリリースした。ティファニーとのパートナーシップ170周年を記念した、世界限定170本生産の稀少なモデルだ。

有名ブランドが20年から立て続けに発表したこれらのモデルが火付け役となり、アイスブルーは人気の文字盤カラーとなった。

このトレンドの背景にあるのは、時計製造技術の向上である。各ブランドが時計に鮮やかな色味や高い質感を与えやすくなったため、文字盤を含む外装において表現の幅がより広がっているのだ。


ロレックスではプラチナモデルにのみ採用されるダイアルカラー

ロレックスではアイスブルー文字盤を採用するモデルは、必ず外装素材にプラチナを用いている。プラチナは非常に稀少性が高い金属であるため、ロレックスのアイスブルー文字盤も値段が高くなっているのだ。

プラチナは耐食性が高く、美しい輝きを有する半面、稀少性が高い。そんな特別感あふれる素材に洗練された技術力を反映させることで、ロレックスはプラチナ製モデル、そしてアイスブルー文字盤モデルに、別格の表情を与えているのだ。


高級感のある文字盤仕上げ

ロレックス デイデイト 40

「デイデイト 40」の文字盤。アイスブルーカラーとともに、磨かれたインデックスや時分針も、優美な意匠にひと役買っている。

ロレックスのアイスブルー文字盤が持つ特徴のひとつに、高級感のある文字盤仕上げが備わっていることが挙げられる。例えば「コスモグラフ デイトナ」や「デイデイト 40」に見られる、文字盤から上品に放射された光が特徴のサンレイ仕上げは、唯一無二の存在感を演出している。中心から外側に向けて作られた放射状の溝は緻密で、こういった仕上げを見ると、ロレックスのウォッチメイキングの姿勢がどのようなものなのか、うかがえる。

サンレイ仕上げが施された文字盤は、それぞれの溝に沿って光が均一に拡散される。見る角度により光の反射が変化するほか、光の加減により色味や質感も変わる。

アイスブルーは白い輝きを放つプラチナとの相性も良い。時計の魅力がより引き立てられているのだ。


他のブルー文字盤との違い

ロレックスのアイスブルー文字盤には、PVDによるコーティングがなされている。PVDとは硬質皮膜を金属に蒸着させる手法であり、PVDが施された文字盤は美しい光沢を放つ。

PVDは極めて薄い皮膜を蒸着させることから、サンレイやギヨシェなどの仕上げと相性が良い。膜が硬く丈夫であるため、スポーツウォッチなどの外装にもよく使われている。

なお、ロレックス時計ではアイスブルーのほかにも、ターコイズブルー、ブライトブルー、ロイヤルブルー、ミッドナイトブルーといったブルー系のカラーが使われている。

こういったカラーはアイスブルーと異なり、深みのあるブルーであり、ステンレススティールや18Kゴールドと組み合わされることが多い。ロレックスのブルー文字盤モデルは、単に色味が違うだけでなく、それぞれのカラーに最適な素材が選ばれているのである。


ロレックス アイスブルー文字盤のおすすめモデル

ロレックスの現行コレクションの中から、アイスブルー文字盤を採用したおすすめモデルを紹介する。それぞれの特徴や魅力をチェックし、購入を検討する際の参考にしてほしい。


ロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」

ロレックス デイトナ 126506

ロレックス「オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ」Ref.126506
自動巻き(Cal.4131)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ptケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。

ロレックスはコスモグラフ デイトナの誕生60周年にあたる2023年に、コレクションを刷新した。このタイミングで発表されたモデルのひとつが、Ref.126506である。

プロフェッショナルウォッチとしては初のトランスパレント式のケースバックを採用し、自社製自動巻きムーブメントCal.4131を、ケースバック側から観賞できるようになった。

プラチナ専用のアイスブルー文字盤に合わせる形で、セラクロムベゼルのカラーにはチェスナットブラウンが採用されている。

さらにこのアイスブルー文字盤には、18Kゴールド製インデックスと針が備わっている。暗所での視認性を確保するため、蓄光塗料であるルミネッセンス素材を採用したクロマライトディスプレイとなっており、高級感のみならず実用時計としての実力も感じさせるディテールだ。なお、Ref.126506には、インデックスにダイヤモンドがセッティングされたモデルも用意されている。


ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」Ref.228236
自動巻き(Cal.3255)。パワーリザーブ約70時間。Ptケース(直径40mm)。100m防水。

2022年、ロレックスの新しいアイスブルー文字盤のモデルが誕生した。「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」Ref.228236だ。

連続した山型のカットが印象的なフルーテッドベゼルは、ロレックスを象徴するディテールのひとつだ。ロレックスはRef.228236で、ブランド初となるプラチナ製のフルーテッドベゼルを採用した。

また、本作で使われているプレジデントブレスレットは、見た目に気品の高さを感じさせることに加えて、快適な装着感を提供する。なお、“プレジデント”ブレスレットという名称は、デイデイト誕生時に当時のアメリカ大統領アイゼンハワーに送られたことが名前の由来といった説も存在する。

搭載する自動巻きムーブメントCal.3255についても押さえておこう。2015年以降、デイデイトに搭載されている新世代ムーブメントで、高効率なクロナジー エスケープメントによって備わった約70時間のパワーリザーブ、磁気や衝撃に強いブルー パラクロム・ヘアスプリング、耐久性を増す自動巻きのボールベアリングを有しており、ロレックスの実用性をいっそう高めることに貢献している。

なお、Ref.228236のアイスブルー文字盤のラインナップには、バーインデックスやダイヤモンドインデックスのモデルも存在する。


ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」

ロレックス オイスター パーペチュアル デイデイト 40

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」Ref.228396TBR
自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。Ptケース(直径40mm)。100m防水。

ロレックスのデイデイト 40から、おすすめのアイスブルー文字盤モデルをもうひとつ紹介する。ベゼルに隙間なくセッティングされたダイヤモンドが特徴的な1本だ。時計の美しさをより引き立てるべく、職人が手作業で丁寧にダイヤモンドをセットしている。

搭載されている自動巻きムーブメントCal.3255は、前述した通り、優れた耐磁性や耐衝撃性、実用的なパワーリザーブ約70時間を誇る。同じくアイスブルー文字盤としてラインナップされている、ローマンインデックス、ダイヤモンドインデックスのモデルもチェックしておこう。


ロレックス「パーペチュアル1908」

パーペチュアル1908は、2023年にチェリーニに置き換わる形でラインナップに新しく追加されたドレスラインだ。ロレックスというブランドが誕生した“1908”の年をコレクション名に採用している。

チェリーニと同様、クラシックかつシンプルな表情を特徴に持つ。Ref.52506のアイスブルー文字盤には、デイトナやデイデイト 40とは異なり、ライスグレインモチーフのギヨシェ装飾が施されることも特徴だ。

ケースのポリッシュ仕上げやドームとフルーテッド装飾を組み合わせたベゼル、そしてケースバックにもあしらわれたフルーティング装飾が、ドレッシーな本作に存在感を与えている。

また、ケースバックはトランスパレント式。本コレクションの登場に合わせて発表された自動巻きムーブメントCal.7140の、精緻な意匠を堪能できる。

ロレックス「パーペチュアル1908」Ref.52506
自動巻き(Cal.7140)。パワーリザーブ約66時間。Ptケース(直径39mm)。5気圧防水。


ロレックスのアイスブルー文字盤モデルを手に取ろう

プラチナを使用したロレックスのアイスブルー文字盤モデルは、高級感あふれる上品な美しさが特徴的な時計である。プラチナは稀少性が高いことに加えて、各モデルがコストをかけて作られており、決して大量生産はされていない。そのため、価格はどうしても高くなってくる。

とはいえ美観も実用性も優れており、一生モノの1本となるに違いない。ぜひ一度、ロレックスのアイスブルー文字盤モデルを手に取ってみてほしい。


2024年のロレックス新作時計を一気読み!

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