ローマ発のラグジュアリーブランドのブルガリ。ブルガリがアイウェアを手掛けると、こうも美しくなる! 伝統的なアビエータータイプを超越するモダンな「オクト フィニッシモ」や大胆かつ優雅な魅力の「セルペンティ フォーエバー」に今春注目してほしい。
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
[クロノス日本版 2024年5月号掲載記事]
自由な想像力に満ちた美しすぎるアイウェア
(下)ブルガリ「オクト フィニッシモ」(Ref.904294)。同名のタイムピースからインスピレーションを得てデザインされている。パイロットシェイプのチタン製フレームを採用。軽量で快適な掛け心地を実現した。UVA/UVB100%カット。フレームサイズ/134mm。イタリア製。14万6300円(税込)。
誕生からわずか10年でアイコニックな存在になったブルガリのタイムピース「オクト フィニッシモ」(2014年初出)。ラウンドとオクタゴン(八角形)を組み合わせたモダンなケースデザインは、時代を超越し、洗練と力強さを併せ持つ稀有な存在だ。今回おすすめしたいのがそんなブルガリのアイウェアだ。2024年春夏メンズアイウェアコレクションからは大胆でモダンな「ビー・ゼロワン」や「オクト フィニッシモ」など気になるモデルがそろっているが、なかでもおすすめは「オクト フィニッシモ」だ。同名のウォッチからインスピレーションを得たアイウェアは、「オクト フィニッシモ」のケース形状から発想した特徴的なデザインをポイントとする。
サングラスのカテゴリーに当てはめると、いわゆるアビエーター型なのだが、角型を取り入れたブリッジやヨロイ(眼鏡の両端にある角)をはじめ、チタン製の立体的かつスリムなシェイプによってクラシックさは排除され、モダンで美しいアイウェアに仕上がっている。ジュエリーやウォッチの世界で長年にわたって培われてきたデザインセンスが、制限の多いアイウェアでも十分に活かされているのだ。
さて、メンズのアイウェアに劣らず美しいのがレディースのコレクションだ。ここに紹介するのは「セルぺンティ フォーエバー」。「セルぺンティ」(イタリア語で蛇の意味)という名前を聞いてブルガリ好きならすぐにわかるはず。ブランドのアイコニックな時計やジュエリー、バッグからインスピレーションを得たアイウェアなのだ。バッグのクロージャーに用いられているスネークヘッドがアイウェアの蝶番の側面に採用されている。
セルぺンティ誕生の歴史は古く、ブルガリは1948年にジュエリーウォッチを手掛けている。そういえば昨年末、ブルガリ銀座タワーが巨大なセルぺンティに覆われていたのを目にした。何とも幻想的な光景は、古代から続く神秘と叡智のシンボルとして輝いていた。モダンに徹したメンズの「オクト フィニッシモ」、伝統の意匠を現在に映すレディースの「セルぺンティ フォーエバー」。ぜひペアで着けてもらいたい。
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