2024年、エルメスは「スリム ドゥ エルメス」コレクションに、シルクスカーフ「カレ」の“Le Sacre des Saisons(四季の祭典)”シリーズから着想を得た、四季を表現する4つのモデルを加えた。パイヨンエナメルやエングレービング、細密画といった技法が用いられ、直径39.5mmのケースの中で職人技を存分に堪能することができる。いずれも世界で12本ずつの限定モデルだ。
[2024年5月23日公開記事]
“四季の祭典”がテーマのシルクスカーフから着想を得た、春夏秋冬を描く4モデル
2024年はじめ、エルメスの展開する腕時計コレクション「スリム ドゥ エルメス」から、優れた職人技を堪能できる4つのモデルが登場した。
エルメスのシルクスカーフ「カレ」のシリーズのひとつである「Le Sacre des Saisons(四季の祭典)」から着想を得て、四季を表現する4匹の動物が、それぞれの文字盤上にアーティスティックなタッチで描かれている。
スリム ドゥ エルメスは、滑らかなラインを持つ比較的新しいモデルだ。2015年に、時計部門のクリエイティブディレクター、フィリップ・デロタルによってデザインされた。今回紹介する新モデルでは、シルクスカーフの“Le Sacre des Saisons”のうち、アーティストのピエール・マリーによって描かれたデザインが、大胆かつ軽快にアレンジされている。
4つのモデルは、それぞれ動物が描かれている。春は花々が散りばめられた衣装をまとう馬、夏は太陽の冠をかぶったライオン、秋は葉っぱの翼を広げた鷲、冬は氷の冠をかぶった狼だ。それぞれの動物が季節を表し、フランス人デザイナーの描く物語の世界とバロック調のファンタジーを体現している。
17世紀から20世紀の、フランスとロシアのバレエ衣装からインスピレーションを得たモチーフの豊かさには、自然の美しさと時の奥深さが反映されている。
精巧に描かれた文字盤の面妖な動物たちは、職人たちによるユニークで貴重な技術を示している。
冬をモチーフにしたモデルでは、52個のバゲットダイヤモンドをセットしたホワイトゴールド製ケースの中に、パイヨンという装飾技法で氷の狼が描かれている。この緻密な技法は、金箔または銀箔をエナメルの間に挟み込むことで光と透明感を表現し、浮き彫りの効果を生み出す。
春をモチーフにしたモデルでは、66個のダイヤモンドが配されたローズゴールド製のケースが用いられている。天然石であるレモンクリソプレーズの文字盤に、何層にもマイクロペイントを施す辛抱強い作業によって、咲き誇る花々に飾られた馬の細密画が生み出されている。
夏をモチーフにしたモデルは、サファイアのエングレービングと文字盤の裏側からの描画でライオンが描かれている。このプロセスにより、文字盤に深みと輝きが与えられ、66個のダイヤモンドがセットされたホワイトゴールド製のケースを際立たせている。
そして秋は、伝統的なノミを使って彫られたゴールドのレリーフによって表現される。手仕上げが生み出す立体感によって、華麗に羽ばたく鷲の姿が上質なホワイトゴールド製ケースに収められている。
これら4モデルはいずれも直径39.5mmで、30mの防水性能を備える。ケース内部には、約48時間のパワーリザーブを備えた、薄型の自社製自動巻きムーブメントCal.H1950が搭載されている。
それぞれ12本のみの限定モデルであり、ストラップにはエルメスの革細工のノウハウに基づいて製作された、マットまたはスムースなアリゲーターストラップが付属する。
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