草彅剛の一番のお気に入りは、ロレックスのエクスプローラーⅠ！ビンテージモデルを愛用！

2024.05.26

さまざまなジャンルの有名人が愛用する時計に着目して紹介する「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は元SMAPのメンバーであり、高い演技力で多くの監督、俳優からも愛される草彅剛が愛用するロレックスの腕時計に着目した。

沼本有佳子：文
Text by Yukaco Numamoto
［2024年5月26日掲載記事］

俳優として高い演技力が評価される草彅剛

草彅剛のYouTubeチャンネル「ユーチューバー草彅チャンネル」に2019年11月23日に投稿された、「【初公開】草彅剛のアクセサリーBOXの中身お見せします！」。これまでに88万9000回近く視聴され、約4年前に投稿された動画でありながら、ファンからは今もコメントが寄せられている。

　俳優のほか、テレビCM、歌手、司会者と幅広い活躍を見せている草彅剛は、愛媛県で生まれ、埼玉県春日部市で育った。1987年、中学1年のときにジャニーズ事務所へ入所し、1988年に結成されたSMAPの一員として活躍を重ねていった。人一倍努力家で、真面目な性格が多くのファンだけでなく、共演者を魅了しており、特に劇作家のつかこうへいから「大天才」と評価されている。つかこうへいは演出において俳優に多数の注文を出すことで知られているが、草彅剛には1度も演技に注文をつけていないそうだ。

　草彅剛は1997年にテレビドラマ「いいひと。」で主演男優賞を受賞したほか、「僕の生きる道」「銭の戦争」「任侠ヘルパー」などに出演し、多彩な演技が評価されている。映画「ミッドナイトスワン」では第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、第63回ブルーリボン賞主演男優賞、第30回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞している。

　そして現在公開中の最新作が、清原果耶と親子を演じる時代劇映画「碁盤斬り」である。白石和彌監督の作品では珍しいG指定（年齢にかかわらず誰もが観ることができる映画）であり、「これまでで最も観やすい白石和彌監督作品」とも言われている。「ミッドナイトスワン」以来4年ぶりとなる草彅剛の主演作品である。

　演技の他にも多彩な特技があることで知られている草彅剛。例えば、アクロバットやアクションも得意とし、通常であればスタントを使う域のシーンも自身で演じている。「任侠ヘルパー」のアクションシーンはすべて草彅剛本人が行っている。戦国時代の猛将を演じた「BALLAD 名もなき恋のうた」では、氷点下8℃の山中で素足にわらじを履き、約10kgの甲冑を着用したままアクションシーンの撮影を行ったそうだ。乗馬や殺陣の特訓も、撮影の合間を縫って重ねている。隠れたところで努力し、それを決してアピールしないというのが草彅剛の性格だ。

草彅剛の愛用時計はロレックス「オイスターパーペチュアルエクスプローラー」

ユーチューバー草彅チャンネルの「【初公開】草彅剛のアクセサリーBOXの中身お見せします！」（https://youtu.be/HLUkOj0p1Do）で、お気に入りの時計として紹介される草彅剛愛用のロレックス「オイスターパーペチュアルエクスプローラー」。

　草彅剛のYouTubeチャンネル「ユーチューバー草彅チャンネル」で2019年に投稿された動画では、愛用アクセサリーを紹介する中で、ロレックスの「オイスターパーペチュアルエクスプローラー」がお気に入りの時計として紹介されていた。おそらく「エクスプローラーⅠ」として知られる第3世代のRef.1016ではないかと考えられる。1963年に登場し、1988年まで製造されたモデルである。本モデルの前モデルRef.6610からの変更点は、初期型を除いて外周のサークルラインがなく、エナメル調からマットブラックに変更となり、インデックスの色がゴールドからホワイトになっている点である。

　草彅剛が愛用しているモデルは動画で観る限り、風防部分に丸みのあるドーム型であることが確認できる。フラットタイプの風防に代わったのは1980年以降であるため、初期型～後期型の前半に作られたものであると思われる。

　エクスプローラーⅠのイメージやデザインコンセプトを確立したモデルともいえるRef.1016は、ヴィンテージモデルを探す愛好家の中でも人気が高い。搭載されるムーブメントはCal.1560、Cal.1570（ハック機能付き）である。Cal.1570はCal.1530のクロノメーター仕様のムーブメントであり、1960年代半ばから1980年代後半までの長期にわたり製造され、精度と耐久性のバランスが取れたムーブメントとして高い評価を得ている。Cal.1530との違いとしては、精度調整が緩急針からロレックス独自のマイクロステラスクリューによるフリースプラング方式に変更されている点だ。リバーシングギアにも改良が加わり、巻き上げ効率が向上している。1970年代に入ると、ハック機能（リュウズを引っ張ると秒針がストップする機能）が搭載されるようになり、より正確な時刻合わせが可能となった。Cal.1570はハック機能の有無によって前期型と後期型に分類される。

　草彅剛が動画の中で「今でもよく着用する」と言っていたお気に入りのエクスプローラーⅠはブラックダイアルで、針とインデックスの蓄光塗料が経年変化し、よりヴィンテージ風味が強くなっている。また、3時、6時、9時のみアラビア数字で表記されているため、ミリタリーテイストを感じることができる。ベストジーニストとして殿堂入りしている草彅剛のワードローブのテイストにもしっくりと馴染むため、「特に気に入っている」というのも納得だ。