グルーベル・フォルセイ 唯一無二の空間で手にする、特別な芸術作品

2024.06.06

2024年4月、グルーベル・フォルセイは東京・銀座にブランド初となるブティックをオープンさせた。そこはブランドが掲げる“ART of INVENTION”(発明の芸術)のコンセプトを体現したかのような、個性あふれる空間。芸術作品とも呼ぶべき稀少なタイムピースの実物やブティックの内外装に施された意匠を通じて高度なウォッチメイキングの世界をのぞかせてくれる。

ダブルバランシエール コンヴェクス カーボン YOSHIDAスペシャルモデル

ダブルバランシエール コンヴェクス カーボン YOSHIDAスペシャルモデル
30度に傾けたふたつのテンプを連結するディファレンシャル機構で誤差を半分にするブランド6番目の発明を具現化。その複雑な構造は4-10時側をオープンワークにすることで可視化され、技術力の高さをアピールする。手巻き(Cal.GF04x)。50石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。カーボン×Tiケース(直径42.5mm、厚さ14.35mm)。5気圧防水。限定30本。要価格問い合わせ。
商品詳細はこちら
https://watch-yoshida.co.jp/products/411/21860?cid=chw-oad-non-GBF
竹石祐三:取材・文 Edited & Text by Yuzo Takeishi
[クロノス日本版 2024年7月号掲載記事]


バランシエール コンヴェクスS² カーボン YOSHIDAスペシャルモデル

バランシエール コンヴェクスS² カーボン YOSHIDAスペシャルモデル
ケースサイズはコンヴェクス最小となる41.5mm。7時方向にはブランドの特徴でもある30度に傾いたテンプが配置されているが、これもケースの小型化に合わせて再設計された。手巻き(Cal.GF09xv)。43石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。カーボン×Tiケース(直径41.5mm、厚さ14.80mm)。5気圧防水。限定50本。要価格問い合わせ。
商品詳細はこちら
https://watch-yoshida.co.jp/products/411/21859

 アントニオ・カルチェ氏がCEOに就任した2020年以降、グルーベル・フォルセイは年間の製造本数をそれまでの倍となる200本にまで増やし、売り上げも過去最高を記録するなど急成長を遂げた。同時に明確な流通戦略も打ち立て、日本においては、22年に東京・幡ヶ谷の時計店YOSHIDAとの独占販売契約を締結。高度な技術で時計製作を行うブランドの価値を深く理解するパートナーを獲得したことで、グルーベル・フォルセイは創設から20年の節目を迎えた今年、ついに自社初となるブティックを東京・銀座に構えることとなった。

ダブルバランシエール コンヴェクス カーボン YOSHIDAスペシャルモデル

両モデルとも、ケースに用いたのは1~5ミクロンのカーボンを何層にも重ねた高密度カーボン。これを複雑な形状のケースに仕上げるべく、一般的な時計の8倍にあたる16tの圧力で成形した。パワーリザーブインジケーターにブルーのアクセントカラーを加えたのが、YOSHIDAスペシャルモデルのオリジナルポイントで、時計全体をより引き締まった印象にしている。

「これまでのグルーベル・フォルセイは、優れたムーブメントを製作することに全力を傾けてきましたが、この先、20年かけて育ててきたものを継続しながらブランドを長く存続させるためには、ブティックが必要という結論に至ったのです」と出店の経緯を説明するのは、現在マーケティング&コミュニケーションの責任者を務め、この8月に新CEOに就任するミシェル・ニデッグ氏だ。

「現在、ブランドの販売拠点は22の地域にまで絞り込みましたが、その中でも日本には、工芸品や建築物に見られるように、長い年月をかけて技術を習得し、完璧な作品を目指すという、グルーベル・フォルセイの時計製作に重なる文化があります。さらに銀座は時計好きが集まる街。グルーベル・フォルセイのクォリティを確実に理解していただけるエリアですので、この地に最初のブティックを構えることは、かねてからの希望でした」

ミシェル・ニデッグ

ミシェル・ニデッグ
グルーベル・フォルセイ マーケティング&コミュニケーション責任者。2016年にグルーベル・フォルセイに入社し、PRを経て現職。今年8月にはCEOに就任することが発表された。「ブティック戦略は、流通戦略の一環として今後も継続していきます。年内にはシンガポールでオープンする予定があり、最終的には10~15のブティックが世界の主要都市にあることを考えています」。

 YOSHIDAとのパートナーシップ締結が22年末であったことを踏まえると、出店プロジェクトが急ピッチで進められたことは想像に難くないが、それでもブランドが持つ多くの資産の中から内外装に転用できる素材を選び抜き、完成したのがArt of Inventionのコンセプトを表現したブティックだ。

 ファサードにはモザイク調のパターンが確認できるが、これは「ハンドメイド1」の裏面に施されたグラタージュの意匠を取り入れたもので、外装からすでにグルーベル・フォルセイらしさがあふれ出している。店舗1階にはブランドが発表した8つの発明を解説するディスプレイとともに、3本の時計を展示。黒を基調とした店内は随所にグルーベル・フォルセイの時計に用いられた意匠がレイアウトされており、時計の内部に入り込んだかのような感覚も楽しませてくれる。

グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座

ブランドの8つの発明を解説するディスプレイと3本の時計が展示された店舗1階。天井や壁面にはグルーベル・フォルセイの時計をイメージした意匠をレイアウト。

 また、店内奥には2本の時計が展示されたプライベートラウンジがあり、地階には日本庭園や和室を再現したサロンも設けられているが、こうした、プレミアムなブランドにふさわしい贅沢な空間で手にしたいのが、両社のパートナーシップによって誕生した「ダブルバランシエール コンヴェクス カーボン」と「バランシエール コンヴェクス²S カーボン」のスペシャルバージョンだ。

グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座

1階奥にはプライベートラウンジが用意され、メインスペースとは異なる2本の時計を展示。

 どちらもグルーベル・フォルセイの特徴である30度に傾斜させた調速機構や、16tの圧力によって成形されたカーボン製の複雑なケースはそのままに、スペシャルであることを示すブルーのアクセントが加えられた時計で、他のレギュラーモデルと同様、グルーベル・フォルセイの時計製作技術を存分に堪能できる。まさに“芸術”の域に達した作品を、ブランドのコンセプトが盛り込まれた、世界でただひとつの空間で手にできるのは、これ以上ない喜びではないだろうか。

グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座

YOSHIDAのアイデアにより、地下は日本庭園と和室のある落ち着いた雰囲気の特別なサロンに。


グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座

グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座

晴海通りに面したブティックの外壁には、グルーベル・フォルセイの作品のひとつ、「ハンドメイド1」に用いられたグラタージュ仕上げと同様のパターンが取り入れられている。

住所/東京都中央区銀座4-3-10
営業時間/10:30~19:30
定休日/火曜(祝日を除く)
https://watch-yoshida.co.jp/greubelforsey_ginza



Contact info: グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座 Tel.03-3538-5401


グルーベル・フォルセイが世界初のブティックを銀座にオープン

https://www.webchronos.net/news/116040/
グルーベル・フォルセイ、究極のニッチから真の価値が分かるコニサーへ

https://www.webchronos.net/features/99950/
【インタビュー】グルーベル フォルセイCEO「アントニオ・カルチェ」

https://www.webchronos.net/features/74426/