世界展開を続ける「タイムヴァレー」が麻布台ヒルズに旗艦店をオープンした。日本の時計専門店「BEST ISHIDA」を戦略パートナーに、日本市場に根差した店舗運営を行っていく。
Edited & Text by Chieko Tsuruoka (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2024年7月号掲載記事]
マルチブランドブティック「タイムヴァレー」が麻布台ヒルズにオープン
2014年に設立されたタイムヴァレー。高級腕時計とジュエリーを取り扱う、マルチブランドブティックだ。設立当初は中国市場向けであった同社は20年から販路を拡大し、現在世界に46店舗を展開する。このタイムヴァレーが24年4月、BEST ISHIDAを戦略パートナーに、東京都港区の麻布台ヒルズに旗艦店をオープンした。
タイムヴァレーはグローバル企業だが、CEOのマイケル・ゲヌンは日本の時計市場、特に麻布台という地に根差した店舗運営を行っていくという。彼は再開発によって発展し、ラグジュアリーな環境が整った麻布台で、訪れる人々の購買意欲を満たしていきたいと語った。そして、既存の時計店とは一線を画した“価値”を顧客に提供していきたい、とも。
この価値は同社の、マルチブランドブティックという販売形態にある。既存のブティックや、同じ空間内でもブランドごとに分断して販売するリテーラーとは異なる、一貫したサービスを強みとする。 また、タイムヴァレーと各ブランド、そして1979年から時計販売店を経営するBEST ISHIDAのノウハウを掛け算することで、「並外れたサービスや体験、驚きを与える(マイケル・ゲヌン)」。
その一例が、専門性を持った人材による店舗運営だ。時計の販売やメンテナンスといったサービスは、BEST ISHIDAのセールスアソシエーターおよび技術者が担う。規定のトレーニングを受けたスタッフが、タイムヴァレーの「ブランドをまたいで連続的なサービスを提供する」というコンセプトを実現する体制は、タイムヴァレーの強みとBESTISHIDAの人的資源が掛け合わされた好例である。また、今後、顧客向けのイベントも予定している。
こういった相乗効果を期待して、BEST ISHIDA社長の石田充孝は提携を決めた。「タイムヴァレーとISHIDA、今あるものが掛け合わせられることでイノベーションを起こせるからこそ、(タイムヴァレーとの店舗運営を)やりたいと思いました。イノベーションによってお客さまの楽しみを増やし、時計にさらに親しんでもらう環境を作ります」。
来店ターゲット層も、国内顧客を重視する。「新規開拓する顧客は、時計愛好家に留まりません。これまで時計に目を向けてこなかった顧客にも、時計の持つ魔法をかけたいのです」(ゲヌン)。
Time Vallée Azabudai hills
住所/東京都港区虎ノ門5-8-1麻布台ヒルズガーデンプラザA 1階
問い合わせ/03-4577-6788
営業時間/11:00~20:00(定休日は施設に準ずる)
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