愚直なまでに実用性を追求し続けるボール ウォッチ。そのストイックな姿勢は、数多くのプロフェッショナルの共感を生み、相棒として選ばれてきた。同社が誇る独自技術に触れながら、最新作である「エンジニアハイドロカーボン ブルーインパルス」を紹介する。
[2024年6月15日公開記事]
人類の進歩を支えてきたプロフェッショナルウォッチ
高度な知識や技能を持ち合わせた専門家という文脈で使われる“プロフェッショナル”。この言葉の由来は、“神に宣誓する”という意味を持つラテン語の「professus」に遡る。今や神という宗教的なニュアンスは薄れているが、プロフェッショナルと呼ばれる人々には、自らの責務(宣誓)に対して強くコミットする姿勢が共通する。
人類にとって大きな躍進の時代であった20世紀。それはまた、パイロットやダイバー、宇宙飛行士等、プロフェッショナルと呼ばれる多くの職業にとって、誕生もしくは転換期を迎えた時代でもあった。その背景のひとつが、時計の実用性の向上であると言っても過言ではないだろう。
居場所をポケットの中から腕へと変えた時計は、衝撃や水、磁気等の天敵に晒される機会が多くなり、それらを克服することを余儀なくされた。そしてその延長線上として開発されたのが、プロフェッショナルユースを想定した高い機能性と性能を備えたプロフェッショナルウォッチだ。
いつ、いかなるときも時間を正確に知ることができるということは、航空機の操縦や険しい山々の探検、潜水時の安全性を飛躍的に向上させ、人類の行動圏を拡大することに貢献した。やがてプロフェッショナルウォッチの開発で培われた技術は他の時計にもフィードバックされ、現代では多くの時計が日常生活で必要十分なレベルの性能を獲得するに至ったのだ。
実用時計の新時代を切り拓くボール ウォッチ
そんな現代においても、さらに実用性の高度化を追求し続けるブランドがある。1891年にアメリカで創業したボール ウォッチだ。同社もまた、機関車の乗務員というプロフェッショナル向けの時計を手掛け、アメリカの広大な鉄道網の敷設に貢献した功労者である。
現在では7つのコレクションを展開し、ドレッシーなシンプルウォッチからクロノグラフやGMT機能を有したパイロットウォッチ、ダイバーズウォッチ等、多彩なラインナップを取りそろえ、各分野のプロフェッショナルに愛されている。
同社が絶大な信頼を獲得しているのは、持ち前の堅牢性や信頼性もさることながら、独自に開発されたユニークな技術による部分が大きいだろう。同社の製品群には、視認性や耐衝撃性、耐磁性、安全性を高めるためのテクノロジーが数多く盛り込まれている。
そのうちのひとつ、暗所での視認性を飛躍的に高めるマイクロガスライトは、トリチウムガスを真空のミネラルガラス管に封入し自発光させるシステムだ。自発光のため、蓄光塗料のように時間経過に伴い輝度が下がることもなく、10年以上にわたって輝き続けるという特徴を持つ。数時間で明るさを失う蓄光型とは異なり、昼夜を問わず継続して光り続けるため、暗所での長時間の作業を行う場合でも確実に時刻を読み取ることが可能だ。
機械式時計の天敵である衝撃に対しても、同社は画期的な対抗策を導入している。衝撃を受けることによって緩急針にズレが生じ精度が悪化することがないよう、特殊なプレートで緩急針を固定するスプリングシール機構を開発し、スプリングロック耐震システムでは、ヒゲゼンマイをケージで保護し衝撃を吸収。ヒゲゼンマイの変形やヒゲがらみ、破断のリスクを大幅に減少させている。
その他にも、耐磁性の向上にあたってはインナーケースにミューメタルを用いることで厚みの増加を最低限に抑え、時計の急所であるリュウズを物理的に保護する仕組みとして、セーフティロック・クラウンシステムを取り入れている。
圧倒的なタフネスを実現するこれらの独自技術の存在こそ、過酷な環境で活躍するプロフェッショナルがボールウォッチに信頼を寄せる理由なのだ。
空のプロフェッショナル、ブルーインパルスのエンブレムが輝く限定モデルが登場
そして今回、航空自衛隊創設70周年を記念し、ボールウォッチは宮城県松島基地に所属するアクロバットチーム、ブルーインパルスのエンブレムをあしらった限定モデル1型2種を発表した。
現在のブルーインパルスは、ブルーとホワイトに彩られた6機の「T-4練習機」を用いて多彩な曲技飛行を行うチームだ。自衛隊基地航空祭や全国各地のイベント等で展示飛行を披露し、多くの人々に夢と感動を与えてきた。息の合ったフォーメーションやダイナミックなソロ演技に歓声を上げたことのある方も少なくないのではないだろうか。
今回発表された新作「エンジニアハイドロカーボン ブルーインパルス」では、最大12時間までの計測が可能なクロノグラフに加え、マイクロガスライトと逆回転防止ベゼル、セーフティロック・クラウンシステムを搭載している。
グレード2チタン製のケースを採用したモデル。9時位置のスモールセコンドにブルーインパルスのエンブレムが輝く。軽量なチタンはボリュームのあるスポーツウォッチの装着感を向上させ、耐食性にも強いというメリットがある。自動巻き(Cal.RR1402)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Tiケース(直径42mm、厚さ16.5mm)。300m防水。日本限定70本。48万4000円(税込み)。
防水性は300mを確保し、クロノグラフ用のプッシャーにはねじ込み式が採用されている。そのスペックの高さは、空のプロフェッショナルであるブルーインパルスのエンブレムをあしらうにふさわしい水準だ。
ねじ込み式の強固なケースバックには、航空自衛隊のシンボルマークが深く刻まれている。このシンボルマークは、空の護りを象徴する鷹や五芒星、月、星、日の丸を組み合わせており、空への力強い守護を願ってデザインされたものだ。
また、本作には2種類のバリエーションが用意されている。ひとつが軽量なチタン製ケースにステンレススティール製のベゼルを組み合わせたモデル、もうひとつがステンレススティール製ケースにセラミックス製ベゼルを組み合わせたモデルだ。
セラミックス製ベゼルを採用したステンレススティールケースモデル。耐傷性と耐候性の強いセラミックスは、経年によってスケールが見にくくなりにくい。艶やかな見た目は、高級感をもたらす。自動巻き(Cal.RR1402)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径42mm、厚さ16.5mm)。300m防水。日本限定70本。48万4000円(税込み)。
どちらも日本限定70本のみが販売され、限定数を示す固有の番号が付与される。公式オンラインブティックでは、好きな限定番号を事前予約し購入するプログラムや、先着70名に対し防弾チョッキ素材のブルーインパルスボディバッグやスペアのラバーベルトをプレゼントすることも予定されている。気になる方は忘れずにチェックされたし。
Contact info:ボール ウォッチ・ジャパン Tel.03-3221-7807
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