年に一度の特別なモデル、オリス「ヘルシュタインエディション2024」。共同CEOのロルフ・スチューダーが語る

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2024.07.24

2024年に創業120周年を迎えたオリス。年に一度、オリスの創業記念日である6月1日に発売される「ヘルシュタインエディション」では、120周年を祝うオールブラックモデルが発売された。オリスの共同CEOであるロルフ・スチューダーに、このモデルについて語ってもらった。

ヘルシュタインエディション2024

Originally published on Montres De Luxe
[2024年7月24日公開記事]


夏向けの真っ黒な腕時計! ひと味違う「ヘルシュタインエディション2024」の魅力

 2024年、オリスは創業120周年を記念した、限定250本の「ヘルシュタインエディション2024」を発表した。同社は毎年、創業記念日の6月1日に特別なモデルを発表しており、ヘルシュタインエディション2024はその第5弾となる。

 オリスの共同CEOであるロルフ・スチューダーに、120周年を迎えたオリスと、このスペシャルな腕時計について聞いてみた。

一生身に着けられる腕時計を作る

ロルフ・スチューダー

オリスの共同経営責任者、ロルフ・スチューダー。2006年にオリスへ入社し、16年から現職に就いている。右は、同社のマスコットであるオリスベア。

Montres De Luxe:2024年、オリスは120周年を迎えますね。これが意味することはなんでしょうか?

ロルフ・スチューダー:良い質問ですね! 120年もの歴史を誇る時計会社はそう多くありません。そして、オリスのように現在でも独立しているとなると、さらに限られます。このことは、オリスが受け継いできた遺産の象徴なのです。

 創業者から、1956年に入社し現在は名誉会長を務めるロルフ・ポートマン、オリスを40年にわたって率いたウルリッヒ・W・ヘルツォークまで、オリスは素晴らしい人々によって築かれました。ですから、創業記念日は先人たちに敬意を表し、感謝をする機会なのです。

Montres De Luxe:具体的には、どのようなことを行うのですか?

ロルフ・スチューダー:それは“本当の意味での挑戦”です。これまで以上に、オリスの腕時計には存在意義が求められています。今日、誰もがスマートフォンで時間を確認できるようになりました。そんな時代に、どんな人が機械式時計を必要とするのでしょうか? 論理的な答えは「誰も必要としない」です。

 しかし、高級時計には身に着ける喜びと包容力があり、それは私たちにとって、多くの人々が一生身に着けられるものを作る、ということを意味します。この視点こそが、我々の存在意義を維持できると考えています。

ブランド初のオールブラックモデル

オリス ヘルシュタインエディション2024

オリス「ヘルシュタインエディション2024」Ref.01 400 7794 4784-Set
自動巻き(Cal.400)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm)。100m防水。世界限定250本。66万円(税込み)。

Montres De Luxe:「ヘルシュタインエディション2024」は、この需要にどのような形で応えているのですか?

ロルフ・スチューダー:私たちは、この“みんなのための腕時計”という課題に真剣に取り組んでいますが、その一方で、オリスはそればかりでなくとも良いのではないかと思っています。これは「生きるために機械式時計は不要だが、機械式時計があると笑顔になれる」という考えを反映しています。

 年に1回発表するスペシャル・エディションは、私たちの独立性と喜びを具現化したものです。それが、お客様に愛される理由だと思います。

Montres De Luxe:オリスの腕時計は、みんなのためのものだとおっしゃっていましたが、この時計は250本しか生産されませんよね。どちらかというと、限られた人のものという印象を受けます。

ロルフ・スチューダー:ヘルシュタインエディション2024は、すべての人のためのものです。ウェイティングリストはありませんし、オリスの腕時計をたくさん購入した、特別な顧客である必要もありません。イベントに参加する必要も、コネを持つ必要もないのです。

 ただ早ければいいのです! 6月1日に発売されたヘルシュタインエディション2024は、先着順で販売されていきます。つまり、民主的なプロセスで入手できる腕時計なのです。誰かに先んじられていなければ、好みの番号を選ぶこともできます。ただし、売れ行きは好調ですのでお早めに……

ヘルシュタインエディション2024

Montres De Luxe:今年の限定モデルはオールブラックで、オリスとしては新しい外観です。なぜ今年のモデルをオールブラックにしたのですか?

ロルフ・スチューダー:理由は特にありません。1965年から続くデザインを通してオリスの歴史を物語る一方で、ブラックというカラーで現代的な印象も与えました。

Montres De Luxe:ヘルシュタインエディション2024の裏蓋にはオリスベアが描かれていますね。なぜ、オリスベアに水着を着せたのですか?

ロルフ・スチューダー:世界中の人々が、オリスベアに対してどのような反応をするのかを見るのは、とても楽しいものです。オリスベアは温かい心を持つ、フレンドリーなキャラクターです。そして、彼はここでバカンスという自由な時間を楽しんでいます。何も心配することはありません。この夏、ヘルシュタインエディション2024を着けた人に感じてほしいのは、そんな気持ちなのです。

ヘルシュタインエディション2024

ヘルシュタインエディション2024の裏蓋。サングラスをかけて水着を着た、夏を楽しむオリスベアの姿がデザインされている。

価格を上げずに時計を改良したい

Montres De Luxe:ヘルシュタインエディションは、今年で5作目ですね。オリスの顧客たちは、このエディションに対してどのような感想を持っているのでしょうか?

ロルフ・スチューダー:そしてブティックや取扱店から聞く話と、私がお会いした人たちの話はだいたい同じです。顧客たちは「ヘルシュタインエディション」を通じてオリスの歴史に触れることができて嬉しいと話してくれています。これは、私たちブランド側と顧客たちの関係を、より具体的で意味のあるものとしてくれます。ある意味、説明はできません。感情的な問題なのです。もしかしたら「愛」かもしれません!

Montres De Luxe:オリスの次のステップはなんでしょうか?

ロルフ・スチューダー:細かくお話することはできませんが、価格を大幅に引き上げることなく時計を改良することで、より多くの価値を提供しようとしています。スイスフラン高がまだ続くようであれば難しいかもしれませんが、「アクイス」ですでに実現しています。先ほど申しあげたように、オリスはみなさんのための腕時計を作りたいのです。



Contact info:オリスジャパン Tel.03-6260-6876


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