“世界で最も美しいレース”と呼ばれるイタリアを舞台とした公道レース、ミッレミリア。ショパールは40年近くにわたって公式タイムキーパーとワールドスポンサーを務める。その世界観を反映させて生み出したコレクションが、ショパールが手掛ける「ミッレ ミリア」だ。同レースへの情熱を受け継いだ2024年の新作から2モデルを紹介する。
チェッカーフラッグをモチーフとした「ラ・ガラ」ダイアルを備えたモデル。「ラ・ガラ」とはイタリア語で「競技、レース」の意味を持つ言葉だ。その優雅なフォルムは、ミッレミリアへの参戦を許されたクラシックカーを連想させる。自動巻き。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。ルーセントスティール™ケース(直径40.5mm、厚さ12.88mm)。50m防水。138万6000円(税込み)。
野島翼:文 Text by Tsubasa Nojima
Editedby Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2024年9月号掲載記事]
“世界で最も美しいレース”の世界観を表現した「ミッレ ミリア」コレクション
“世界で最も美しいレース”と称されるミッレミリア。その起源は1927年にさかのぼる。イタリアのこの伝説的な公道レースは、悲劇的な事故のため一度は中止されたが、1977年に復活。以降は1957年のレースまでに出場した車両と、その同型車のみに出場資格を限定し、イタリアの街並みを駆け抜けるクラシックカーレースとして親しまれている。
名だたるドライバーが参戦することでも知られるミッレミリア。その中には、ショパールの共同社長であるカール-フリードリッヒ・ショイフレの名もある。同社は37年連続でミッレミリアのスポンサーおよび公式タイムキーパーを務めており、それも彼のクラシックカーへの愛と、モータースポーツへの情熱を重んじる姿勢があってのことだろう。そんなミッレミリアを愛してやまない同社が、その世界観を表現したコレクションこそ、「ミッレ ミリア」である。2024年の新作から2モデルを紹介しよう。
「ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ」は、直径40.5mmのラウンドケースを採用した、クロノグラフウォッチだ。シルバーカラーのダイアルに、ブラックのインダイアルとタキメータースケールが配されている。このカラーリングはモーターレースで終了の合図となるチェッカーフラッグから着想を得たものであり、1位通過の車にとっては勝利の象徴だ。この腕時計のダイアルは、イタリア語で競技やレースを意味する「ラ・ガラ」と名付けられている。
ケースに用いられている素材は、80%以上のリサイクル率を誇るだけでなく、抗アレルギー性や耐摩耗性、審美性を高い次元で兼ね備えた独自のスティール合金、ルーセントスティール ™ だ。
全体のデザインはクラシカルにまとめられており、ポンプ型のプッシャーや細身のベゼルが上品な印象をもたらしている。その効果を最大限に発揮しているのが、“グラスボックス”サファイアクリスタル製風防だ。デザインに統一感を持たせつつ、高い視認性を確保している。また、C.O.S.C.のクロノメーター認定を受けた高い精度を誇るムーブメントを搭載している。以前のムーブメントから変更され、パワーリザーブが約42時間から54時間に延びたことにも注目だ。
ショパールのアンバサダーを務める伝説的なドライバー、ジャッキー・イクスにオマージュを捧げる「ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ JX7」。そのデザインソースは、彼愛用のヘルメットだ。ミッドナイトブルーのダイアルとラバーストラップは、1972年以降に彼が着用したヘルメットのカラーから着想を得た。ヘルメットのミニチュアが付属し、その保護ケースにはジャッキー・イクスのサインが記されている。自動巻き。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。ルーセントスティール™ケース(直径40.5mm、厚さ12.88mm)。50m防水。世界限定250本。152万9000円(税込み)。
そしてもう1モデル、「ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ JX7」は、同社のアンバサダーであり、伝説的なドライバーであるジャッキー・イクスにオマージュを捧げた数量限定モデルだ。基本的な仕様は先述したモデルに準ずる。彼のヘルメットカラーにインスパイアされたミッドナイトブルーダイアルを採用し、裏蓋にはジャッキー・イクスの象徴的なヘルメットの姿があしらわれている。さらに、このヘルメットのミニチュアが付属し、透明な保護ケースにはジャッキー・イクスのサインが記されるというのだから、ファンにとっては垂涎ものだ。
ショパールのミッレミリアに注ぐ情熱が体現されたふたつの「ミッレ ミリア」ウォッチ。その優雅で気品あふれる佇まいは、ミッレミリアのごとく、世界で最も美しいレーシングクロノグラフと言っても過言ではないだろう。
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