アーミン・シュトロームの「デュアルタイム GMT レゾナンス ファースト・エディション」とは?【ジュネーブ・ウォッチ・デイズ】

FEATURE2024年新作時計
2024.09.07

アーミン・シュトロームは、2024年度のジュネーブ・ウォッチ・デイズにて、新作「デュアルタイム GMT レゾナンス ファースト・エディション」を披露した。ブランドを象徴する複雑機構のひとつ、共振を意味する「レゾナンス機構」を39mm径ケースに収めた本作は、マニファクチュールの15周年を記念する。世界で25本のみが限定生産される。

アーミン・シュトローム


アーミン・シュトローム「デュアルタイム GMT レゾナンス ファースト・エディション」

 アーミン・シュトロームは、2024年新作モデルとして、ジュネーブ・ウォッチ・デイズで「デュアルタイム GMT レゾナンス ファースト・エディション」を披露した。レゾナンスはひとつの時計にふたつの完全に独立したムーブメントを搭載し、レゾナンス機構の魅惑的なスペクタルを演出するコンプリケーションである。新作モデルは、そんなレゾナンスを39mm径ケースに収めていることが特筆すべき点だ。

アーミン・シュトローム

アーミン・シュトローム「デュアルタイム GMT レゾナンス ファースト・エディション」Ref.WG24-DT.90
すべてのアーミン・シュトローム ファースト・エディションと同様に、10年間の延長保証が付帯する。手巻き(Cal.ARF22)。40石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KWGケース(直径39mm、厚さ9.05mm)。50m防水。世界限定25本。2420万円(税込予価)。

 シンメトリックな表情を持つ本作は、18Kホワイトゴールド製ケースに、グレナージュ仕上げが施されたふたつのスカイブルーダイアルを備える。特筆すべきは、いずれのダイアルも完全に独立しており、分単位までタイムゾーンを設定できる点だ。さらに本作では、ふたつのムーブメントを縦に配置する構造を採ることで、直径39mmというコンパクトなサイズ感も実現している。

アーミン・シュトローム

各ダイアルの6時位置には、太陽と月がエングレーブされたナイトアンドデイ表示が配置されている。また、ダイアルを囲むチャプターリングには、ポリッシュ仕上げのバトン型インデックスが取り付けられ、ファセットカットが施された針との調和を見せている。

 本作の最大の特徴であるレゾナンス機構は、ふたつのムーブメントのテン輪がほとんど感知できない振動を互いに共有し、自然な共振状態で互いに調整しあうというもの。この共振によって、重力や手首の動きによる時計精度への悪影響が打ち消され、計時精度をより研ぎ澄ますことにもつながっている。

アーミン・シュトローム

アーミン・シュトロームのレゾナンス機構は、振動の伝達方法が他ブランドのそれと大きく異なっている。「クラッチ・スプリング」と呼ばれる特許取得済みの専用サスペンション・システムを採用することで、腕の動き、重力、温度変化などの外部要因によって引き起こされる振動率の偏差を即座に修正するだけでなく、その予防も叶えているのである。

 ムーブメントには新設計のCal.ARF22を搭載する。別々の輪列によるふたつの時刻表示は、4時位置と8時位置のリュウズによってそれぞれの時刻調整が可能だ。また、約42時間のパワーリザーブを供給するふたつの香箱は、ラチェット・クリック・システムによって、4時位置のリュウズひとつで巻き上げることができ、スムーズなエネルギー伝達をも可能としている。

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トランスパレント式のケースバックからも、本機のシンメトリカルな構造を鑑賞することができる。リュウズを巻き上げる際には、文字盤とケースバックの両方から、ユニークな駆動とともにふたつの香箱が巻き上がる様子を楽しめる。

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2023年に、ふたつのダイアルを持つ「マスターピース1 デュアルタイム・レゾナンス」がアーミン・シュトロームから発表されていた(右)。このモデルはパワーリザーブ約110時間で、インパクト抜群な楕円型のケースを有している。こうして見比べてみると、それぞれのキャラクターが立っており、アーミン・シュトロームという時計ブランドの面白さがよく分かる。



Contact info: ノーブル スタイリング  Tel.03-6277-1604


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