ブレゲ(スウォッチグループ)が新しい卓越したダブルトゥールビヨンを発表。ピエール・ニネ主演の映画「The Count of Monte Cristo」(日本未公開)に登場する中、ブレゲのCEOであるリオネル・ア・マルカ氏が、メティエ・ダールの重要性、ブレゲのコレクションの核となる“自社製”ムーブメントに関する3つの質問に答えてくれた。
ブレゲ250年の伝統と、ダブルトゥールビヨンの革新
MONTRES DE LUXE:ブレゲにとって、忘れられたメティエ・ダールに携わり続けることが、なぜ重要なのでしょうか?
リオネル・ア・マルカ:もし、どこかのブランドがその守り手になるべきだとすれば、それはブレゲにほかなりません。250年にもわたるサヴォワール・フェール(技術・知識)を有していますから。アブラアン-ルイ・ブレゲは現代の時計作りを生み出した張本人です。
スウォッチ グループがブレゲを買収した際、ニコラス・G・ハイエックはギヨシェ装飾に光を当てました。当時、この技術は忘れかけられていましたが、今日、ブレゲは時計業界で最大のギヨシェ工房を有しています。
また、私たちは社内で職人を養成しています。メティエ・ダールの中には、もはや学校でも教えていない技術があるからです。このヘリテージは、時計製造を未来へと継承するためにも不可欠です。
MONTRES DE LUXE:メティエ・ダールのお話をしましたが、ブレゲはムーブメントそのものを製作する時計メーカーとしても知られています。そのことに関してどうお考えですか?
リオネル・ア・マルカ:ブレゲでは、ジュウ渓谷にある自社工房にて、すべてのマニュファクチュールムーブメントを製作しています。
一方で、ハイコンプリケーションの工房では、トゥールビヨン、イクエーション・オブ・タイム、ミニッツリピーターなど、豊富な経験が要求されるキャリバー製作専門の熱心な職人たちを有しています。
またブレゲでは、過去の技術を駆使する古い時計のための修復アトリエがあります。この卓越した技術を必要とする状況は、私どもが、お客さまに対して、そしてブレゲ自体を表す歴史に対して、敬意を示したいという思いから来ています。
MONTRES DE LUXE:1801年、アブラアン-ルイ・ブレゲは地球の重力に抗いつつ、より高い精度を提供するトゥールビヨンを搭載した懐中時計を発表しています。今日、このメカニズムはもはや時計の精度に結びつくものではありませんが、それでもなお人々を魅了し続けているのはなぜだとお考えですか?
リオネル・ア・マルカ:時計作りの美しさとその芸術性によるものだと思います。その背景には専門性もあり、人々を魅了するのです。
稼働するトゥールビヨンを見ることは、鼓動する心臓を見ているようなものです。そして、タイムピースは欲望の対象です。私たちの目標は、皆さんを魅了し続け、夢を見ていただくことです。なんて素晴らしい挑戦ではありませんか?