カール F. ブヘラで“買うべき1本”の決定版は「マネロ ペリフェラル 40MM」だ!

FEATUREその他
2024.10.01
PR:カール F. ブヘラ

2024年にリニューアルを遂げたカール F. ブヘラの「マネロ ペリフェラル 40MM」。一見してシンプルなドレスウォッチ然としたモデルだが、その中には同社の技術と歴史が凝縮されている。カール F. ブヘラの歴史をたどりつつ、その魅力に迫りたい。

カール F. ブヘラ マネロ ペリフェラル 40MM

ペリフェラルローターを搭載したCal.CFB A2050。ローターを外周に配することで、直線基調のブリッジに施された面取りやストライプ装飾など、ムーブメントの仕上げを存分に堪能することができる。
吉江正倫:写真
Photographs by Masanori Yoshie
野島翼:取材・文
Text by Tsubasa Nojima
[2024年10月1日公開記事]


カール F. ブヘラ最新モデル「マネロ ペリフェラル 40MM」

 2024年、カール F. ブヘラを代表するコレクションのひとつ、「マネロ」に新たなラインナップが登場している。人気のフライバッククロノグラフウォッチである「マネロ フライバック」には、43mmと40mmの2種類のサイズにおいてそれぞれバリエーションが追加され、加えてセンターセコンドを備えたシンプルな3針モデルの「マネロ アーバン」がコレクションに加わった。そんな拡充の中で最も注目すべきは、「マネロ ペリフェラル 40MM」のリニューアルだろう。

 同社を象徴するペリフェラルローターを採用したマネロ ペリフェラル 40MMは、前作の優れたムーブメントをそのままに、外装面を中心に着実なアップデートが加えられ、都会的な洗練されたデザインを獲得した。今回のリニューアルによって、より完成度を増したマネロ ペリフェラル 40MM。その根底に流れる同社の歴史を振り返りながら、革新と伝統に満ちた本作の魅力に迫りたい。

カール F. ブヘラ マネロ ペリフェラル 40MM

カール F. ブヘラ「マネロ ペリフェラル 40MM」
ダイアルカラーは3種類が用意されている。いずれもシンプルで使いやすい色味である点が魅力だ。ステンレススティール製ブレスレットの仕様は、より洗練された印象を持つ。自動巻き(Cal.CFB A2050)。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径40.6mm、厚さ11.2mm)。5気圧防水。各133万1000円(税込み)。

カール F. ブヘラ マネロ ペリフェラル 40MM

カール F. ブヘラ「マネロ ペリフェラル 40MM」
クラシカルなストラップ仕様もラインナップ。ラバーとレザーを組み合わせたハイブリッドストラップのため、一般的なレザーストラップに比べ、汗などの水分に強い。自動巻き(Cal.CFB A2050)。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径40.6mm、厚さ11.2mm)。5気圧防水。各126万5000円(税込み)。


カール F. ブヘラってどんなブランド?

 1888年にカール・フリードリッヒ・ブヘラがスイスのルツェルンに創業した時計宝飾店が、カール F. ブヘラのルーツにあたる。同店は、販売のみならず修理も手掛けており、その経験を生かして1919年よりオリジナルブランド「ブヘラ」の時計製造を開始。これがブランド発足の瞬間である。

 その後同社は、世間の時計に対するニーズを的確に読み取り、時代に即した時計を次々に生み出していった。ブランド立ち上げ初期には、当時主流であった懐中時計に代わる存在として腕時計の製造に着手。20世紀半ばから後期にかけては、クロノグラフやワールドタイマー、高精度なクロノメーター、ダイバーズウォッチなどの機能性に優れた腕時計を発表。腕時計が持ち主の個性を象徴する存在として重要視されてきた1990年代には、これまでになかったモダンなデザインや、一転してクラシカルなデザインの腕時計をラインナップさせた。同社の歴史は、常に挑戦や変化とともにあったのだ。

 そんな同社のこれまでの歴史の中でも、大きな転換期にあたるのが2001年だろう。ブランド名を「カール F. ブヘラ」とし、販路をスイス国内からグローバルへと広げたのだ。同時にムーブメントメーカーであるTHAの買収を経て、自社製ムーブメントの開発を開始。2008年にはペリフェラルローターを搭載したCal.CFB A1000を発表し、ブランドとしての独自性を確固たるものとした。

1888年創業の時計宝飾店にルーツを持つカール F. ブヘラ。1919年よりオリジナルウォッチの製造を開始し、2001年のバーゼルワールドでデビューを果たした。以降、ペリフェラル技術を核として、シンプルなモデルからコンプリケーションウォッチまでを手掛けるブランドへと成長した。


ペリフェラル技術に見る、カール F. ブヘラの先進性

 ペリフェラル技術とは、回転する部品を取り付ける際に、一点の軸ではなく、複数のセラミックス製ボールベアリングによって保持するものである。この技術によって正確かつスムーズに部品を回転させることが可能となり、機構への負荷を減らし、信頼性を高めることができたのだ。

 マネロ ペリフェラル 40MMには、ペリフェラル技術であるペリフェラルローターが搭載されている。これは、自動巻きローターをムーブメントの外周に配したものであり、ローター自体の形状も、一般的な扇型ではなくリング型を採用している。ペリフェラルローターの登場以前、他社でも外周式ローターを持つ自動巻きムーブメントは存在していたが、決定版と呼べるものではなかった。そんな中、カール F. ブヘラから登場したペリフェラルローターが傑作との呼び声高いのは、優れた実用性を獲得している点にあるだろう。

熟成を重ねるカール F. ブヘラのムーブメントCal.CFB A2000。2008年に登場したCal.CFB A1000をベースとして、2016年に改良とシンプル化を果たした派生ムーブメント、A2000系が生み出される。A2000系ではフリースプラングテンプを採用し、安定した精度をより長期間持続させることが可能となった。

 堅牢性の向上に寄与しているのが、ムーブメントの3カ所に設けられたダイナミックショックアブソーバーだ。外部からローターへ衝撃が加わった際、アブソーバーが衝撃を吸収することで、ローターへのダメージを軽減させる。さらに、巻き上げ効率を高めるための工夫も盛り込まれている。ひとつがローターの一部に採用されたタングステンだ。ローターは、重さに偏りがあると回転しやすくなる。扇型であればさして支障はないが、リング型であれば、重さに偏りを付けにくい。そのため、ペリフェラルローターではローターの半周に比重の高いタングステン素材を取り付け、この問題を解消しているのだ。

 もちろん、ペリフェラル技術の要であるセラミックス製ボールベアリングが、ローターの回転を滑らかにしていることも忘れてはならない。ちなみにこのボールベアリングは、スイスのベアリング会社、MPS製だ。名だたる高級時計ブランドが、MPS製のセラミックス製ボールベアリングを自動巻き機構のリバーサーなどに採用しており、その耐久性と滑らかさは高い評価を得ている。

 高い信頼性を備えて誕生したペリフェラルローターは、腕時計に、主にふたつのメリットをもたらした。ひとつがムーブメントの薄型化だ。ローターをブリッジの上に重ねるのではなく、外周に収めることによってムーブメント全体の厚みが抑えられ、外装デザインの自由度や着用感を向上させている。もうひとつのメリットが、ムーブメントの鑑賞性を高めたことだ。扇型のローターでは、例え一部をオープンワークとしていても、腕時計を振ってローターを動かさなければ、ムーブメントの全貌を楽しむことはできない。ペリフェラルローターであれば、ローターがブリッジを覆ってしまうことはないのだ。機械式時計の趣味性が高まった現代において、ムーブメントの仕上げを楽しみたいというニーズに応える機構であると言えよう。

 カール F. ブヘラのペリフェラルローターが初搭載されたのは2008年のCal.CFB A1000だが、ムーブメントは、それからも発展を遂げている。マネロ ペリフェラル 40MMが採用するCal. CFB A2050は、ペリフェラルローターを構成するコンポーネントを集約し、同等の性能を保ちながらもメンテナンス性を向上。テンプはフリースプラング化され、長期にわたって安定した精度を保ちつつ、理論上の耐衝撃性も高まっている。

 ペリフェラル技術はトゥールビヨンやミニッツリピーターといった複雑機構にも応用され、幅広い可能性を示していることにも触れておこう。

「マネロ トゥールビヨン ダブルペリフェラル」では、トゥールビヨンのキャリッジをセラミックス製ボールベアリングで保持することによって、まるで浮遊しているかのようなミステリアスなデザインと、安定した駆動を実現している。

カール F. ブヘラ マネロ ダブルペリフェラル

カール F. ブヘラ「マネロ トゥールビヨン ダブルペリフェラル」
ペリフェラルローターと、フローティングトゥールビヨンというふたつのペリフェラル技術を搭載したモデル。トゥールビヨンをセラミックス製ボールベアリングで保持し、まるでキャリッジが浮遊しているような外観を実現している。自動巻き(Cal.CFB T3000)。32石。パワーリザーブ約65時間。18KRGケース(直径43.1mm、厚さ11.57mm)。30m防水。1254万円(税込み)。

「マネロ ミニッツリピーター シンフォニー」では、ミニッツリピーターの作動の要であるレギュレーターに、ペリフェラル技術を投入している。レギュレーターの外周部に3つのセラミックス製ボールベアリングを取り付けることにより、チャイムのビートに安定感を与えているのだ。

カール F. ブヘラ マネロトゥールビヨンダブルペリフェラル

カール F. ブヘラ「マネロ ミニッツリピーター シンフォニー」
セラミックス製ボールベアリングを介して取り付けられたレギュレーターを備えるミニッツリピーターウォッチ。レギュレーターは、6時位置の小窓から確認することが可能だ。自動巻き(Cal.CFB MR3000)。47石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRGケース(直径43.8mm、厚さ12.47mm)。10m防水。世界限定88本。7590万円(税込み)。


「マネロ ペリフェラル 40MM」でアップデートされた外装

 今回のリニューアルに伴い、マネロ ペリフェラル 40MMの外装はよりスタイリッシュにアップデートされた。3時位置にデイト表示、6時位置にスモールセコンド、そしてくさび型のインデックスなど、基本的なデザインコードは前作と同様だが、スモールセコンドをダイアルと同色にそろえ、インデックスや時分針の先端を落とし、全面に水平方向のエンボス加工を施すことで、これまでのクラシカルな印象とは一転して、よりモダンなデザインへと生まれ変わった。ダイアルのカラーは、ブラックとブルー、シルバーの3種類で展開。カラーダイアルがもてはやされる昨今だが、一足飛びに流行りに乗じるのではなく、まずはどんなシーンにも合うベーシックなカラーを固めるという姿勢はユーザーにとってうれしい。

カール F. ブヘラ マネロ ペリフェラル 40MM

インデックスと針の先端を切り落としたようなデザインに変更し、ダイアル全面にエンボス加工を施した、新しいマネロ ペリフェラル 40MM。これまでのクラシカルなデザインから、より都会的に洗練されている。

 ステンレススティール製のケースは、シンプルなラウンド型だ。ふっくらとした艶やかなベゼルや優雅な面取りが施されたラグなど、シンプルかつ上品に仕上げられている。ケースの厚みは11.2mmと、前作と同じサイズを維持しつつも、防水性は3気圧から5気圧へとスペックアップ。より日常使いに適した仕様へ改められた。

 ベルトは、スポーティーな3連タイプのステンレススティールブレスレットと、ラバーとレザーを組み合わせたハイブリッドストラップが用意されている。いずれもワンタッチでケースから取り外すことが可能なクイックリリースシステムを採用しており、複数のベルトをそろえることで、気分や着用シーンに合わせて簡単に付け替えることが可能だ。

カール F. ブヘラ マネロ ペリフェラル 40MM

ステンレススティールブレスレットは、従来の5連タイプから3連タイプへと変更された。これによって、全体がよりモダンな印象になった。


カール F. ブヘラの決定版

 1919年のブヘラブランドの誕生以降、腕時計の進化の歴史をたどりながら着実にノウハウを蓄積し、時代のニーズに合わせた時計を世に送り出してきたカール F. ブヘラ。その背景には、ルーツとなった時計宝飾店が持つ、時計への深い造詣と高い審美眼があったに違いない。その精神は「カール F. ブヘラ」となって以降も引き継がれ、自社製ムーブメントの開発を経て、より一層高いレベルを志向するに至った。

 虚飾を排したシンプルなデザインに、ペリフェラルローターを採用したCal.CFB A2050を搭載した「マネロ ペリフェラル 40MM」は、まさにカール F. ブヘラの技術とデザイン性が凝縮した、同社の世界観を堪能するにふさわしい選択肢なのだ。それだけではなく、幅広い大きさの手首に合わせやすいサイズ感や高められた防水性、クイックリリースシステムを採用したベルトなど、実際に日常を共にするにも安心できる仕様を備えている。本作は、初めての機械式腕時計としてはもちろん、目の肥えたコレクターの普段使いにもかなう、カール F. ブヘラの決定版なのである。

カール F. ブヘラ マネロ ペリフェラル 40MM

シンプルなデザインに卓越した技術が宿るムーブメント、日常使いをかなえる汎用性は、まさにカール F. ブヘラの決定版だ。



Contact info: スイスプライムブランズ Tel.03-6226-4650

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