40代、50代以上の“大人”にふさわしいタグ・ホイヤーは? 実用性と品格を兼ね備えた5本をピックアップ

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2024.10.08

40代、50代以上の、“大人”にお勧めする高級時計として、タグ・ホイヤーの5つのモデルを紹介する。創業以来、計時技術の高度化を目指して歩みを進めてきたタグ・ホイヤー。その歴史と技術を盛り込んだコレクションは、落ち着きの中にも情熱をのぞかせる、品格ある大人の男性(もちろん女性にも!)にこそふさわしい。

野島翼:文
Text by Tsubasa Nojima
[2024年10月8日公開記事]


挑戦を重ねてきた実力派老舗ブランド、タグ・ホイヤー

 仕事では責任のあるポジションに就くことが多くなり、ライフスタイルも大きく変わる“大人”。何かを成し遂げた証しとして、あるいは新たな趣味として、高級時計を手にしてみようという方も少なくないのではないだろうか。そんな方にお勧めなのが、スイスの老舗ブランド、タグ・ホイヤーの手掛けるスポーツウォッチだ。

 タグ・ホイヤーの起源は、エドワード・ホイヤーが1860年にスイス・サンティミエで設立した工房にさかのぼる。1887年には現代的なクロノグラフの基礎となる振動ピニオンの改良に関する特許を取得。1916年には1/100秒までを計測可能なストップウォッチ「マイクログラフ」を発表するなど、計時技術の高度化に重点を置いた製品開発を行っていった。

 その優れた技術力は瞬く間に世界中で認知され、オリンピックを含む数々のスポーツイベントで公式計時を担当。特にモータースポーツでは、レーシング用ダッシュボードクロノグラフである「オータヴィア」の成功によって存在感を示し、その後も「カレラ」や「モナコ」など、プロフェッショナルなレーサーにも愛用される名作を次々に生み出した。

 タグ・ホイヤー以外にも、現行モデルの中には一定以上のつくりの良さや精度、耐久性などを備えた時計は数多く存在する。しかし、プロフェッショナルたちに愛され進化を遂げてきた歴史や、脈々と生き続けるアイコニックなデザインを有するなど、タグ・ホイヤーの時計には語れるストーリーが強くひもづいている。それらは長期的な信頼性への裏付けとなることはもちろん、これから先の人生において、自らを鼓舞してくれる源泉ともなるはずだ。


40代、50代以上の“大人”におすすめしたいタグ・ホイヤー5選

 タグ・ホイヤーの現行モデルから、大人におすすめしたい5本をピックアップした。


「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2216.BA0041

タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2216.BA0041
クールな“パンダダイアル”の「カレラ」。2つの積算計やスモールセコンド、日付表示、タキメーターなど、多くの機能を備えつつもすっきりとしたデザインに纏められている。自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm、厚さ13.9mm)。100m防水。93万5000円(税込み)。

 2023年にリニューアルを遂げた「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」。そのバリエーションとして今年発表されたのが、いわゆる“パンダダイアル”仕様の本作だ。クラシカルなレーシングクロノグラフらしい、スポーティさと上品さを兼ね備えたデザインが、手元に洗練された印象を与えてくれる。

 シルバーのダイアルには、ブラックのふたつのインダイアルが配され、3時位置が30分積算計、9時位置が12時間積算計として機能する。インダイアル外周部のスケールには角度が付けられ、中央にはレコード状の溝が施され、ダイアルの立体感と視認性を高めている。ふたつの積算計の針とセンターのクロノグラフ秒針にレッドを取り入れることによって、時刻表示とクロノグラフの表示との混同を防ぐなど、実用的なクロノグラフを作り慣れた同社ならではの配慮が随所に取り入れられている。6時位置にはスモールセコンドと日付表示が配され、機能性も高い。

 本作の魅力は、グラスボックス型のサファイアクリスタルに包まれたインナーリングにも及ぶ。まるでサファイアクリスタルと一体化したような視覚効果をもたらすインナーリングにはタキメーターが配され、ダイアルがせり出したようなデザインに仕上げられている。

 シャープなラインを描くケースやポンプ型のプッシャーなどの繊細さをうかがわせる要素は、本作の上品さをより際立たせるディティールだ。レーシングクロノグラフでありながらも過度にマッシブではなく、スーツなどの畏まった装いにも合わせやすいデザインを持つ。


「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2211.FC6545

タグ・ホイヤー 新作 カレラ クロノグラフ

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2211.FC6545
過去の名作に着想を得たデザインと、モダンなカラーリングと最新ムーブメントを組み合わせた、まさに伝統と革新を体現する1本。個性的なモデルを探している方には是非お勧めしたい。自動巻き(Cal.TH20-07)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm、厚さ13.9mm)。100m防水。90万7500円(税込み)。

 1965年に誕生した「DATO 45」に着想を得た、特徴的なレイアウトのダイアルを備えたタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ。3時位置には30分積算計、9時位置には日付表示を配し、12時間積算計やスモールセコンドは搭載されていない。オリジナルでは30分ではなく45分積算計を採用していたが、本作では標準的な30分積算計とすることで、一般的なクロノグラフと同じような使い勝手に改めている。

 ダイアルのカラーはグリーン。サーキュラーサテン仕上げを施すことによって落ち着いた印象にまとめ上げている。グリーンは昨今注目を集めるカラーだが、ブリティッシュレーシンググリーンにも通ずるエレガントな色味は、単なる流行ではなく、タグ・ホイヤーとモータースポーツとの深い関わりを体現しているかのようだ。

 ダイアル外周のミニッツマーカーは大きく盛り上がり、グラスボックス型サファイアクリスタルと相まってダイアルに立体感をもたらしている。すり鉢状のダイアルに合わせて並んだインデックスも、豊かな表情を与える重要な要素のひとつだ。

 ステンレススティール製のケースは、カレラらしいすっきりとしたフォルム。リュウズガードがないため、プッシャーやリュウズの操作をスムーズに行うことが可能だ。

 ムーブメントは、約80時間のパワーリザーブを備えた自動巻きクロノグラフのCal.TH20-07。ローターやテンプ、コラムホイールなどの動きや、ブリッジに施されたストライプ装飾などは、シースルーバックを通して鑑賞することができる。


「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」Ref.CAW211P.FC6356

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」Ref.CAW211P.FC6356
初代モナコのデザインを復刻したモデル。オリジナルがあえてリュウズを9時位置に配したのは、自動巻きゆえに手による巻上げの必要がないことを強調するため。自動巻き(Cal.11)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(縦39×横39mm、厚さ14.3mm)。100m防水。112万7500円(税込み)。

 世界初のスクエア型防水クロノグラフウォッチとして知られる「モナコ」。本作は、その初代モデルであるCal.11搭載機のデザインを踏襲した1本だ。Cal.11は、1969年に誕生した世界最初期の自動巻きクロノグラフムーブメントのひとつであり、ホイヤーの他、ブライトリング、ビューレン、デュボア・デプラの4社共同で開発された。マイクロローター式自動巻きムーブメントにクロノグラフモジュールを重ねた構造のCal.11を搭載したモデルの外観上の特徴は、プッシャーを2時位置と4時位置、リュウズを9時位置に配したレイアウトだろう。これを搭載した初代モナコは、1969年の映画『栄光のル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用したことから、コレクターズアイテムとしても高い人気を誇っている。

 最新の技術を盛り込まれた現行機である本作は、ブルーのダイアルにホワイトのスクエア型インダイアル、レッドを取り入れたインデックスや針、ホイヤーロゴなど、オリジナルのデザインを忠実に再現している。

 ボックス型のサファイアクリスタルやサテンとポリッシュに仕上げ分けたシャープなスクエア型ケース、角を落とすことで指当たりの良さを高めたプッシャーなど、ケースのつくりは現行機としてふさわしいレベルへと高められている。

 ストラップはパンチング加工が施されたレザー製。フォールディングバックルが装着されており、安全に脱着することが可能だ。ムーブメントは、オリジナルが搭載したものと同名のCal.11である。モジュール式の自動巻きクロノグラフであることは同じだが、直系の後継機ではない。

 時計史の中でも重要なマイルストーンに数えられるモナコ。これからも挑戦を続ける、情熱にあふれた“大人”の相棒にふさわしい1本である。


「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」Ref.CBL2113.BA0644

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」Ref.CBL2113.BA0644
シックなサンレイ仕上げのブラックダイアルを採用したモナコ。H型のリンクを組み合わせたステンレススティールブレスレットやシャープな造形のスクエアケースなど、優れた作りこみの外装も魅力。自動巻き(Cal.ホイヤー02)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(縦39×横39mm、厚さ15.21mm)。100m防水。107万2500円(税込み)。

 自社製ムーブメント、Cal.ホイヤー02を搭載したモナコ。シックなブラックダイアルにはサンレイ仕上げが施され、上品な印象を与えられている。クロノグラフ起動時に使用するセンターのクロノグラフ秒針、3時位置の30分積算計と9時位置の12時間積算計の針にはレッドを採用し、インダイアルにホワイトを取り入れることで、スポーティさを加えている。リュウズは3時位置に配され、一般的なクロノグラフウォッチと同じレイアウトとなった。

 外装は、ケースの側面とベゼルに力強いサテン仕上げを施し、ラグの上面などにポリッシュを取り入れることで、立体感のある仕上がりを見せる。ステンレススティールブレスレットは、1970年代の初めのモナコに採用されていたH型リンクを組み合わせた構造を採用。サテン仕上げを基調として中央にポリッシュのコマを加えることで、ケースに調和したメリハリの利いたデザインに仕上げている。ケースバックはシースルーとなっており、内部のムーブメントを鑑賞することが可能だ。

 搭載するCal.ホイヤー02は、垂直クラッチとコラムホイールによってクロノグラフを制御する自動巻きムーブメントだ。約80時間のロングパワーリザーブを備えている。

 落ち着きのあるカラーリングとアヴァンギャルドなデザイン、1970年代の空気感と最新のスペックなど、相反する要素を共存させた、タグ・ホイヤーらしいモデルだ。


「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300」Ref.WBP5110.BA0013

タグホイヤー アクアレーサー WBP5110.BA0013

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300」Ref.WBP5110.BA0013
300m防水を備えたダイバーズウォッチ。煌めく波のような、立体的なパターンのダイアルが与えられている。アクアレーサーを象徴する12角形のべゼルは、手で掴んで回しやすいという実用上のメリットもある。自動巻き(Cal.TH31-00)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径42mm、厚さ12mm)。300m防水。52万8000円(税込み)。

 カレラやモナコなど、モータースポーツとの関わりが深いコレクションがメインを占める一方、ダイバーズウォッチである「アクアレーサー」の存在も忘れてはならない。その最新モデルにあたる本作は、12角形のベゼルや取り回しやすい短めのラグなどのアクアレーサーらしいスタイリッシュなデザインを踏襲しつつ、波を想起させる立体的なパターンのダイアルが与えられている。

 ブラックのダイアルとコントラストを成しているのが、ホワイトのスーパールミノバを塗布したインデックスと針だ。高い視認性を発揮するだけではなく、それぞれ異なる形状を用いることで判読性も高めている。6時位置には日付表示が配され、サファイアクリスタルに取り付けられた拡大レンズによって、容易に読み取ることが可能だ。

 ダイアルと同色のベゼルインサートは、耐傷性や耐候性に優れるセラミックス製。15分までは分単位の目盛り、それ以降は5分単位に数字または略字が配されている。

 ケースは、300m防水のダイバーズウォッチとしては比較的厚みが抑えられており、取り回しやすさにも優れる。サテン仕上げを主体としたツール感溢れるデザインに加え、リュウズガードの存在やポリッシュによる面取りが、全体にシャープな印象を作り出している。

 ケースバックには、ダイビングヘルメットのモチーフがケースに対して真っすぐに刻まれ、ステンレススティールブレスレットには微調整機構が備わるなど、細部にまで手の込んだ仕様だ。

 搭載するCal.TH31-00は、スイスの高級ムーブメント製造会社であるAMTとの共同開発によって誕生したムーブメントだ。約80時間のパワーリザーブに加え、C.O.S.C.公認クロノメーターを取得した高精度を発揮する。



Contact info:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7030


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