IWCが誇るパイロットウォッチの伝統と、スイス空軍アクロバットチーム、パトルイユ・スイスの精神が融合。長年のパートナーシップから生まれた特別エディション第5弾が登場した。チタン製の直径40mmのケース、限定数250本という非常に希少な「マーク XX」が、航空時計史に新たな1ページを刻む。
パトルイユ・スイス60周年を記念する世界限定250本の希少モデル
IWCは、パイロットウォッチの分野でも高い評価を得ている。そしてこの度、スイス空軍のアクロバット飛行隊、パトルイユ・スイスとの長年にわたるパートナーシップのもと、コラボレーション第5弾となる最新モデルを発表した。今回の製品は、ケース径40mmのチタン素材で造られたマーク XXで、シンプルに徹したデザインが特徴である。グレーの文字盤、100メートル防水機能、そして3針およびデイト表示を備えた自動巻きムーブメントを搭載している。250本の限定生産で、価格は102万8500円だ。
航空業界との密接な関係を誇れる時計ブランドは限られている。ブライトリングは言うまでもなく、ほかにはハミルトン、オリス、ベル&ロス、そしてIWCが例に挙げられる。中でもIWCは1936年以来、美しさと機能性を兼ね備えたパイロットウォッチの製造で、広く世に知られている。
このような背景も手伝い、パトルイユ・スイスは1994年にスイス・シャフハウゼンに拠点を置くIWCと提携。その時に発表された「パイロット・ウォッチ・マークXII パトルイユ・スイス エディション」は、自然な帰結であった。
ただしこの腕時計の販売は限定的で、当時、アクロバット飛行隊のパイロットだけが購入を許されていた。購入時にはパイロットの名前が裏蓋に刻まれ、パトルイユ・スイスのロゴが文字盤に配されるものだったという。
パトルイユ・スイスが正式に設立されたのは1964年だが、その起源は1959年にまでさかのぼる。チームの基盤となるアクロバット飛行のトレーニングが、この年に始まったからだ。当時のスイス空軍偵察隊には、4機編成でのデモンストレーション飛行およびそのトレーニングという二役の任務が与えられたのである。
そして1964年、スイス・ローザンヌで開催された伝説的なスイスの国内博、エキスポ64において、初めての編隊飛行を実施。ループ飛行、旋回、バレルロール(横転と機首上げを同時に行う動作)などの息を呑むアクロバット飛行が披露され、スイス空軍50周年を華々しく祝ったのだ。
IWCとパトルイユ・スイスがともに標榜する、洗練された機能美
さて、今回の第5弾モデルにはRef.IW328209として登場した。100メートル防水機能を備えた直径40mmのチタンケース製マークXXで、非常にシンプルなマットグレーの文字盤に、IWC独特の針が組み合わされている。文字盤全体はドーム型のサファイアクリスタル製風防で保護されており、高級感と機能性を兼ね備える。
自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径40mm、厚さ10.6mm)。10気圧防水。世界限定250本。102万8500円(税込)。
この特別モデルには、Cal.32111を搭載。163個の部品で構成され、振動数は2万8800振動/時、約120時間のパワーリザーブを実現している。またストラップには黒のテキスタイルを採用、実用性と洗練さを両立させている。
裏蓋のデザインも特別仕様だ。3機のF-5E タイガーII戦闘機による編隊飛行の姿が刻まれ、「TRIBUTE TO PATROUILLE SUISSE」(パトルイユ・スイスをたたえる)の文字と、シリアルナンバーが刻印されている。
通常モデルとは異なる魅力に加え、世界限定250本という希少性が伴う本作は、IWCの卓越した技術力とパトルイユ・スイスの精神を見事に融合させた逸品といえそうだ。
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