今年も多くのモデルが発表された、オリエント/オリエントスター。2024年新作から5つのモデルを厳選し紹介する。同社の歴史を物語るダイバーズウォッチやスケルトンウォッチから、世界中にファンを抱えるリーズナブルなモデルまで、今年も同社らしい豊かな顔ぶれが並んだ。
Text by Tsubasa Nojima
[2024年10月29日公開記事]
魅惑のカラーリングをまとった、オリエント/オリエントスターの新作モデルに注目!
国産時計ブランドとして、独自の存在感を放つオリエントとオリエントスター。ユニークなデザインや機構によって多種多様な時計を手掛けてきた同社は、国内外に根強いファンを持つことで知られている。そんな同社より発表された2024年の新作たちも、実にオリエント/オリエントスターらしい魅力にあふれたものであった。
そこで今回は、そんな同社の新作から5つのモデルを厳選して紹介。これらに共通するのは、繊細なニュアンスを表現した豊かなカラーリングだ。ハイエンドなモデルからお手頃なクォーツウォッチまで、“らしさ”を味わえるラインナップにご注目いただきたい。
オリエントスター「M34 F8スケルトン ハンドワインディング」Ref.RK-AZ0103L
日本限定200本のみで販売されるスケルトンウォッチ。手巻き式ムーブメントを採用し、主ゼンマイを巻き上げる楽しみも味わうことができる。手巻き(Cal.F8B61)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm、厚さ10.8mm)。5気圧防水。国内限定200本。39万6000円(税込み)。
オリエントスターが得意とするスケルトンウォッチ。本作はその最新作であり、日本限定200本のみが販売される稀少なモデルだ。デザインテーマは、“深宇宙に輝く恒星の光”。グレーに仕上げたムーブメントと、インデックスを取り囲むブルーグラデーションのリング、グレーめっきのベゼルがどこまでも続く宇宙を表しており、ふたつの尾を付けた彗星を想起させる形状のテンプを支える地板、天の川銀河系のような渦を巻くシリコン製ガンギ車が、豊かな表情をもたらしている。
シャープな形状のラグは、オリエントスターの「M34」に共通する意匠だ。M34とは、天体カタログであるメシエカタログにおけるペルセウス座の散開星団を示す番号である。真っすぐに伸びる時分針とともに、ギリシャ神話の英雄ペルセウスの力強さを表現している。
ムーブメントは、自らの手で時計に動力を吹き込むことのできる手巻き式。スケルトン仕様のため、ペルラージュやストライプ装飾、面取りなど、隅々にまで与えられた仕上げを存分に楽しむことができる。
オリエントスター「M42 ダイバー 1964 2nd エディション F6 デイト 200m」Ref.RK-AU0702B
「M42」はメシエカタログにおいて、海神ポセイドンの子とされるオリオンにちなむ大星雲を指す。外装のチタンにはプロテクトコーティングが施され、軽量かつ耐食性に優れるだけではなく、耐傷性も高められている。自動巻き(Cal.F6N47)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。Tiケース(直径41mm、厚さ14.3mm)。200m防水。国内限定200本。19万2500円(税込み)。
オリエントが1964年に発表したダイバーズウォッチ、「オリンピアカレンダーダイバー」と「カレンダーオートオリエント」の60周年を記念した数量限定モデル。200m防水を備えた本格的なダイバーズウォッチであり、ケースとブレスレットにチタン素材を用いることで、ステンレススティールモデルに比べ約35%の軽量化を達成している。
ダイアルには、ドット、スクエア、トライアングル型を組み合わせたインデックスを採用することで、高い視認性と判読性を獲得している。丸型のポインターが付いた時針は、オリジナルモデルにオマージュを捧げる意匠だ。12時位置には、現代のオリエントスターを象徴するパワーリザーブインジケーターが搭載され、主ゼンマイの残量を視覚的に捉えることができる。インデックスと針や目盛りなど、随所に取り入れられたゴールドカラーが、柔らかなヴィンテージ感をもたらす。
ムーブメントは、機械式自動巻きのCal.F6N47を搭載する。1971年の登場以来、長年オリエントを支えてきたCal.46系の系譜に連なる、信頼性に優れたムーブメントだ。
オリエント「オリエントマコ 40」ソーラー駆動モデル Ref.RN-WJ0005L
カラフルなダイアルと光発電クォーツムーブメントの搭載によって、新たな魅力を獲得した「オリエントマコ」のコンパクトモデル。“マコ”は、マオリ語でサメを表す言葉である。光発電クォーツ。SSケース(直径39.9mm、厚さ11.2mm)。20気圧防水。オリエント公式オンラインストア限定モデル。4万1800円(税込み)。
海外を中心に高い支持を得る、オリエントのダイバーズスタイルのスポーツウォッチ、「オリエントマコ」。その新作として登場したのが、光発電クォーツムーブメントを搭載したシンプルな3針モデルだ。
アラビア数字とバータイプのインデックスが並ぶダイアルは、爽やかなスカイブルーに彩られている。スカイブルーモデルはオリエント公式オンラインストア限定だが、そのほかグリーン、ベビーブルー、アイボリー、ココアブラウンの4色がレギュラーモデルとしてラインナップし、好みに合わせた色味をチョイスできることも、本コレクションの魅力のひとつである。
20気圧防水を備えながら、直径39.9mm、厚さ11.2mmと控えめに抑えられたケースサイズも本作の特徴だ。リュウズはねじ込み式を採用し、経過時間の測定が可能なベゼルには、逆回転防止機構が備わっている。
今回取り上げる5つのモデルのうち、本作のみ唯一、機械式ではなく光発電クォーツムーブメントを搭載している。趣味性は機械式に譲る部分があるものの、頻繁な時刻合わせを行う必要がない手軽さやランニングコストの低さは魅力である。満充電時には連続して約12か月も稼働することが可能であるため、他の光発電クォーツと比べても大きなアドバンテージを誇る。
オリエント「オリエント バンビーノ 38」Ref.RN-AC0M15Y
オリエント公式オンラインストアでのみ、数量限定で販売される特別モデル。ヴィンテージ調のカッパーカラーダイアルが魅力的だ。自動巻き(Cal.F6724)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径38.4mm、厚さ12.5mm)。3気圧防水。国内限定50本。オリエント公式オンラインストア限定モデル。4万2900円(税込み)。
クラシカルなデザインによって世界中で親しまれている「オリエント バンビーノ」。その38mmケースモデルにレトロなカラーダイアルの新作が登場。そのひとつであるRef.RN-AC0M15Yは、カッパーカラーダイアルを採用したモデルだ。
インデックスは長めのくさび型。中央には溝が加えられ、光を反射することによって視認性を確保している。外周に向かって丸みを帯びたボンベ型ダイアルは、ヴィンテージウォッチに見られるプラスチック風防を想起させるボックス型の無機ガラスに覆われ、全体を柔らかい雰囲気にまとめている。大型のリュウズもヴィンテージ感を高める要素のひとつだ。
シースルーバックからは、内部のムーブメントを観賞することが可能。テンプや自動巻きローターの動きが、ユーザーの目を楽しませてくれることだろう。
ベルトは、ブラウンのレザーストラップを採用。ブランドロゴが刻まれたピンバックルが取り付けられている。本作は、オリエントの公式ストア限定で50本のみが販売される。
オリエント「オリエント バンビーノ 38」Ref.RN-AP0105Y
ベビーブルーダイアルを採用した、「オリエント バンビーノ 38」の新作。リーズナブルな価格設定に、オリエントの良心が垣間見える。自動巻き(Cal.F6222)。24石。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径38.4mm、厚さ12mm)。3気圧防水。4万5100円(税込み)。
先述したRef.RN-AC0M15Yのカラーバリエーションモデル。本作は、ノスタルジックな雰囲気をまとったベビーブルーダイアルを採用している。こちらもオリエント公式オンラインストアのみ限定数量50本で販売されるため、気になる方は早めにチェックされたし。
基本的なデザインは、カッパーカラーダイアルモデルと同じだ。ボンベ型のダイアルは、繊細な放射目仕上げを施した上でマットな塗装を加えることで、柔らかな印象に仕上げられている。3時位置には日付表示が配され、シンプルながらも機能性を確保する。
ラウンド型のステンレススティールケースは、ベゼルを薄く、ラグを細くすることで、ダイアルにマッチしたクラシカルなデザインに。標準で付属するブラウンのレザーストラップも魅力的だが、ベルトを付け替えることで、幅広い楽しみ方のできるモデルでもある。ラグ幅は、ポピュラーな20mm。控えめなサイズ感とノスタルジックな色味は、老若男女問わず使いやすく、シェアウォッチとしての使い方もおすすめだ。