シチズンの2024年新作より、5つのモデルを紹介。今年も機械式モデルからGPS衛星電波受信機能を搭載した多機能モデルまで、多様なニーズに応える豊富なラインナップがそろった。
Text by Tsubasa Nojima
[2024年11月5日公開記事]
シチズンの2024年新作より、厳選した5本を紹介!
1918年に創立された、尚工舎時計研究所を祖に持つ時計メーカーが、シチズンだ。同社は、同じく日本の時計メーカーであるセイコーと切磋琢磨し日本の時計業界を牽引。国産初の電子ウォッチや世界初のアナログ式光発電クォーツウォッチなど、数々のイノベーティブな製品を生み出していった。現在では、GPS電波受信機能や光発電エコ・ドライブなどの機能性に優れたクォーツウォッチから、本格的な機械式ムーブメントを搭載したモデルまで、幅広いラインナップを擁している。
今回は、そんなシチズンの2024年新作より、5つのモデルを紹介。いずれのモデルも、同社らしい技術力とデザイン性に優れた傑作だ。
シチズン シリーズエイト「890 メカニカル」Ref.NB6060-58L
スポーティさと都会的なラグジュアリーさを兼ね備えた、シリーズエイトの新作。20気圧防水や視認性に優れたダイアル、回転式インナーベゼルなど、優れた機能性が魅力。自動巻き(Cal.9051)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径42.6mm、厚さ11.7mm)。20気圧防水。19万8000円(税込み)。
2021年に復活したシチズンのシリーズエイト。その新作として発表されたのが、スポーティなデザインが魅力の「890 メカニカル」だ。先行して発表されたモデルと同様、現代のライフスタイルに合わせた第2種帯磁を備えているだけではなく、本作では20気圧防水を達成することによって、より幅広いシーンでの着用を可能としている。
ダイアルは、ドットとバーのインデックスに太めの針を組み合わせたダイバーズスタイル。東京の夜景と伝統の市松模様を融合したパターンダイアルによって、シリーズエイトらしいモダンなデザインに仕上げている。インナーベゼルは、2時位置のリュウズを操作することによって両方向に回転する。三角のマーカーを分針に合わせれば、経過時間を測定することが可能だ。
直線を基調として構成されたケースは、力強いサテン仕上げと要所に施したポリッシュによって立体的な表情を見せる。ブレスレットはケースと一体化したデザインに仕上げられ、シャープな印象だ。
ムーブメントは、機械式自動巻きのCal.9051。その動きは、シースルーバックを通して鑑賞することができる。
シチズン プロマスター「メカニカルGMT」Ref.NB6046-59E
第2時間帯表示機能や航空計算尺を備えた、プロフェッショナル向けのパイロットウォッチ。ケースバックには、パイロット用ヘルメットのイラストが刻印されている。自動巻き(Cal.9054)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径44.5mm、厚さ12.7mm)。20気圧防水。14万8500円(税込み)。
プロマスターの“SKY”としてラインナップする、機械式GMTムーブメントを搭載したパイロットウォッチ。高い機能性と屈強な外装が特徴だ。
視認性を重視したブラックのダイアルには、蓄光塗料が塗布された大型のインデックスが並ぶ。12時位置と6時位置をアラビア数字とすることで、例え暗闇の中であっても時計の向きを瞬時に判別することが可能だ。GMT針は赤く彩られ、グレーカラーのめっきが施されたベゼルの24時間表記を用いることで、第2時間帯の時刻を知ることができる。ダイアルの外周には航空計算尺が配されており、8時位置のリュウズを回転させることによって簡易的な計算を行うことが可能だ。
直径44.5mmのケースはステンレススティール製。ケースとブレスレットをつなぐラグの形状は、航空機に着想を得たものだ。ヘアラインを多用することによって、ツール感を高めている。
パイロットウォッチとしての機能性だけではなく、第2種帯磁のムーブメントや20気圧防水の屈強なケースなど、プロフェッショナルツールとしてふさわしいスペックを備えている。
シチズン「エコ・ドライブワン」Ref.AR5064-57L
極薄の光発電クォーツムーブメントを搭載した、「エコ・ドライブワン」の数量限定モデル。プルシャンブルーのダイアルとデュラテクトDLCによるブラックの外装が、スポーティな印象をもたらす。光発電クォーツ。SS+デュラテクトDLCケース(直径38mm、厚さ3.88mm)。5気圧防水。世界限定250本。49万5000円(税込み)。
厚さわずか1mmという、世界最薄の光発電ムーブメントを搭載した「エコ・ドライブワン」。本作は、その新作として登場した世界250本の数量限定モデルである。
ダイアルのカラーは、濃い青であるプルシャンブルー。バーインデックスと時分針、ブランドロゴのみが配されたミニマルなデザインが特徴だ。
ケースとブレスレットにはデュラテクトDLCが施され、耐傷性を高めつつ外装をオールブラックに仕上げている。ケースとブレスレットが一体化したデザインと相まって、スポーティな印象だ。極薄ムーブメントを搭載しているだけあり、ケースの厚みはわずか3.88mm。薄型のケースでは十分な防水性を確保することが難しいが、本作では5気圧防水を達成し、日常生活でも十分な性能を有していることにも注目だ。
本作が搭載する光発電ムーブメントは、フル充電することで約1年間作動し続けることが可能。もちろん定期的な電池交換をする必要もないため、ランニングコストを抑えられる点も魅力である。
シチズン アテッサ「Act Line」Ref.CC4074-61W
GPS衛星電波受信機能を搭載した、アテッサのハイエンドモデル。ブラックとピンクゴールドカラーを組み合わせた、上品なカラーリングが魅力だ。光発電クォーツ。スーパーチタニウム+デュラテクトDLCケース(直径44.6mm、厚さ15.4mm)。10気圧防水。34万1000円(税込み)。
シチズンの技術を象徴するチタン製ウォッチ、アテッサに加わった、上品なカラーリングの新作。主にビジネスシーンで活躍する腕時計がラインナップするアテッサだが、その中でも「Act Line」は、多様化するビジネススタイルに合わせ、スーツスタイルとカジュアルの両方で使いやすいデザインを特徴としている。
シャープなデザインの外装は、粗目のサンレイパターンにメタリック塗装を施したカッパーカラーのダイアルに、デュラテクトDLCを施したチタン製のケースとブレスレットを組み合わせつつ、随所にデュラテクトピンクを加えることで、精悍さの中に華やかさを宿している。
機能性に優れている点も本作の魅力だ。GPS衛星電波受信機能を搭載し、世界中のあらゆる場所で正確な時間を得ることができるほか、光発電エコ・ドライブによって、定期的な電池交換も不要。パーペチュアルカレンダーやクロノグラフ、ワールドタイム、アラームなどの便利な機能も搭載されており、インダイアルとリュウズ、プッシュボタンによって簡単に操作することが可能だ。
ザ・シチズン「Iconic Nature Collection(アイコニック ネイチャー コレクション)」Ref.Q4100-65H
和紙ダイアルによって、風と砂が織り成す自然芸術、砂紋を表現。また、ブルーグレーのグラデーションによって奥行き感を創出している。光発電クォーツ。スーパーチタニウムケース(直径38.3mm、厚さ12.2mm)。10気圧防水。世界限定3650本。44万円(税込み)。
ザ・シチズンは、1995年に誕生したシチズンのフラッグシップブランドだ。精度、品質、ホスピタリティ、そしてシンプルながらも細部にまで凝ったデザインによって高い評価を得ている。2024年新作として登場した本作は、移ろいゆく自然の景物から、一瞬を切り取り凝縮した和紙ダイアルを特徴とする「Iconic Nature Collection(アイコニック ネイチャー コレクション)」に属するモデルだ。
ダイアルのテーマとなったのは“風”。土佐清帳紙の地合い模様である簾の目(すのめ)に、ブルーグレーのグラデーションやパターンを重ねることで、砂漠や砂丘に見られる、風が作り出した砂紋を表現している。
ケースとブレスレットには、デュラテクトプラチナを施したチタン素材であるスーパーチタニウムを採用。軽量かつ耐食性に優れるというチタンの特徴を生かしつつ、白く輝く高い審美性を兼ね備えている。
搭載するクォーツムーブメントは、年差±5秒の高精度に、光発電エコ・ドライブやパーペチュアルカレンダーを搭載。ザ・シチズンらしい優れたスペックを誇る。