オメガの2024年新作5選。「スピードマスター」から「シーマスターレガッタ」まで、今年のオメガもやっぱり凄い!

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2024.11.07

オメガの2024年新作より、5つのモデルを紹介。定番の「スピードマスター」や「シーマスター」コレクションに追加されたバリエーション、パリ2024オリンピック・パラリンピック記念モデルまで、今年も魅力的な新作が多く発表された。

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ

Photograph by Masahiro Okamura
野島翼:文
Text by Tsubasa Nojima
[2024年11月7日公開記事]


2024年の時計界を大きく沸かせた、オメガの新作たち

 1848年にスイスのラ・ショー・ド・フォンで産声を上げたオメガ。日本国内でもメジャーな高級時計ブランドとして知られる同社は、1948年に防水時計である「シーマスター」を発表。1957年には本格的なダイビングウォッチである「シーマスター 300」、レーシング用のクロノグラフウォッチ「スピードマスター」、高い耐磁性を備えた「レイルマスター」を開発し、過酷な環境に耐えうる堅牢性と優れた機能性を世に知らしめた。

 1999年にはコーアクシャル脱進機の量産化に成功。現在では多くのモデルに対し、コーアクシャル脱進機を搭載し、メンテナンスサイクルの長期化を実現している。

 そんな歴史と技術を持ち合わせる同社は、今年も魅力的な新製品を数多く発表している。中でも注目すべきは、既存コレクションに対するバリエーションの拡充だろう。オメガを象徴するスピードマスターの手巻きモデルでは、レギュラーモデルとしてホワイトダイアルを追加し、第2世代の復刻である「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」が待望の復活を果たした。スピードマスターと双璧を成すスポーツウォッチ、シーマスターにも、豊かな顔触れがそろう。そして忘れてはならないのが、同社がオフィシャルタイムキーパーを務めた、パリ2024オリンピック・パラリンピック。これを記念したモデルたちも、時計界を大きく賑わせた。


「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.04.001

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.04.001
レギュラーモデルとして登場した、ホワイトラッカーダイアルのムーンウォッチ。アプライドインデックスを採用し、ブラックダイアルモデルに比べてやや華やかな印象に仕上がっている。手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。50m防水。125万4000円(税込み)。

 オメガの「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」に、ホワイトダイアルモデルが登場。限定ではなくレギュラーモデルであることに驚いたファンも少なくないだろう。本作のダイアルは、艶やかなラッカー仕上げによるもので、アプライドインデックスが採用されるなど、ブラックダイアルとは一味違った印象にまとめられている。

 スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナルと言えば、ヘサライトクリスタルを採用したソリッドバックのモデルと、サファイアクリスタルを採用したシースルーバックのモデルが併売されていることも特徴だが、ホワイトダイアルは、後者の仕様でのみ販売されている。

 シースルーバックからのぞくのは、マスター クロノメーター認定を取得した、手巻きクロノグラフムーブメント、Cal.3861。カムや水平クラッチが動き、クロノグラフ輪列へと動力が伝達される様子を楽しむことができる。

 ベルトのバリエーションは、ステンレススティールブレスレット、レザーストラップ、ラバーストラップの3種類が用意されている。


「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」Ref.310.30.40.50.06.001

スピードマスター ファースト オメガ イン スペース Ref.310.30.40.50.06.001

オメガ「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」Ref.310.30.40.50.06.001
2012年にも復刻された「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」が、マスター クロノメーター認定のムーブメントを搭載し復活。外装も大幅な進化を遂げている。手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径39.7mm、厚さ13.4mm)。50m防水。121万円(税込み)。

 1962年10月3日に開始されたマーキュリー計画のシグマ7ミッションにおいて、NASAの宇宙飛行士であるウォルター・“ウォーリー”・シラーが個人用の時計として携行した、第2世代のスピードマスター「Ref.CK2998」。これこそが、初めて宇宙へと旅立ったオメガの腕時計である。「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」は、この偉業に敬意を表した、CK2998の復刻モデルだ。

 ダイアルのカラーは、オリジナルにのっとったブルーグレー。インデックスと時分針には、経年による変色を想起させるようなオレンジ色のスーパールミノバが塗布され、全体をヴィンテージ調に仕上げている。

 第4世代以降のスピードマスターは、ツイストタイプのラグと、リュウズガードとしての役割を果たす左右非対称のケースデザインを特徴とするが、本作ではオリジナルに忠実なストレートなラグによるすっきりしたケースラインが再現されている。

 ケースバックの中央にはシーホースが鎮座し、その周囲には、“THE FIRST OMEGA IN SPACE”やシグマ7ミッションの開始日が刻まれている。搭載するムーブメントは、手巻きクロノグラフのCal.3861である。


「シーマスター プラネットオーシャン」Ref.215.32.44.21.06.001

オメガ シーマスター プラネットオーシャン 215.32.44.21.06.001

オメガ「シーマスター プラネットオーシャン」Ref.215.32.44.21.06.001
グリーンを取り入れたカラーリングが特徴の「シーマスター プラネットオーシャン」の新作。縦方向のヘアラインが際立つステンレススティール製ダイアルが、ソリッドな印象をもたらす。自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径43.5mm、厚さ16.2mm)。600m防水。108万9000円(税込み)。

 600mもの防水性と飽和潜水にも対応するヘリウムエスケープバルブを備えた、「シーマスター プラネットオーシャン」の新作。プロフェッショナル向けのダイバーズウォッチというと、武骨でツール感の強いモデルが想起されるが、本作はタウンユースにもピッタリなファッショナブルなカラーリングを採用している。

 ダイアルは珍しいステンレススティール製。縦方向のヘアラインを加えることで、ソリッドな印象に仕上げている。リキッドメタルのスケールが与えられたセラミックス製のベゼルインサートは、落ち着いた色味のグリーン。アラビア数字のインデックスやダイアル上の“Seamaster”のロゴ、ラバーストラップにもグリーンを用いることで、統一感を高めている。

 高い防水性を達成しつつも、シースルーバック仕様であることにも注目だ。サファイアクリスタルの中央には、メタリック加工のシーホースがあしらわれ、その奥にはマスター クロノメーター認定を取得した自動巻きムーブメント、Cal.8900がのぞく。


「シーマスターレガッタ」Ref.216.92.46.79.10.001

オメガ「シーマスターレガッタ」Ref.216.92.46.79.10.001
第37回アメリカズカップを記念した、アナログとデジタルのコンビネーションモデル。搭載するクォーツムーブメントは、温度補正集積回路を搭載しており、寒暖差の激しい過酷な環境であっても正確な時刻を保ち続けることができる。クォーツ(Cal.5701)。Tiケース(直径46.75mm、厚さ15.6mm)。50m防水。114万4000円(税込み)。

 オメガが公式計時を務める国際ヨットレース、アメリカズカップ。その第37回大会を記念した新作が、「シーマスターレガッタ」だ。本作は、アナログとデジタルのコンビネーションのクォーツムーブメントを搭載している。

ダイアルの中央にはデジタル表示が備わっており、ムーンフェイズ、クロノグラフ、セーリングのログブック、温度計、加速度計、3つのアラーム、レガッタレース機能といった、ヨットレースに必要な機能が満載されている。バックライトが搭載されているため、暗所でも容易に読み取ることが可能だ。

 直径46.75mmのケースは、軽量かつ耐食性に優れたグレード5チタン製。レースの舞台となる過酷な洋上にも耐え抜く堅牢性が魅力だ。ブルーとレッドを組み合わせたカラーリングは、これまでのアメリカズカップモデルに共通する特徴である。

 ケースバックには、第37回アメリカズカップのロゴがあしらわれ、特別感を高めている。時計本体と同じカラーリングを施した、特別仕様のボックスが付属する。


「パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション」Ref.522.92.39.21.99.001

「パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション」Ref.522.92.39.21.99.001
パリ2024オリンピック・パラリンピックを象徴する特別仕様のモデル。クラシカルなデザインは、1939年に製造されたスモールセコンドタイプのオメガの腕時計に着想を得ている。手巻き(Cal.8926)。29石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブロンズゴールドケース(直径39mm、厚さ11.7mm)。3気圧防水。184万8000円(税込み)。

 今年の一大イベントと言えば、夏に開催されたパリ2024オリンピック・パラリンピックだろう。オフィシャルタイムキーパーを務めるオメガは、今大会を記念するいくつかのモデルを発表してきた。「パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション」は、そのうちの1つである。

 クル・ド・パリパターンが施されたクラシカルなデザインのダイアルは、シルバー製。ケースには同社独自の合金であるブロンズゴールドを採用し、すらりと伸びる時分針は、18Kセドナ™ゴールドにブロンズゴールドPVDを施したもの。素材に金、銀、銅を採用した、まさにオリンピック・パラリンピックを象徴する1本と言えるだろう。

 フロスト加工が施されたケースバックには、大会のエンブレムがあしらわれている。内部に格納されたCal.8926は、手巻きムーブメントだ。約72時間のパワーリザーブと、マスター クロノメーター認定を取得した高い精度と耐磁性を備えている。

 本作は、大会のエンブレムとオメガのロゴが配された、ホワイトの特別仕様のボックスに収められている。



Contact info: オメガ Tel.0570-000087


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