個性的な腕時計が欲しいなら、“赤系のダイアルカラー”を持った1本で決まり!

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2024.11.13

腕時計を購入するうえで、文字盤のカラーリング選択は至って重要な要素と言える。色次第で、その腕時計が持つ雰囲気はガラッと変わり、着用に向くシーンや、似合うコーディネートも大きく異なってくるからだ。今回は、個性派寄りである、赤系の文字盤色を持つ腕時計に限定して、おすすめモデルを5本ピックアップして紹介する。

新居賢人:文
Text by Kento Nii
[2024年11月12日公開記事]


情熱的、そしてインパクトも抜群な赤文字盤

ファッションアイテムとしての側面も強まっている現代の腕時計には、無限のデザインバリエーションが存在している。そして、文字盤に採用されるカラーリングも、白、黒、青に始まり、緑、ピンク、果てはレインボーに至るまで、実に多種多様だ。

その中でも赤系の文字盤色は、視覚的なインパクトを持ち、エネルギッシュな印象を与えてくれるカラーリングである。もちろん、ファッションのアクセントカラーとして取り入れるうえでも役立ち、個性的でありながら、意外と使い回しが効くのが特徴だ。また、一口に赤色と言っても、鮮やかな原色から、シックなバーガンディー、個性的なオレンジ、ピンクなどがあり、その選択の幅広さも“赤”の魅力に数えられるだろう。


赤系の文字盤色を持つおすすめ腕時計5選

赤系の文字盤色を持つおすすめモデルを5本ピックアップして紹介する。なお、なるべく購入しやすい腕時計であることも選定理由とし、少量の限定生産モデルや希少モデルは除外している。

ちなみに、webChronosでは現在、月次で「今月は何が開運時計?」という時計占いを連載しており、各星座におけるその月の「招福時計」を紹介している。あなたの星座の招福時計に、「赤系の文字盤を持つ腕時計」が選ばれた際は、本記事での紹介モデルも選択肢に加えてみてはいかがだろうか。


オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.41.20.11.001

1848年の創業以来、多様な分野に適することができ、かつ信頼性に優れる腕時計を輩出し続けてきたオメガ。世界的な知名度を誇る同ブランドの卓越性は、オリンピックの公式計時や、NASAの公式装備への採用でも証明されてきた。

オメガ デ・ヴィル プレステージ

オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.41.20.11.001
自動巻き(Cal.8802)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径41mm、厚さ10.8mm)。30m防水。84万7000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

そんなオメガからは、クラシカルかつエレガントな造形を持つ「デ・ヴィル プレステージ」をピックアップした。本コレクションは、2022年の刷新を経て、よりスリムな、そしてより実用的なドレスウォッチへと進化を遂げるとともに、あらゆるライフスタイルになじむよう、幅広いバリエーションが展開されている。

Ref.434.10.41.20.11.001は、バーガンディーカラーの文字盤を持つモデルだ。文字盤はドーム型の形状を採っており、サンブラッシュ仕上げがそのシックな色彩をより表情豊かに仕上げている。また、スモールセコンドを持つすっきりとした文字盤レイアウトは、赤系の文字盤色が持つ、際立つ個性を実感しやすい。

ムーブメントは、マスター クロノメーターに認定されたCal.8802を搭載する。フリースプラングテンプにシリコン製ヒゲゼンマイを搭載することで、安定した高精度や、超耐磁性能を備えており、本作の実用性をワンランク上に押し上げている。


ロンジン「ロンジン レジェンドダイバー」Ref.L3.374.4.40.02

1832年創業の老舗ブランドであるロンジンは、プロフェッショナルのための時計を製造してきた歴史を持ち、腕時計の機能性を重視するユーザーからも支持を集めているブランドだ。また、長い歴史を持つがゆえに、自社のアーカイブから着想を得たデザインを踏襲したモデルを打ち出すことを得意としてもいる。デザインは伝統にのっとるとはいえ、もちろん現代的な実用性を誇ることは言うまでもない。

ロンジン「ロンジン レジェンドダイバー」Ref.L3.374.4.40.02
自動巻き(Cal.L592)。22石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径36mm、厚さ11.90 mm)。30気圧防水。38万8300円(税込み)。(問)ロンジン Tel.03-6254-7350

ロンジンからは、ダイバーズウォッチコレクション「ロンジン レジェンドダイバー」のRef.L3.374.4.40.02をピックアップした。赤いグラデーションカラー文字盤には、ベージュカラーのスケール、インデックスによって、味わい深い表情がもたらされており、上品で落ち着いたレトロ感が腕時計全体に漂っている。

ロンジンが1959年に打ち出した「Ref.7042」をインスピレーション源とする、ロンジン レジェンドダイバーの独自のスタイルも特徴だ。2時位置のリュウズで操作する回転式インナーベゼルを採用しており、スマートかつクラシカル、そして実用的なダイバーズウォッチに仕上がっている。ケースは、直径36mmとツールウォッチらしからぬコンパクトなサイズ感である一方で、30気圧防水を備えた。

ムーブメントはCal.L592を搭載する。シリコン製ヒゲゼンマイの採用で耐磁性が高められており、パワーリザーブは約45時間を有している。なお、ケースバックには潜水士のアイコンがあしらわれている。


キングセイコー「KSK」Ref.SDKA011

日本を代表する時計メーカーのひとつ、セイコー。マジックレバーの開発や、世界初の量産型クォーツ腕時計の製造などで知られており、こういった革新性を実現する高い技術力や豊かな独創性は、現在の同ブランドのウォッチメイキングにおいても健在だ。

キングセイコー KSK SDKA011

キングセイコー「KSK」Ref.SDKA011
自動巻き(Cal.6L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径38.6mm、厚さ10.7mm)。5気圧防水。41万8000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012

もしセイコーの製品で、幅広い文字盤のカラーリングから選びたいというのであれば、2022年、満を辞してレギュラーコレクションに復活したキングセイコーをお勧めしたい。過去に製造されていたモデルを現代向けにリファインした本コレクションは、豊富なダイアルバリエーションもその魅力に数えられるのである。

Ref.SDKA011は、キングセイコーが生まれた亀戸の“伝統美”をコンセプトとするコレクションだ。シンボリックかつ立体的な“梅の花”のパターンを文字盤に敷き詰めることで、歌川広重の浮世絵にも描かれた、亀戸の1本の梅が表現されている。また、このパターンは、シックなグラデーションカラーで表情付けされており、光の当たり方でまた違った一面を見せてくれる。

そんな本作はキングセイコーの中でも特別感あふれるモデルと言える。梅の花といった独特のパターンがあしらわれることに加えて、2代目キングセイコーである「KSK」のデザインを受け継ぐことで、高級機として完成度の高い仕上がりを実現しているのだ。この完成度の高さは、重厚感のある針や、多面カットが施されたケースにも表れており、さらに、セイコーの現行自動巻きムーブメントで最薄であるCal.6L35を搭載することで、厚さ10.7mmというスリムなケースサイズとなっている。


レイモンド ウェイル「ミレジム オートマティック センターセコンド」Ref.2125-P5-45001

1976年にスイスで創業したレイモンド ウェイル。同ブランドは創業者一族による独立経営が行われており、さらに一族が音楽家であることから、コレクションのインスピレーション源に音楽や芸術がたびたび用いられてきた。

レイモンド・ウェイル ミレジム 2024年新作

レイモンド ウェイル「ミレジム オートマティック センターセコンド」Ref.2125-P5-45001
自動巻き(Cal.RW4200)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35mm、厚さ9.18mm)。5気圧防水。34万1000円(税込み)。(問)ジーエムインターナショナル Tel.03-5828-9080

そんなレイモンド・ウェイルで注目したいのが、GPHG(ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ)2023にてチャレンジ部門賞を獲得した「ミレジム」だ。2024年、ミレジムには多彩なバリエーションが追加されており、中でもRef.2125-P5-45001は、バーガンディーカラーのダイアルと、ローズゴールドカラーのケースを採用。手元に個性を演出するにあたって、絶好の1本に仕上がっている。

ブランド独自の解釈を加えつつ、腕時計の伝統的な意匠を現代技術で再現した“ネオ・ヴィンテージウォッチ”というコンセプトも本コレクションの魅力である。幾何学的なセクターダイアルやボックス型のサファイアクリスタル風防、小ぶりなケースサイズといった古典的な要素を備えており、そのヴィンテージ感が好みに刺さる時計愛好家は少なくないだろう。

内部にはセリタ製ムーブメントをベースとした、Cal.RW4200を搭載している。パワーリザーブは約41時間となっており、ケースバックからは、そのテンプやローターの動きを楽しむことが可能だ。


ノモス グラスヒュッテ「クラブ・キャンパス ノンストップレッド」Ref.716.GB

ドイツ・グラスヒュッテで1990年に創業したノモス グラスヒュッテ。この地に根差した時計産業を受け継ぎ、グラスヒュッテ製という称号に恥じない高品質な腕時計を堅実な販売価格で展開するブランドだ。また、バウハウスに影響を受けた「タンジェント」など、モダンとクラシカルが両立したデザインも同ブランドの魅力となっている。

ノモス グラスヒュッテ 新作 クラブ・キャンパス

ノモス グラスヒュッテ「クラブ・キャンパス ノンストップレッド」Ref.716.GB
手巻き(Cal.アルファ)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約43時間。SSケース(直径36mm、厚さ8.2mm)。10気圧防水。24万2000円(税込み)。(問)大沢商会 Tel.03-3527-2682

ピックアップしたのは、機械式時計へのエントリーモデルとしても好評な「クラブ・キャンパス」コレクションに属する1本だ。「クラブ」は、ノモス グラスヒュッテのラインナップの中でも、とりわけ軽快な雰囲気が漂うコレクションであり、優れた防水性や、蓄光塗料が施された針・インデックスといった、スポーティーな要素を備えている。

“ノンストップレッド”と名付けられたRef.716.GBは、オレンジに近い、鮮やかな赤文字盤が視線を集めるモデルだ。何ともエネルギッシュなこのカラーリングは、アラビア数字とローマ数字を組み合わせたインデックスを持つ、ポップなクラブ・キャンパスの表情とも良好な相性を見せている。

なお本作は、ムーブメントに自社製のCal.アルファを搭載した手巻き式モデルである。利便性では自動巻きモデルの方が評価されがちだが、趣味性やロマンの面において、手巻き式は魅力的な仕様と言えるだろう。


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