カシオの2024年新作より、本当に欲しいと思う5本をピックアップ。上質な高級G-SHOCKからアニバーサリーイヤーを飾る50周年記念モデルまで、カシオウォッチのファンのみならず、時計愛好家にも支持されるであろう、今年の新作を紹介する。
カシオの2024年新作より、厳選した5本を紹介!
2024年、時計事業スタートから50周年を迎えたカシオ計算機。コレクション性の高いスタンダードラインから、最先端技術を詰め込んだハイエンドモデルまで、幅広いラインナップを展開する。時計愛好家やG-SHOCKファンだけでなく、老若男女問わず支持を集める、日本が誇る時計メーカーだ。
そんな同社は1983年、これまで精密機械であった腕時計に、壊れにくいという新しい価値を打ち出したG-SHOCKを発売。過酷な現場で働く人だけでなく、ファッション感度の高い若者たちの間でも人気に火がつき、世界中で熱狂的に受け入れられている。2017年、G-SHOCKの世界出荷数が累計1億個突破の記録が作られるほど、今日に至るまで支持を集めているのだ。
この50年、G-SHOCKをはじめ、チャレンジングな腕時計を開発・販売を続け、独自のウォッチメイキングを確立してきたカシオ。デジタルウォッチだけでなく、クラシックなスタイルを備えた「オシアナス」など、数々の優れたモデルを確立させてきた。
2024年はカシオ初の腕時計となる「カシオトロン」の復刻モデルや、50周年記念モデルシリーズを続々と発売。アニバーサリーイヤーを大いに盛り上げた、2024年の新作モデル5本を紹介する。
カシオ「G-SHOCK」Ref.MRG-B2100B
タフソーラー。フル充電時約18カ月(パワーセーブ時)。Ti×コバリオン×64チタンケース(縦49.5×横44.4mm、厚さ13.6mm)。20気圧防水。64万9000円(税込み)。
カシオが注力しているG-SHOCKの最上級ライン、「MR-G」コレクション。G-SHOCKらしい“タフネス”と、G-SHOCK史上最も上質な外装を両立することで、「高級G-SHOCK」という一大ジャンルを築いたシリーズだ。
2024年6月に発売した「MRG-B2100B」は、MR-Gコレクションで初めて薄型の「2100」シリーズをベースに採用した。3針表示、デイト表示の小窓、インダイアルはひとつのみと、MR-Gコレクションの中で最もシンプルな製品だ。多機能で大型モデルが多いG-SHOCKの中で差別化を図っている1本である。
本作のデザインモチーフは、日本伝統の木造建築技法である“木組”だ。立体的なダイアルは重厚感があり、ハイエンドモデルとしての威厳を漂わせている。
このダイアルはデザイン性に優れているだけでなく、ダイアルに開けられた無数の小さな穴から光を通し、発電・蓄電させることが特筆すべき点だ。従来は透過樹脂を備えることで光をソーラーセルまで通していたが、「穴」からの採光とすることで不透過の樹脂を使用することができ、結果として加工や装飾の自由度が上がったため、ダイアルの質の向上を実現したのだ。カシオの最先端技術と創意工夫が詰まったこのモデルは、初めて高級時計を購入する層はもちろん、長年のG-SHOCKファンにも手にしてほしい1本だ。
G-SHOCK MASTER OF G「マッドマスター」Ref.GWG-B1000EC-1AJF
光発電クォーツ。カーボンファイバー×SSケース(縦58.7×横52.1mm、厚さ16.2mm)。20気圧防水。13万2000円(税込み)。
「MASTER OF G(マスターオブG)」は、陸、海、空、それぞれ3つの過酷な環境に特化させ、極限に挑戦し続けるプロフェッショナルに向けたシリーズだ。中でも「マッドマスター」は、泥(マッド)にも負けない堅牢さを誇る耐衝撃ウォッチ。今回取り上げる「MASTER OF Gマッドマスター」Ref.GWG-B1000EC-1AJFも、瓦礫や土砂が山積・散乱するようなハードな環境での使用を想定したモデルである。
過酷な環境でも視認性を損なわないアナログ表示のダイアルを採用。また、スーパーイルミネーターLEDを内蔵し、強い光源下でも夜でも、スムーズに時刻を確認することができる。
さらに機能面では、Bluetooth搭載電波ソーラーに加え、方位、気圧・高度、温度情報の変化を感知するトリプルセンサーを搭載し、あらゆるアウトドアシーンで活躍することを期待できる。
ブラックボディに、鮮やかなエマージェンシーカラーをあしらったデザインは、救助現場など、タフで過酷なミッションに挑むプロフェッショナルの世界観を表現している。キャンプや山登りなど、アウトドア活動での良き相棒としてだけでなく、オフスタイルのアクセントとしても映えそうだ。
カシオ「フルメタル」Ref.GMW-B5000D-2JF
光発電クォーツ。SSケース(縦49.3×横43.2mm、厚さ13mm)。20気圧防水。8万4700円(税込み)。
G-SHOCKの初代モデルは、1983年に登場した「DW-5000C」だ。その初代モデルをフルメタル化しつつ、G-SHOCKの特徴である耐衝撃性とともに、現代テクノロジーを搭載して現在に受け継がれたモデルが「GMW-B5000」シリーズである。2018年の登場以降、G-SHOCKファンだけではなく、幅広いユーザーからの支持を受け、バリエーションを増やし続けている。
今回取り上げる2024年の新作のRef.GMW-B5000D-2JFは、メタリックブルーの蒸着加工を施した、クールな意匠が特徴だ。立体的なベゼル、天面のヘアライン加工、ミラー研磨の斜面で、スタイリッシュな印象に仕上げられている。オフィスカジュアルから、アクティブなスタイルまで、男女問わず、大人が身に着けられるG-SHOCKだ。
フルメタルシリーズの人気理由は、その見た目だけでなく、カシオ独自の高い機能性を有することにもある。とりわけタフソーラーや標準電波受信機能、そしてモバイルリンク機能は、日常に高い利便性を提供してくれる。このモバイルリンク機能というのは、時計自体にBluetoothを搭載させており、ユーザーはスマートフォンに「CASIO WATCHES」というアプリをダウンロードして時計とリンクさせることで、時刻合わせやワールドタイム設定、そして時計側から携帯電話探索などが行えるようになるというものだ。
何か時計がほしいと思うライトユーザーから、気軽につけられる時計がほしい時計愛好家にもおすすめできる1本だ。
カシオ「オシアナス」Ref.OCW-SG1000ZE
タフソーラー。フル充電時約18カ月(パワーセーブ時)駆動。Tiケース(直径43mm、厚さ11.7mm)。10気圧防水。世界限定350本。55万円(税込み)。公式ホームページでは完売。
2004年にデビューした「オシアナス」。ギリシア神話に登場する海の神「オケアノス」をネーミングの由来とし、エレガントなソーラー電波時計のブランドとして、人気を誇るシリーズだ。
そんなオシアナスのうち、Ref.OCW-SG1000ZEは、カシオ時計事業50周年記念モデルとして2024年10月にリリースされた“Zero to One”の中の1本だ。“Zero to One”は、カシオ計算機創業家のひとりである樫尾俊雄から受け継がれる、「0から1を生み出す」という同社の開発思想を具現化した記念モデル。BABY-G、オシアナス、G-SHOCK、カシオトロン、エディフィス、プロトレックの6種のブランドから共通のデザインコードのもと、特別モデルが打ち出されたのだ。
そのため本作も、オシアナスとしては珍しいブラックとゴールドで統一されたデザインを持つ。しかし最大の見どころは、ガリウムタフソーラーという新開発のソーラーセルを搭載していること。シャープとの協力の下、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の太陽電池として使われているガリウム化合物を腕時計向けに開発して搭載することで、発電量が高効率化され、わずかな光量でも発電するのだ。この技術によって、肉抜きしたカレンダーディスクから、わずかに差し込む光でもソーラー駆動するため、オシアナスで初めてメタル製ダイアルを採用できるようになった。メタルの質感で、特別感のある時計に仕上げられている。
なお、ブラックとゴールドで統一されたデザインと前述したが、オシアナスが探求してきたブルーをさりげなく忍ばせているのも要注目ポイント。カレンダーディスクにオシアナスブルーを採用したほか、48面のファセットカットを施したサファイアガラスベゼルは、時計を傾けるとブルーに偏光する。オシアナスの20年の歩みと革新技術を体感できる記念モデルだ。
カシオ「カシオトロン」Ref. TRN-50ZE-1AJR
タフソーラー。フル充電時約22カ月(パワーセーブ時)駆動。SSケース(縦42.7 × 横39.1mm、厚さ12.3mm)。5気圧防水。7万7000円(税込み)。公式ホームページでは完売。
時計事業スタートから50周年を迎えたカシオ計算機。節目の年にあたる2024年、1974年に同社が初めて発売した腕時計「カシオトロン QW02」を復刻させ、時計愛好家の間で大きな話題に。4000本の数量限定販売が、瞬く間に完売となるほど人気を集めた。
今回紹介する「カシオトロン」Ref.TRN-50ZE-1AJRは、前述したオシアナス同様、50周年記念の特別モデル“Zero to One”として登場した1本だ。カシオトロンQW02の復刻モデルをベースに、新たな価値を生む「はじまりの灯火」をイメージした、黒とゴールドのバイカラーを特徴としている。
カシオトロンは電卓で培ったデジタル技術を発展、世界初のオートカレンダー機能を搭載させた。カシオが得意とする多機能ウォッチの先駆けとなる存在だ。
オリジナルのレトロフューチャーな意匠やサイズ、質感は当時のモデルを再現させている。しかし復刻モデルでは、タフソーラーやモバイルリンク機能、ワールドタイム機能などカシオの最新機能を搭載し、現代バージョンにアップデートさせている。カシオの腕時計事業50周年、進化を止めないカシオのものづくりの精神を体現させている時計だ。